「ただいまです」

「おかえり、ご飯はまだ?」

「いや今帰ってきたばっかりなんで…まだです」

「え〜待ちくたびれたよ〜お腹すいて殺しちゃいそう」

「死んじゃいそうじゃなくてですか?」


なんか、こんなマンガだかドラマだかあったような…英訳すれば


ユーアーマイペット?




さかのぼること数日前、仕事からくたくたになって帰ってくるとアパートの玄関前に男の人が倒れていた。私は疲れていて頭も回ってなかったし、何よりその男の人の顔色がとても悪くかったので(おまけに傷だらけ)気が動転した私はあろうことか見ず知らずの男性を家に連れ込んでしまったのだ。今思うと本当に軽率ですね、はい。
大きな体をなんとか引きずってベッドに運んだはいいがこれからどうしよう。というかベッド窮屈そう。とりあえず、病院に連れて行った方がよさそうだよね…それとも警察?なんて慌てているとその人は目を覚ました。

「……………」

「あ、の大丈夫ですか?」

「ここは…」

「あっ私の家です。アパートの前で倒れてたので…」

「…で、家に連れこんだと」

少しきょろきょろと周りを見渡した後、そう男の人は呟いた。連れ込んだって。

「連れこんだというか、その、心配で」

「見ず知らずの人間なのに?」
「…はい」

「君は危機感が足りないんじゃないかな」

あれ、なんで私説教されてるんだろ。確かに私も不用心だけど、傷だらけで倒れてた人助けたのがそんなにいけない事?ありがとうの一言も言われてないし。私が勝手にしたことだけどさ。というかこの人笑顔なのに高圧的すぎてこわい。

「…君は、ずいぶんと顔にでるタイプだね」

「すいません」

「いいよ、私も助けて貰っておいて言いすぎた。すまないね」

「あ、いえ…」

「でも、いい人ばかりとは限らないんだから気をつけなさい」

助けてくれてありがとう、と言って男の人はふにゃりと笑った。この人笑うと眉が下がるんだ。こわい人なのか優しい人なのかよくわからないけど、悪い人ではなさそうだと思った。
















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