2話
「っんん〜…………ん?」
伸びをしながらそれを見送った俺の前に、ニュース・クーから受け取った新聞からひらりと1枚、紙が落ちてきた。
「………ああ、新しい手配書か。次から次へと海軍もご苦労様だな」
そこには人相が悪い写真とアライブの文字。
俺はそれを手に取ると、バサリと今までためていた手配書ファイルを広げた。
そこにはざっと10ファイルもの、ごつい手配書の数。拾われてから俺が集めに集めた10年の集大成だ。
「今回の賞金首は600万ベリーか…………この海じゃ、まぁまぉだな。」
そう言いながらイスに座り手配書を眺める。
あと少ししたら俺もサンジ兄と海に出る事になるだろう、これはその時の必需品となるはずだ。
なぜかって?麦わら海賊団にはこういった賞金首に詳しい船員はナミ以外にはいないだろうし、そのナミも本来なら航海士が主だ。情報も金になる世の中、こういう手配書の情報も戦闘では必要になってくる。
「……いつみても不適な笑顔だよ、あんた達は。」
ぺらりとページをめくり出た言葉に、ふっと目を細める。開いたページにはシャンクスやエース、馴染み深い知人の手配書が載っていた。相変わらずなんだろうなと思いながら、俺は今日来たばかりの新しい手配書を空いているファイルに納め、新聞へと目を通した。
「特にめぼしい物はなかったな…………」
新聞を眺めながら着替えを済ませた俺はこのままじーちゃんに届けようとイスから立ち上がりじーちゃんの部屋に持っていく事にした。
コンコン
「じーちゃん、おはよう。」
「ガキんちょ、今何時だと思ってやがる」
「ん?」
俺はじーちゃんの部屋に掲げられていた時計を見た。AM07:56。8時前だ。
「8時前だね」
「8時前だね、じゃねぇだろ!このガキんちょが!」
びゅんと風を切るようにじーちゃんの足が俺の頬めがけて飛んできた。
おお、ギリギリ………
「いつもギリギリに起きてくんじゃねぇっつってんだろうが!それにその頭!所々飛び跳ねてやがんじゃねえかっ店に入る前にさっさと整えやがれ!」
「いいじゃないか、別に。こんな時間でも遅刻じゃないし、頭はまたサンジ兄にっおわっ!?」
「まだあのはな垂れにしてもらってやがるのかっがきんちょめ!」
びゅんとさらに顔の横を通り過ぎる足に、俺は反射的にしゃがみ避ける。けれど今日のじーちゃんの足の切れは絶好調らしい。しゃがんだのに当たってしまった。
「っっいたたっわかったよっこれから気をつけるから蹴らないでよっ」
「……本当にわかったんだろうな…?」
「わかったって。俺が嘘言った事ある?」
「……ふん。」
ひとまず納得してくれたのかじーちゃんは鼻を鳴らし第3段発射用意をしていた足をそのまま下ろしてくれた。
2話