「…全然聞こえなかったけど、まぁいいか」
とりあえず、任務完了。不満ではあるが仕方ない。カカシはやれやれと肩を竦めてナルトとサクラの前で終わったよのサインを出し喧しい悲鳴を止めた。
「で?まだやるの?」
ようやく静かになった空間で、カカシの一言。一同顔を見合わせる。
「…っやるってばよ!!一度も王様になれないままじゃ悔しいっての!!」
まず先にナルトの返事が吐き出された。どうやら彼は一度も王を引いていないらしい。それはさぞ悔しかろう。
「私も!!もう一回くらい…!!」
サクラは一度当たっているらしい。もう一度当たった拍子には一体何を命令する気なのだろうか…だいたい予想はつくが。
「もちろん自分もまだやりますよ!!…まだ当たってませんから」
ヤマトももちろんやる気満々。彼もナルトと同じく当たりを引いていないらしい。
「サイとサスケは?」
「どーでもいい」
「僕はどっちでも」
やる気のない返事はサスケ。勝ちを何度も獲得しているサイは余裕の笑みだった。
「…じゃ、続けるか。よーし」
そして、ゲームはまたも再開。延々と、キリもなく続きそうなゲーム。
もはや意地になっているとしか思えない三人と、やる気があるのかないのか大してテンションを上げない三人を交えて、その宴はまだまだ続く。
終わりなど、誰も知らない。
平和だからこそ続く、そんな時間。
相変わらず騒がしいナルトとサクラ。それを温かく見守るカカシ。そこへ新たに加わった顔ぶれ。
ここへ戻ってこれた事を良かったと思う…サスケの口元は僅かに笑っていた。
ましてやその内の一人が今では友情以上の存在になっているとは、誰も知らない。
楽しそうにはしゃぐ四人の傍ら、残る二人は誰にも見えないところでこっそりと見つめ合っていた。
「よっしゃぁああああ!!私が王じゃしゃーんなろー!!!」
「何だよサクラちゃんかよ〜」
「ああ…また外した…」
「ははは!ヤマトもナルトも負けっぱなしだなぁ」
明るい日々。穏やかな日々。
「よっしゃぁあ!…王道いくわよ!!」
それがどれだけ素晴らしいことか、彼等は確かに今その幸せを噛み締めていた。
「3番と4番が今ここで、熱いキッスぅぅううー!!!」
「ぎゃー出たー!!」
「ああクソっ言われたか」
「はははヤマトもそれ言う気だったの?全く、明らかにこの男率の高い面子でそりゃないでしょ」
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