課題が終わらないなんて愚痴ってたのを聞かれていたらしく、ブラック君に図書室で課題を見てもらうことに。あんだけ授業をひっかきまわしていて頭がいいだなんて、なんだか世の中不公平だと思う。ちらりと目の前のブラック君を見ると、羊皮紙に向かう顔がいつになく真剣だったので、こんな表情もするんだな、なんて思ってしまった。
「名前、出来はいいんだよな」
「ありがとう」
「おう。ただ要領が悪いんだと思うぜ。例えば、ここをこうしてみるとか」
「おーなるほど」
そんなに顔色伺って、おずおず言わなくてもいいのに。いつもの威張りくさった感じはどこにいったやら。
「アドバイスくれるとありがたいから、気にしないで言ってね」
「そうか」
「ちょっと書いてみるね」
おう、と言ってブラック君は私の前に腰掛け直した。(私の課題をのぞきこむ為に立っていたのだ。)しばらくもそもそ居心地が悪そうに動いていたけど、椅子の上で体育座りをして、膝に顎をおく姿勢に落ちついたみたい。
しばらく課題を進めていたけど、酷く落ち着かない。さっきからブラック君にすごく、見られているのだ。多分本人は気がつかれていないと思ってるんだろうけど。正面からじーっと、音がするくらいの視線を感じていた。
「あ、の。ブラック君?」
「シリウス」
「え?」
「シリウスって呼べよ…呼んでください」
そう言って、うつむけた顔を膝に埋めてしまった。
「し、りうす君」
「もう一回」
「シリウス君」
「うん、よし」
がばっと顔を上げたと思ったら、「君はいらねえけど、まあいっか」なんて満足そうに頷くブラック君、もといシリウス君。なんだか可愛いとか思ってしまった。
なかよしになれてるかな?
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