私、悪戯仕掛け人とそんなに仲良かった覚えないし、何か気にさわるようなこともした覚えないし。一体どういうことなんだろう。この状況。目の前には悪戯仕掛け人(の内の3人)。多分、右からルーピン君と、真ん中のメガネはポッター君。左端は、確かペ…ペディ…。
「えーっと、よう姉ちゃん?可愛いな」
「おいムーニー真面目にやれよ」
「だってこんなの成功する訳ないよ」
「わああ!2人とも、こっ声が大きいよ!」
校内でその名を知らないものはいない、というくらい有名な悪戯仕掛け人(もちろん私も知っている)に、廊下のど真ん中でいちゃもんをつけられている。というか、いちゃもんごっこに巻き込まれている。ルーピン君なんてカンペ丸出しだし。見えてますよ右手に握っている紙が。やる気が全くうかがえないけど、何がしたいんだろうこの人達。
「えっと、どういうことですか?状況が理解出来ないんですけど…。因縁つけられる理由もわからないし」
「わお、どうやら彼女はこんな茶番に騙されるくらい抜けてるみたいだよ」
「そうではなくてですね」
「この調子じゃ計画失敗だと思うけど。大体回りくどいんだよ」
「あの、ちがくて…」
なんてやっていると、遠くから走ってくるブラック君の姿が見えた。この間までハッフルパフの女の子に言い寄っていた気がするけど、また新しい女の子でも見つけたんだろうか。状況が理解できず、頭をひねったままの私にルーピン君が耳打ちした。 実はね、うちのパッドフッド…シリウスが君と仲良くしたいみたいでさ。頼まれたんだよ、名字に絡んだところを俺が助けるからって。
「案外ロマンチストだろあのプレイボーイ」
なんてポッター君がウィンクしたのと同時に、ブラック君が目の前に滑りこんできた。
「おいやめろ!そこまでだぜ!」
「シリウスごめん全部バラしちゃった」
「えっ」
ぐりんと顔をまわしたブラック君と目があった。学校1のプレイボーイの間抜け面がみるみる内に赤くなるのを見て、なんだか頬があつくなるのを感じた。あぁ、多分私も今顔まっかだ。
はじめまして恋心?
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