ここで貰えば…という何とも腑に落ちない考えが都倉に浮かんだ。

そもそも、"お兄ちゃん"になぜそんなモノをあげる?
俺は"お兄ちゃん"であって友達ではない。

"お兄ちゃん"からそんな関係は産まれないはずだ。


「……要らないよ」


都倉の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
もう新たな考えを浮かばせられない。
そういった感じ。


「…………………え?」


予想外の返答に戸惑う梅子。


都倉お兄ちゃんが貰ってくれない。
………何で?

私、都倉お兄ちゃんの為に一生懸命…作ったのに…。


目はキョロキョロとしだし困惑したように顔から笑顔が消え。
次第に目には涙が溜まりはじめる。

- 25 -


[*前] | [次#]
P.30







第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -