｢そもそもバレンタインてなんなの？可笑しいと思わない？製菓会社に踊らされてるだけでしょう？逆チョコとかまさにそれよね。それにかこつけてここぞとばかりに仲良くしているカップルも甚だ不思議でたまらないわ。バレンタインが異性にチョコを渡す日なら節分も豆を渡す日にしたらいいと思うの。私とお豆まいてくれませんかみたいな？とにかくバレンタインって厄介よね。はいこれチョコ｣
｢そんなこと言われてから渡されても全く嬉しくないんですけど｣
｢あっこれシリウスからね。俺は直接渡せないからって頼まれちゃった｣
｢余計嬉しくないですね。そしていりません｣
｢言うと思った。って！あーもう捨てないの｣
｢そもそも何で先輩に頼んだんですかあいつ｣
｢私から渡すのが一番面白そうだからって｣
｢……そのチョコ下さい燃やさないと気がすまない｣
｢だめよ！レギュラスがいらないって言ったらもらっていいって言われてるんだから｣
｢…兄さんから名前先輩に｣
｢逆チョコってことになるわね｣
｢じゃあやっぱいります下さい渡してください｣
｢いっ痛い痛い！わかったから｣
(くそあいつ絶対殺す…)
(なんだかんだお兄ちゃん大好きなのね…)
｢で、先輩から僕にはないんですか？｣
｢あんなこと言った後でも欲しい？｣
｢もらってあげない事もないですけど｣
｢素直じゃないんだから｣
｢先輩こそ大方チョコ作りに失敗したからあんなこと言ったんでしょう？お見通しですよ｣
｢はい…ごめんなさい…｣
｢食べてあげない事もないので、早く下さい｣