おお名前!どうしたんだ?…他の六年?今はみんな委員会だったはずだが、何か用か?話?話すくらい大丈夫だと思うぞ。みんなも名前と話したいって言ってたし。あ、ひとり変な奴がいるけど。でも…長次といなくていいのか?いてっ!からかってるんじゃなくて、勝手にいなくなったら長次が心配するんじゃないかって!もー、叩くのは長次だけにしろよー。わはは!ごめんごめん、怒るなよ。で?長次は?…あ、そっか。長次も委員会なのか。名前、ひとりで暇なんだな。よし解った!六年生だな!ここから近いのはー…お!名前、あの屋根のとこ。そう、下に水色の小さいのが三人いるだろ?屋根の上にいる私達と同じ色の制服を着たのが六年だ。名前は食満。それじゃあまた…ん?私は今からマラソンだ!いけいけどんどーん!















なんだ作兵衛。え?あれ、今呼ばなかったか?下から声がしたァ?どれどれ…あ、長次の彼女さん!えっと、俺に何か用?ちょっと待って、今降りるから。丁度いい、休憩しよう作兵衛。…よっと。それで、用は?…話がしたかっただけ?いや、別に迷惑じゃない。俺は食満留三郎だ。用具委員の委員長をしてる。よろしくな。えっと…苗字名前…さん。いやあの、人の彼女だし、呼び捨てはマズイかなと思って。小平太?あー…あいつに常識は通用しないから。呼び捨てで構わないならそうするけど。それじゃあ名前、だな。そうそう、聞きたいことがあるんだけどさ。長次をぶっ叩いたってほん…となんだ。そんな真っ赤にならなくても。六年の間じゃ有名だぜ?誰からって…長次の顔見りゃ解るだろ。小さい手形つけてたら彼女だと思うさ。長次を叩くっていうからどんなすごい女かと思ってたよ。ははは、もう言わないから睨むなって。他の六年?だったら、さっきトンカチで手を打ち付けてさ。医務室に行こうと思ってたんだ。そこにひとりいるはずだから一緒に行こう。すぐ戻ってくるからそれまでよろしくな、作兵衛。















あ、留また怪我したの!?あれだけ注意しろっていつも、わあああああッ!…いてて…なんでいきなり床が抜けるかなぁ…。大丈夫、ありがと乱太郎。…っと、ごめんなさい、気付けなくて。えっと…名前ちゃん?初めまして、僕は善法寺伊作。保健委員の委員長をやってるんだ。…まぁ、うん。不運な人って僕だけど…長次って僕のことそんな風に話してたの?もっと他の言い方はないのかなぁ…いいんだ慣れてるから。見ての通り不運でね。僕だけじゃなくて保健委員会引っくるめて不運なものだから不運委員会、なんて呼ばれてるんだ。そりゃあ確かに人より不運だけど…ごめんね、変な話しちゃって。…慰めてくれてありがとう。年下に励まされてちゃかっこ悪いよね!…あ、同い年だった?ごめ…へ?十七…って年上!?名前ちゃん年上!?…いやだって年下か同い年くらいにしか見えな…留も知らなかったの?…それなら長次を叩いたってのも解るかも…いやあの、すみません。…年上なら敬語かなーと。そう?それなら普通で…本当にごめんね?せっかく来てくれたのに嫌な気持ちになったよね。…ほんと?また来てくれる?…ありがと、流石長次が惚れた人だね。あ、赤くなった。えへへ、他の六年?小平太と留以外なら仙蔵と文次郎かな。僕職員室に新野先生呼びに行くから、ついでに案内するよ。いいからいいから、ほら行こ、ぁああああッ!















…確かに俺は潮江文次郎だが、誰だお前は。苗字名前?何年生だ?…くのたまじゃないのか?…あ、まさか長次の…左門喧しい!お前は気にせんで計算してろ!…長次の恋人が俺に何の用だ?…話だァ?そんな暇など無い!すぐに出て行け!…なんだ団蔵、どうして俺を睨む。三木まで。酷くない!喧しい!大体俺はなぁ!三禁を破った長次を許せん!それ以上に長次をたぶらかしたお前が許せんのだ!あの長次が簡単に女に靡く訳が無い、どうせ何か怪しい手でも使っぶ!痛ェだろうがいきなり何しやがる!ぶっ叩くのは長次だけにしとけ!フン、何を今更。みんなが知ってるぞ。もう出て行け、邪魔だ。俺は忙し…何を笑ってる?…優しい?俺が?…長次が心配だから、俺はお前を疑う。当然だろう。…はぁ?今の流れでどうして仲良くしよう、になるんだ?長次の女にしてはよく解らん奴だな。…長次を心配してくれるから?…やはりお前は解らん。だが、まぁ、少しは信じてやる。何笑ってんだ、笑うな!団蔵左門三木喧しい笑うな!左吉もか!チッ、他の六年?誰に会ってねぇのか解るか?…仙蔵か。来い、案内する。あ?隈が濃い?喧しい余計なお世話だ!















ん?貴女は長次の…名前さんだったか。もう学園中の噂だからな、名前は聞いてる。私が立花仙蔵だ。この作法委員の委員長を勤めている。よろしくな。ところで文次郎、その頬はどうした。元から酷い顔に酷い化粧をしてついに狂ったか。…名前さんに?叩かれたのか?ははは、名前さんは長次だけじゃ足りなかったみたいだな。おや、顔が赤い。心配せずとも皆知っているさ。因みに私は名前さんが喜八郎のタコ壷に落ちたことも長次に愛してると言ったことも知っている。これは小平太から聞いたから叩くのなら小平太にしてくれ。それから文次郎、何故お前が赤面するのだ気持ち悪い。名前さんが怯えてしまうだろう。あぁそうだ、名前さんはいくつなんだ?長次に惚れるとは渋い趣味をして…十七?…十七、なのか?それで?いや、す、済まない。失言だった。そうか、年上なのか…まぁ、長次の友人ということで堅苦しいのは避けたい。さんを付けたのは初対面の礼儀だ。駄目だろうか?…ありがとう。困ったことがあったらいつでも言ってくるといい。長次が妬かない程度に。…長次の部屋?帰り道が解らないのか。では送ってあげよう。…貴様はいつまで呆けているのだ。名前の年齢の話はもう終わった。貴様は早く委員会へ戻れ。…仲がいい?違う、これは私が相手をしてやってるだけだ。




















「みんなに会ったのか…」

「うん。みんないい人ばっかりだった。長次は愛されてるね」

「…?」

「てゆうかみんな私が長次叩いたこと知ってた…」

「……」

「てゆうかみんな私のこと年下だって思ってた…」

「……」

「何とか言ってよ」

「…気にするな…」

「…まあいっか。小平太取っ捕まえるの手伝って。立花くんに色々言い触らしてたからぶっ叩く」

「…小平太はマラソン…」

「じゃあ私達も行こ!」

「…あぁ」



噂の彼女




(名前と話したんだろ?どうだった?)

(噂通りの人だったな。明るくて元気で長次と正反対)

(うん。でも長次と一緒、いい人だったね)

(初対面で叩かれている奴もいるがな)

(喧しいわ!あいつ思い切りひっぱたきやがって…!)

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