冬だけど、


「…あつい」


口をぱくぱくする。

お腹から下をこたつに突っ込んだまま床に寝転がっているわたしとサソリ。さっきまでデイダラもいたのだけど、「あっちならまだ空気が冷えてるはずだ」とか言ってリーダーと小南の部屋へ退散してしまった。

二人きり取り残されてから、わたしはこたつで横になったまま、サソリにずっと抱きしめられているのだった。

サソリはわたしの胸元に耳を押し当ててじっと心音を聞いている。
見下ろす赤い髪からはなんともいえない甘い匂いがして、彼が身じろぐたびにどぎまぎしてしまう。

背中にまわっている腕はがっちりとわたしを捉えて放す気配もない。
それはとても嬉しいことで、幸せなことなのだけど、

「暑いよ…」
「ん?」
「かなり、暑い」
「そうかァ…?」

しばらくぶりに腕の力を緩めて彼は顔を上げた。
いつもに増して眠そうな目にまたどきっとする。

わたしの顔を無感動にじろじろ眺めたあと、サソリは薄く微笑った。

「…そうかもしんねーなぁ」

そう言ってその腕をどこかあらぬ方へ伸ばしたかと思うと、

ぱちん

スイッチの音。
しかし電気こたつの熱は収まることがない。

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