23:32 あの頃

パソコンに残っている古いメールの整理をしていたら
会長からのメールがたくさん出てきた。
励まされた事と問題が起きた事と。
あの時の私は幼かった。もちろん会長も。
私達の間を取り繕っていたのはくだらない詭弁だった。
何も知らなかった。
真っ正面からぶつけられる会長からの思いも、
私にとっては周りのものと何とも変わらないものだった。
付き合うという形も、私達の前では意味をなさなかった。
友達でもなく恋人でもない。
思春期にありがちというやつなのだろうか。
何度も差し出された手を私は一度もとることはなかった。
私達の不思議な関係は一年とすこしで終わった。
勿論もう二度と戻ることができない。
やり直そうなんて思うこともない。
「貴方がそんなことをしているから
会長は4年も縛られたままだったんだよ。」
本当は少し会いたい。
その気持ちと同じように、
もう会長が私という存在に縛られて欲しくない。
会うことはきっとまだ叶わない気がする。
結局依存していたのは私だった。




なんていうことを会長とのメールを見ながら思った。
そしてやはり、
他の人のメールや携帯のメールは全て消せたのに、
あのメールは消すことができなかった。

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