都倉は飛び込んできた梅子に驚きもせずに優しく微笑む。 「おはよう、梅子ちゃん」 優しい声に優しい表情。 そんな顔が出来る都倉に惚れない女などいない。 「おはよう!都倉お兄ちゃん、今日は何して遊ぶ?」 都倉からすれば、なぜなのか分からない梅子の行動。 普通の女なら頬だけでなく体自体を真っ赤に染めるはずなのに…。 梅子だけはにっこり、まるで何も知らない無知の子供の様な笑顔で返して来る。 しかも呼び名は"都倉お兄ちゃん"。 ………冗談じゃない。 お前は一体、いくつなんだ。 [*前] | [次#] P.30 |