「誕生日プレゼントが思いつかない…」
「リーマスの?」
「そう…」
「う〜んあなたからなら何を貰っても嬉しいと思うけど」
「そうかなぁ」
「そうよ」
「でもリーマスが欲しいものがあげたいんだよね〜」
「チョコレート…はありきたりね…」
「あーどうしたものか」
「皆に聞いてみたらいいんじゃない?」
「みんな?」
「リーマスの周りにいるでしょ」
「なるほど!流石リリーだわ」
「親友の相談なのに何も浮かばなくてごめんなさい」
「ううん!ありがとうリリー!ちょっくら聞き込み行ってくるね!」
「皆が役に立つといいけど…」
と言うわけで、リリーのアドバイスの元、聞き込み調査を開始することにした私!リーマスの誕生日プレゼント調査隊行きます!
「ピーター」
「ひぃっ」
「酷わね、私よ!」
「なっなんだ、君かぁ…」
「それよりピーター、いきなりで悪いんだけどリーマスの欲しいもの知らない?」
「リーマスの?チョコとか?」
「んー出来たらそれ以外で!」
「ちょっとわからないやあごめんね」
「ううんいいのありがとう」
「何も出来ないけど…頑張ってね」
「ピーター…!」
「応援して「あっスネイプ」
「えっ!?じゃじゃじゃじゃあ僕もう行くね!頑張って!」
「うん、ありがとうピーター!」
脱兎の様に去っていったけど何か用事でもあったのかな?それより次の獲物が来た!あんまり期待できないけど聞いてみるか。
「で、なんで僕なんだ」
「いやたまたま出くわしたから?」
「…ルーピンの欲しいものなんか知らん考えたくもない」
「んーだよね!レギュラスは?」
「僕も特に接点がある訳ではないので」
「そっか…でもレギュラスならわかる気がする!」
「どうしてです?」
「ほら何か思考が似てる感じするじゃない。リーマスとレギュラスって」
「あなたを苛める所とか?」
「う、うん」
「それもどうなんだ」
「でも彼は愛のある意地悪かもですけど、僕のは特に愛もないむしろ苛立ちからくる只のいじめなので」
「愛があるなんてそんな」
「おい、ショックをうける所だ」
「う〜んそう簡単にはわからないよね…ありがとう2人とも!もう少し聞き込みしてみる!」
「何もやらなくていいんじゃないのか」
「女の子はこういうイベント事大切なんですー」
「スネイプ先輩本当にデリカシーないですね」
「とっととどっかいけ!」
なによもうスネイプったら!同じスリザリン繋がりで彼にも聞いてみようかな?
「ルシウス!」
「やあ。何か用かな」
「リーマスの欲しいもの…ってそれこそ接点ないわよね…」
「ルーピン?」
「いや、男性の欲しいものってなにかなぁって」
「私に聞くとはいい選択だ」
「はぁ…」
「例えば本だとか、香水だとか、」
「ふんふん」
「まぁ、男性がほしいものといったらこのように、千種万様にあるだろうが本質的には女性からの愛だろうね」
「ほお…」
「愛といっても…」
なんだか長くなりそうだからここら辺で切り上げようかな。リーマスは本とか香水に興味なさそうだし。ルシウスは悪い意味で卓越してるから参考にならないわね。やっぱり仲間内に聞いてみようかな。
「げ」
「げとはなんだよ失礼な奴だ」
「私今忙しいの!じゃ!」
「待て待て!お前今リーマスの欲しいもの聞いて回ってるんだろ?」
「そうだけどシリウスはいいよ、ロクなこと考えられなさそうだもん」
「いいのかそんな口聞いて。良い案があるんだけどな〜あ」
「えっまじ?」
「まじまじ大真面!」
「そ…それでそのプレゼントって?」
「お前」
「………」
「プレゼントは私とかにすりゃあいい」
「あーもう聞いた私が馬鹿だった!こっちは切迫つまってんのよ!」
「さっきから随分だなおい」
「ジェームズに聞いてみろよ、部屋にいたぜ」
「そうだね、最後の頼みの綱だわ…!」
「よし、男子寮いれてやるよ。こい」
というシリウスにつれられて男子寮へ。リーマスがいるとき位しか男子寮いかないからちょっとどきどきするなぁ。でもリーマスの誕生日のためだもんね!頑張るぞ!
「ジェームズ!」
「やぁ、どうしたんだい?そんなに急いで」
「リーマスの欲しいもの知ってる?」
「僕?僕はリリーの愛が欲しいよ」
「違うジェームズが欲しいものじゃない。早く言わないとリリーを隠し撮りしてたのバラすわよ」
「ごめん」
「冗談で言っただけなのに…まじでしてたの…」
「ああそうさ!」
「いい笑顔ね!」
(これはリリーに報告だわ)
「というか…リーマスのほしものって…誕生日プレゼント?」
「そうなの」
「ねぇ…」
「はい」
「当日にそれを探るのかい?」
「そうなの。実は今朝知ったのよね」
「リーマスが知ったら怒られそうだね」
「お願い黙ってて綿密な計画ってことにしといて!」
「何を、僕に黙ってるんだい?」
私の後ろから聞き覚えのある声。しかもちょっと機嫌が悪い。せっかく誕生日なのに〜じゃなくて怖くて振り返れない。神様助けて。
「やぁリーマス」
「ジェームズ、シリウスが探してたよ?」
「わかった」
ジェームズが私の肩をぽんと叩いて部屋を出て行った。当事者に聞くのが一番じゃない?なんていらないアドバイスを残して。
恐る恐る振り返ると笑顔の怖いリーマスくん。
「はいリーマス」
「やぁ」
「あっあの」
「何?」
「実は…」
「実は何?誕生日知らなかったって?」
「そ…その通りでございます」
「ふうん」
「というか、なんで知ってるの?」
「シリウスに洗いざらい聞いたから」
(…シリウスさっき殺しとけばよかった!)
「君が僕の誕生日を忘れてたのは百歩譲って許すとするよ?」
「はい」
「なんで男子寮にいるの?」
「それは、ジェームズに事情聴取してて…」
「部屋に二人っきりで?」
「ジェームズとだよ?」
「僕がいないのに男子寮で、男と二人っきり?」
「…ごめんなさい」
「…僕に直接聞けばよかったじゃない」
「だって、びっくりさせたくって…」
「まぁ色んな意味でびっくりだよ」
「うう…」
「君が僕の誕生日を忘れてたことより、男子寮にいたことより何より…僕の誕生日に僕をほったらかしだったのが悲しかったな」
「リーマス…」
大好きなリーマスの誕生日を知らなくて、何も出来なくて、しかもからまわって悲しませちゃうなんて。
「なんかもう本当に泣きたい」
「泣きたいのはこっちなんだけど」
「ご、ごめんなさい」
「ふぅ…わかったならいいよ」
「ごっごめ」
「あーもー誕生日プレゼントはもういいから、早く泣きやんで、ほら」
「いた!痛い!ぬぐうならもっと優しくぬぐって!」
「うるさい」
「うっごめん」
「プレゼントはいいから」
「うん…」
「しばらく抱きしめられてること」
「う、うん…」
「………………」
「リーマス?」
「ん?」
「ハッピーバースデー」
「はいはいありがとう。また鼻水でてるよ」
(それにしても意外だわ。リーマスがプレゼントは君がいいみたいな人だったなんて)
(誰がそんな気持ち悪いこと言ったの?)
(え?)
(君を貰うなんて、のーさんきゅーだよ)
(ガーン)
(もう泣き止んだでしょ?さっさとベットの下に隠してるハニーデュークスのチョコ全部とってきなよ)
(なっなんで知って…!)
(はーやーくー)
(てゆか…ぜっ全部?)
(あー今日僕誕生日なのになー)
(すみませんした)