久しぶりだね。でもあまり変わらないね。ただ前に会ったときより背が伸びたみたい。

「俺のこと、すき?きらい?」

好きか嫌いか。すきかきらいか。すきか、きらいか。

突然なあに、そんな嫌いなわけないよ。
むしろどっちかといえば、ううんわざわざ考えなくたって、

「好、き」

たった二文字だけでそんなに幸せそうに笑ってくれるの。
目のやり場に困ってのろのろと瞬きをしていたら、閉じた隙に唇と唇が触れあってた。
初めてのキスだと気づくのにはちょっと時間がかかった、だって想像してたのと全然違う。
唇ってこんなに柔らかかったの。しっとり濡れてふにゃふにゃしてて、変な気持ち。息吸ってもいいのかな。肩をぎゅっと握られて、なんだか苦しいよ。
おかしいよ、こんな、大人の、恋人がするみたいな。

「俺もすきだぜェ」

随分長いことくっついていたような気がする。
初めて強く抱きしめられて、肩に顎が乗せられて、心臓がきゅうきゅう締めつけられた。
そうかわたしも、貴方も、もう子どもではなかったね。見ないうちに貴方は大人になった。子どもみたいに笑っていても、子どもの頃と同じくらい近くにいても。
貴方は抜け忍で、わたしの知らない大人として生きて、
わかる。貴方の「すき」は子どものころの、友達としての「好き」じゃない。

これはまずい、

わたしはたぶん飛段のことを「すき」になってしまう。



 
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