■王様ゲーム■
カカシ班で宴会。
ギャグ・ほのぼの/腐要素注意
「王様だーれだ!」
高々と響き渡った声。それはもはや宴会では定番の台詞。そう、よくあるあの宴会ゲームに用いられる基本用語だった。
NARUTO小説:
王様ゲーム大会
それは木の葉の里にサスケが戻ってきてから数ヶ月が経った頃のこと。すっかり元通りの賑やかさを取り戻したカカシ班が、そこにあった。御馴染の面子ナルト、サクラ、サスケ、カカシに続きサイとヤマトももちろん加えられ、彼等はいつになく明るい。
そして今日は宴会。
場が盛り上がったところで始まったのは、お決まりのあれだった。
「王様、誰?」
「あ、僕だ」
間のあいた返事が待ち切れず再びサクラが問い掛けると、静かに呟く声がそれに続いた。
皆の視線を一身に浴びたのは
「僕が王様だ」
「げー!またサイかよー!」
サイだった。
また、と訴えられる辺り、彼が先の赤い割り箸を引くのがここしばらく続いているらしい。
ナルトはつまらなさそうに口を尖らせてどかりと椅子の背もたれに寄り掛かった。
同じような体勢でやる気なさそうに足を投げ出しているサスケも、心底つまらなさそうに目を細める。
カカシはもはや箸を引くだけ引いて放置。例のあの本を片手に欠伸をかいている。
がっくりと肩を落として溜め息をついているのはヤマト。彼は密かに王様を狙っていたらしい。
とにかく、サイ王はどうやら皆に歓迎されていないようだ。だがそんな事は気にすることなく、王はにこりと笑ってうーんと悩む素振りをして見せた。
「じゃあ…」
「また空気の読めない阿呆みたいな命令はやめてよね」
「……」
しかしそれを遮る冷たい一言。サクラの心底嫌悪に満ちた視線がサイへと一直線に注がれている。だが
「なら、目に見えないものをどうやって読むのか教えて下さい」
サイはそれを綺麗に撃ち返した。
「ああもう!!いいからっ!さっさと命令言っちゃって!!」
そして撃ち返されたものを無理矢理たたき落とすサクラ。そんなやり取りがここ何回繰り返されたことか。
「まさか今のが命令だとか言わないわよね?」
「違うよ」
「じゃあ早くしなさいよ!」
「……」
自分から邪魔をしておいて…なんて言葉はあえて口にしなかった。だが、確実にサイは言いたかったのだろう。その仕返しは王様命令により果たされた。
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