ここで貰えば…という何とも腑に落ちない考えが都倉に浮かんだ。 そもそも、"お兄ちゃん"になぜそんなモノをあげる? 俺は"お兄ちゃん"であって友達ではない。 "お兄ちゃん"からそんな関係は産まれないはずだ。 「……要らないよ」 都倉の頭の中はぐちゃぐちゃだった。 もう新たな考えを浮かばせられない。 そういった感じ。 「…………………え?」 予想外の返答に戸惑う梅子。 都倉お兄ちゃんが貰ってくれない。 ………何で? 私、都倉お兄ちゃんの為に一生懸命…作ったのに…。 目はキョロキョロとしだし困惑したように顔から笑顔が消え。 次第に目には涙が溜まりはじめる。 [*前] | [次#] P.30 |