3話
「はい、これ新聞。中に入ってた手配書は俺が貰ったから」
「相変わらずの収集癖だな」
「集めていて損はないだろ?情報すら金になる世の中なんだからさ」
じいちゃんに蹴られた場所を優しくなでさすりながらふっと笑い言うと何故かじいちゃんはため息をはいた。
「?」
何だ、俺は何か可笑しい事言ったか?
「おめぇ、そんなんだからガキらしくねえって言われんだぞ」
「ん?誰か言ってたのか?」
どうせ新しく入ってきたコック達だろうとは当たりをつけているけれど。
そんな俺の様子にさらにため息を吐いたじーちゃんが俺から新聞を受け取ろうとした、その時。
どがああああん!!!!!
突然の破壊音と共に部屋の中が煙でいっぱいになってしまった。
「ゲホゲホ!なんだっ?じーちゃん!?」
俺は慌てて口を塞ぎ、辺りを見渡す。
埃やら何やらが舞う中、俺はある場所を見つめると目を見開いた。
「…………穴だ」
そうさっきまで塞がっていた天井に穴が開いていたのだった。
もしかしてこれは…………
「ゲホゲホっ」
「!!!!じーちゃん!」
俺は咳き込む声にハッとすると慌ててじーちゃんの声が聞こえる場所へと駆け寄った。
「じーちゃん、血がでてる!じっとして!」
むくりと起き上がりながらベッドに座ったじーちゃんに俺は慌てる。そして、じーちゃんの頭から血と埃で汚れた帽子をとり部屋に備え付けの救急箱を開け手当てを開始した。
「…出血のわりには傷は浅いし大丈夫か…」
消毒しガーゼを切り分け包帯を頭に巻く。
一通りの手当てを済ませた俺は次々に慌てて訪れるコックに答えていたじーちゃんに終わったと告げた。
「ちっどこのどいつだっ砲弾なんざ打ち込んできやがったバカは!」
「……………………」
いや、すごい犯人に心当たり有りまくるんだけどね?俺。
多分、あの人だろう、ほらゴムみたいにグングン伸びて左頬に傷があって麦わら帽子被った「ぎゃぁぁぁ!足が吹っ飛んでるぅ!!」うん、この人だ。
「オーナー、つれてしました!」と脇を抱えられながら連れてこられたこの人。
この目では初めて見る本物の麦わらのルフィ。
ああ、ついに原作が始まるのか…………
俺はじーちゃんの隣で前へと連れてこられたルフィを座りながら感慨深しげに見つめた。"読んだ"時とさほど変わらない麦わらのルフィがそこにいる、とりあえず
「じーちゃんの足はもとからだ」
突っ込んでおこう。
3話