だって乙女ですから! 



「最近千鶴ちゃん楽しそうね」

私の言葉に千鶴ちゃんはきょとんと大きな瞳を瞬かせた。

「そうかな?」
「うん。もしかして、好きな人でもできたの?」

冗談のつもりで言った言葉だったけれど、千鶴ちゃんは真っ赤に顔を染めて目を見開いた。

「な、なんでっ、」
「え、本当に?」

相変わらずわかりやすいなあ、千鶴ちゃんは。
そういうところが彼女の長所でもあるけれど。

「ねえねえ、誰?同級生?先輩?それとも先生?」

私が身を乗り出して彼女に聞くと、最初は赤い顔のまま否定していた千鶴ちゃんだけど、観念したのかぽつりと呟いた。

「教えるのは、お千ちゃんにだけだからね?」

頬を赤く染めて上目遣いでそう言ってくる千鶴ちゃんは女の私から見てもすごく可愛らしい。
もし私が男だったら絶対に好きになってるな、うん。

照れながらも、その好きな人のことを話す千鶴ちゃんを見て少し羨ましく思ってしまう。
私は千鶴ちゃんとは違い、女子高に通ってるためそういう男女の恋愛の話とは無縁なのだ。

でも、私だって年頃の女の子なのよ?

千鶴ちゃんのように恋がしたい。
だって乙女ですから!

千鶴ちゃんの恋が実れば良いと願いながら、早く私にも王子様が現れてほしいと思う今日この頃。


(千鶴ちゃん、可愛いなあ。私が男だったら絶対に付き合ってるのに)
(もうっ、からかわないでよ)
 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -