次の日の朝、大広間で朝食をとるスネイプの姿を見つけた。足の様子が心配だから、待ち合わせして行こうと約束をしたのにも関わらず、すっぽかされたのだ!スネイプの野郎に!まるで私がフられたみたいじゃないか!スネイプの野郎に!私だって好きで陰険野郎の面倒をみてる訳じゃないのにちくしょう。
「おはよう。よくも置いてけぼりにしてくれたわね。お陰様で朝食の時間が10分しかないんだけど」
「ここはスリザリンの机だぞ」
スネイプは驚いた様な不思議な顔をしながら私の顔を見た。私の嫌味は総スルーして、だ。まったく、朝からいけすかない奴だ。口元まで運ばれたスプーンが止まったままになっているのが少し間抜けだけど。よし、今日はネチネチと1日恨んでやろう。
「そうだね。それで、足の具合はどう?」
「…気にしないのか」
「え?何が?」
なんてやりとりをしていると前からシリウスとジェームズがやってきた。それはもうにやにやしながら。あぁもう嫌な予感しかしない。頼むから目の前でいじめとか勘弁して下さい。
「よおスニベリーお前昨日名前に担がれたんだって?」
「お姫様だっこで」
自分達の言葉に耐えきれないといった感じでジェームズとシリウスが笑いだした。それを見たスネイプははらわたが煮えくり返ったかの様な顔をしている。まぁムカつくよね。嫌いなやつに馬鹿にされたら。まぁその原因も私なんだけれど。スネイプは私のせいでろくな目にあっていないのかもしれないと思うと、罪悪感が増した。
「ちょっと、やめなよ朝から」
罪悪感を消すためにスネイプの面倒を見ると決めたのに。こいつらに邪魔をされてはたまらないと、私はスネイプを庇ってやることにした。自分でも何やってんだって感じだけど。おえ。
「なんだよ名前、スニベルスなんて庇いやがって」
「どうだった?スニベルスの抱き心地は」
「別に、あんた達にもしてる事じゃない」
とまぁ、ここまではシリウス達も確かにという顔で聞いていたのだけれど。
「それにスネイプ軽かったから全然苦じゃなかったし!女の子みたいだったよ!」
と、大きな声で言ってやった。途端、シリウスとジェームズがお腹を抱えてげらげらと笑い始めた。よく見ると周りの生徒も声を殺して笑っていた。深いため息をついて手で顔を覆い隠すスネイプ。頼むから…もう黙っててくれ、と微かだが声が聞こえた気がした。どうやら私はまたやらかしてしまったらしい。ごめんスネイプ。でもこれで朝の待ちぼうけの仕返しが出来たかもしれない、なんて。
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