急に降ってきたせいで私達はしばらく雨宿りをする事に。屋根が狭い分、なんだかレギュラスとの距離も近い気がする。汗くさくないかな大丈夫かな。なんだか意識したら余計に緊張してきた。かすかに触れてる肩から、心臓の音が伝わりません様に!

「雨、なかなかやまないね」

「そうですね」

「夕立って夏に多い気がする」

「確か空気が暖められると水蒸気が凝結して、」

「あっいいです大丈夫です」

「そうですか」

「…………」

また無言。2人とも、15分ただ雨を見つめているだけなのでいい加減に会話も途切れてきた。というか緊張して会話が見つからない。いつもみたいにすらすら言葉がでてこない。私らしくない。レギュラスに変に思われてはないだろうか。

「…何だか長引きそうですね。どこかで傘でも借りましょうか」

沈黙を破るように、レギュラスが呟いた。

「あっそうだね」

そう言ってレギュラスは2軒隣の本屋へ歩きだした。せっかく2人きりだったのにちょっと残念。空気が気まずかったのかな、なんて。レギュラスは明日のクディッチに備えて練習があるから早く帰らなきゃいけないし、仕方がないけど。応援席には屋根がないから、試合のときは雨ふらないといいな。そう考えながらとぼとぼとレギュラスの背中を追う。なんだか距離があいてしまった。

「すみません傘借りれますか?―あ、いえ、一本で大丈夫です」

「えっ」

「ありがとうございます」

「ほら名前さん入らないんですか」

そういってレギュラスが借りてきたのは、一本の赤い傘だった。

「傘、なんで」
「なにか不満ですか?」

「…嬉しいです」

「顔がにやけてますよ」

レギュラスに肩を引き寄せられる様に傘に入ると、耳元で(距離がないから必然的にそうなってしまった)さっきよりも近くなっちゃいましたね。なんて言われた。今、この赤い傘に負けないくらい顔が赤い自信があるよ私。

そして寮に帰ったあと、レギュラスの右肩が異様にぬれているというベタな展開をみて、私はさらにときめいてしまうのでした。






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