私の指にも赤い糸はあるんだろうか。それが気になる。その糸を辿れば運命の人が居るんだって。マキちゃんが言っていた。

「ねえ、風介くん」

「何だ」

「私の指に赤い糸、見える?」

「……見えないけどそれがどうかしたのか」

分厚い本にしおりを挟んで風介くんは私の手を手にとりじっくりと眺める。絵本の中の王子様がするみたいな手の取り方じゃなくて残念だったけど晴矢くんよりも優しく私の手を包んでくれて嬉しい。

「あのね、赤い糸が指に繋がってそれがね運命の人に繋がってるんだって!素敵じゃない?」

「……ほんとに女子はそうゆうのが好きだな」

「だって、運命の人って素敵よ。その人としか結ばれないの!」

風介くんは理解出来ない、とでも言いたげにまた分厚い本を読み始めた。あーあ。風介くんが運命の人だったら良かったのに。
そうしたら、幸せだったのに。しょんぼりしながら私は自分の部屋に戻る。そろそろ寝る時間だから布団の中にもぐる。どうか私の運命の相手は意地悪な晴矢くんじゃありませんように。その日、風介くんが私の頭を撫でてくれる夢を見て、嬉しくなって目が覚めた

「……えへへ」

今日は、いい事あるかもしれない!ぴん。あれ、何かに引っ張られてる?あ、小指に赤い糸が……昨日はなかったのに。どうしようもし晴矢くんの所に続いてたら。また叩かれるかもしれない……!

「……わっ!?」

そんな事を考えてる間にもくいくいと優しく引っ張られる赤い糸。それに呼ばれて私は部屋を出た。廊下を進むと一つの部屋。風介くんの部屋に続く私の赤い糸。私の赤い糸は風介くんの部屋に続いてる。もしかしたら、風介くんと私の赤い糸は繋がってるのかな?なんてわくわくしながら扉を叩くと風介くんが出てきた。その手には、赤い糸

「風介くん、ねえ赤い糸、見える?」

「ああ、見えるさ。まさか、本当にあるとはね」

いつもみたいにクールに笑って風介くんが私の頭を撫でる。嬉しくなって風介くんに抱きついたら風介くんは優しく笑って私のおでこにキスしてくれた。


がんじがらめのあかいいと

その日、瞳子姉さんが赤い糸がないからって私達の糸をとっちゃった。悲しかったけど風介くんが頭撫でてくれたから我慢した。けど何で、赤い糸がなかったのかなあって風介くんに聞いたらさあねって笑ってた。


100716



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -