※会話文のみ
「春草さん、春草さん」
「何?…って、酒くさ!君、お酒呑んだの?」
「あれはお酒じゃありません。水ですー」
「ちょっと大丈夫?君、酒呑めないんじゃなかったっけ?」
「馬鹿にしないでくらひゃい!私だってお酒くらい呑めますよー!」
「呂律回ってないし…。完全に酔っ払ってるよね」
「酔っ払ってなんかないれす」
「はいはい。酔っ払いは皆そう言うんです」
「春草さん、春草さん」
「何?」
「ちゅーしてくらさい」
「は?」
「ちゅー」
「…え?本気?」
「早くしてくらさい」
「……とりあえず、一晩眠って落ち着こうか。話は明日の朝にでも聞かせてもらうから。ほら、早く部屋行くよ」
「いーやーれーす!ちゅーしてくれないなら、ここから動きません」
「…君ってそんなキャラだったっけ?俺は今非常に動揺してるんだけど」
「はっはっは。春草、子リスちゃんにキスしないのかい?」
「…鴎外さん。いつからいらしたのですか」
「子リスちゃんがおまえに話しかけたところからかな」
「最初からですか」
「ほら、春草、子リスちゃんにキスしないのかい?」
「…酔っ払いの戯れ言なんていちいち相手にしませんよ」
「ほう。じゃあ、僕がその酔っ払いの戯れ言とやらに付き合おうではないか」
「は?」
「僕が子リスちゃんに口付けようではないか」
「……鴎外さん、酔っ払ってます?」
「ははっ。僕は酒を呑まないんだ。何故なら僕は下戸だからね」
「………………」
「おや、春草。何か言いたげな顔だね」
「…別に。彼女の相手は俺がするので、鴎外さんは気になさらず」
「ふむ」
「…ニヨニヨしないでください」
「はっはっは。では、僕は退散しようではないか。後は、おまえに任せたよ、春草」
「しゅーんーそーうーさーんー」
「…なに、」
「ちゅー」
「…………」
「ちゅーしてくらさい」
「……言っておくけど、誘ったのは君だからね?後悔しても遅いから」
(…昨晩の記憶が全く無いんですけど)
(……………昨日の君は随分と積極的だったよ)
(え、何の話ですか?)
酒の出所が不明。