その愛で殺して 



「ん、」

がぶり、と噛み付くような口付けが何度も何度も与えられる。

上手に呼吸ができなくて、互いの唇の僅かな隙間から必死に酸素を取り込む。
頭の中は真っ白でもう何も考えられない。
口内を侵す温かい舌と、熱い吐息で今にも身体の芯から溶けてしまいそうで。

「…ふ、は」

沖田さんもそうだったらいい。
私と同じように何も考えられなくなって、溶けてしまえばいい。

「…ち、づる、」

唇がほんの一瞬離されて、彼の大きな掌が私の頬を優しく撫でた。
私も彼の頬へ手を伸ばして、それから今度は私から沖田さんに口付けた。


このまま二人で溶けて無くなってしまえれば、それはなんて幸せなのだろう。



(いつか互いの愛に堪えきれなくなって、一緒に消えて無くなりたい)
 
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