あの後スネイプが暴れてしょうがなかったので仕方なくお姫様抱っこはやめて肩を貸してあげた。そんなに信用ならなかったのかな。失礼なやつ。ちらりとスネイプの顔を見ると、さっきまでは青ざめていた顔が心なしか赤くなっている気がした。いよいよ足がヤバいって症状なのかなこれ。
「急患です!」
勢いよく扉をあけると薬品棚の整理をしていたマダムポンフリーがやれやれ、と呆れた顔をこちらに向けた。
「スネイプ…またポッター達ですか?」
どれ見せてみなさい、と言ってポンフリーが椅子を用意したので、そこにスネイプを座らせた。しばらく足を診察していたポンフリーの顔が苦々しいものになった。
「最近落ち着いていたというのに。今日のは久しぶりに悪質ですね…あなたも抵抗しないで大人しく逃げなさい」
勘違いしたマダムポンフリーにスネイプが説教を受けている。すみませんマダムポンフリー犯人は私なんです。スネイプは黙って下唇を噛みながら私を睨んでいる。やべっちょう怖いんですけど。まさに蛇に睨まれたカエル状態だよ。確かに元はといえば私が悪いんだけど。だんだん罪悪感も強くなってきたし、そんな顔で見ないで!
「薬で二週間て所ね」
私達の殺伐とした空気を割るようにしばらく足の様子を見ていたマダムポンフリーが言った。
「…ニ週間もかかるんですか」
「当たり前ですよ。骨が粉々になってるんだから。食い下がれないのもわかりますが、自分の身体を優先なさい」
まるでこの世の終わりの様な顔をしているスネイプをよそ目に、私はなにかしてあげられる事はないのかと考え始めていた。
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