夕食時の大広間は私のテンションとは違っていつも通りに賑わっていた。いいよねー皆は楽しそうで…私は大好きなパイが喉を通らないくらいにこの後のことが憂鬱だよ!いや嘘つきました食欲はあります。だってむしろこの後に備えて食べておかないとだからさ!なんてったってあのスネイプと二人で罰掃除だし!


と、ここまで考えてはため息をつくというのを私は延々と繰り返していた。とりあえず夕食を終わらせたくない…ゆっくり食べようゆっくり…。

「なんだ名前元気ねえなー大丈夫か?」

横にいたシリウスが心配して声をかけてきた。ありがとうシリウス…でも大丈夫じゃないの!

「食欲ねえならチキン食ってやろうか?」

「ぶっとばされたくなかったら今すぐそのフォークを引っ込めなシリウスブラック」

なんだよ!心配してくれてんのかと思ったらそっちが目当てか!ちぇーというシリウスからチキンを遠ざけてしっしっと手を振ってやった。すると次はリーマスが声をかけてきた。

「本当に元気がないみたいだけど?どうしたの?」

どうやらリーマスは本当に心配してくれてるみたい。あーまじでいい人だ。

「元気がないんじゃないの夕食を食べ終わりたくないの…」

チキンをしつこく狙ってくるシリウスを遠ざけながら答えた。ちょっと!本当にシリウスしつこい!あげないってば!近づいてこないで!

「どうして?」

「どうしてって…」

待った。こいつらにこのことを言っていいのかな?何だかスネイプのことをよく思ってないみたいだし、いつも廊下で出くわしただけでスネイプにちょっかいをだしてるんだから言ったら面白がってついて来そうな気もしなくもない…ついてきてくれるのはありがたいけれど、二人っきりを回避出来るし。でも多分黙って同じ空間にいるなんてあり得ないだろうし…スネイプのことがいくら嫌だと言ってもそれは流石に可哀相だし…目の前でいじめを見るなんてふざけた趣味もないし、ましてやそれが自分が原因だなんて後味最悪だし。

「…ちょっと先生に呼び出されてて」

「いつもの事じゃねえか」

「うるさいシリウス」



なんてゆっくりしていても終わりの時間は近づいてくるわけで。皆には先に戻ってもらい、私は一人で大広間をでた。廊下を歩いていると何とこの後会う予定の彼がこっちに向かってきていた。なんか見られてる?私の前でとまった?というか心なしか怒っている気がする。いやいつもそんな感じなんだけど…

「スネイプ…どうしてここに?今からご飯?」

「…お前が遅いから呼んで来いって言われたんだ」

「ごめんなさい」


スネイプ君のお迎えなんて超嬉しい!なんて思えるはずもなく、あーやっぱりリーマスあたりについてきてもらえばよかった。なんて思ってしまった。意思の弱い女でごめんなさい!













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