※病んでる
かは、
喉の奥から掠れた声が零れた。
頭がぼーっとする。
視界が揺らぐ。
酸素が取り込めない。
あ、沖田さんが泣いてる。
「ごめん、ごめんね、」
翡翠色の綺麗な瞳からぼろぼろと涙を流しながら、沖田さんは私を畳に押し付けて、その大きな両手でぎりぎりと私の首を締めつける。
ぽたぽたと彼の涙が私の顔に散らされた。
首を締め付ける力は強い。
息ができない。
「ごめんね、千鶴ちゃん」
ああ、泣かないで沖田さん。
端正な顔を歪めながら私の首を締め付けている沖田さん。
心と身体がばらばらになって、泣き咽ぶ姿はなんて脆くて愛しいのだろう。
私は、沖田さんがこんなにも愛おしい。
「ごめんね、大好きだよ」
沖田さんの両手に力が込められる。
そこで、私の意識は途切れた。
(最期に私の目に写ったのは、安堵と涙で顔を歪めて、歪な綺麗な笑みを浮かべた愛しい人の笑顔でした)