あたしはまだまだみんなのことを知らない。そう思った。こんなんでこの船に乗ってるのは失礼だ。丸々一晩考えて考えて、あたしはひとつの答えを導き出した。

みんなのことを教えてもらおう!










「ということで、まずはエースのことをおしえて!」

「そうだな、おれには三つ離れた弟がいんだ」

「おとうとくんはなにしてるの?」

「海賊やってるよ。しかも船長。結構強いんだぜ」

「きょうだいでかいぞく…」

「ま、おれに勝ったことはないけどな」

「エースとおとうとくん、なかよしなんだね」

「あぁ!大切な弟さ!ルフィっていうんだ」

「そっか。あってみたいなあ、ルフィくん」

「きっとなまえも気に入るよ」

「うん!あ、エースってあくまのみをたべたんだよね?」

「そうだが、それがどうかしたか?」

「じゃあどんなのうりょくがあるの?」

「おれはメラメラの実を食べた炎人間だ!」

「…メラメラ?」

「あ、ルフィはゴムゴムの実を食べたゴム人間だぞ」

「…あくまのみってそういうなまえなんだ…」

「他にも能力者の隊長はいるから探してみればいいさ」

「そうする。じゃあつぎ!」

「おう、頑張ってこい」










「サッチさんと…えっと」

「ビスタだ。よろしくなお嬢ちゃん」

「はい!ビスタさん!」

「思ったんだけどよ、なまえはなんで敬語使うんだ?」

「え?だってみんなとしうえだし…」

「齢なんざ関係ねェよ!おれ達ァ家族だぜ?」

「サッチの言う通りさ。気楽に喋ってくれ」

「む…じゃあ、サッチと、ビスタ」

「よしよしよく出来た、おやつあげようネ」

「こどもあつかいするな!あ、サッチさ…じゃなくてサッチはコックだけどたたかったりするの?」

「当然!これでも4番隊隊長なんだぜ」

「おれは5番隊隊長だ。花剣のビスタって結構有名なんだがな」

「かけん?」

「二つ名さ。エースにもあるぜ、火拳のエース」

「え!」

「因みに2番隊隊長」

「ええ!」

「…どうしたんだ?」

「…エース、おとうとのはなししかしなかったよ」

「はは、そいつァ仕方ねェ」

「奴はブラコンだからな」

「ちくしょう…」

「唸るなって。マルコにもあるぜ、二つ名」

「ジョズと甲板にいるのを見たから行ってみるといい」

「わかった!いってくる!」

「あ、今日のおやつはプリンだぞー」

「すっかり妹キャラだな…」










「ん?」

「あらなまえ、何をしてるのですか?」

「リジィ、おやじ!ふたりのことおしえて!」

「ふふふ。いいですよ」

「急にどうしたんだ?」

「みんなのこときいてまわってるの。マルコさんのところにいくつもりだったけどさきにおやじのところにきた」

「グラララ、そりゃいい心掛けだ」

「ねえリジィ、リジィはどうしてこのふねにのったの?」

「簡単です。船長に惹かれたのですよ」

「…それだけ?」

「理由なんてあって無いようなものです」

「ふーん…なんかかっこいいね」

「理由がある人はありますけどね。命を救われたとか、自由になりたいとか」

「じゆう?」

「そうさ。海賊は自由だ。おれ達は何にも縛られねェ」

「…おやじはつよいの?」

「グララララ!そうだな、おめェよりは強いだろう」

「あたりまえでしょ…おやじはのうりょくしゃなの?」

「あぁ。だから海に落ちても助けられねェぞ」

「きをつけます。どんなみをたべたの?」

「グラグラの実だ。能力はいずれ解る」

「グラグラ…ふたつなは?」

「ふふふ、船長の二つ名はなまえも知ってるでしょう?」

「え?あたしもしってる?」

「知ってます。絶対に」

「うーん…あ!しろひげ!」

「正解。よく出来ました」

「こどもあつかいしないで!リジィっていくつなの!」

「……」

「…あれ?リジィ?」

「ふふふ、なあに?」

「いや、だからあの…」

「グラララ、やめとけなまえ。世の中知らなくていいもんもある」

「え?え??」

「リジィの齢はおれですら知らねェんだからな」

「…え…」

「あまり訊くと針と糸で唇を縫い付けますよ」

「!!!」

「さあ、他には何が知りたいですか?」

「えっ、えっと!あのっ!あ…あ!おやじのなまえは!?」

「あら、名前を知らなかったのですか」

「一度しか言わねェ、しっかり覚えろよ」

「うん!」

「エドワード・ニューゲート…それがてめェの親の名だ」










「マルコさーん!」

「おう、どうした」

「…えーっと…」

「三番隊隊長のジョズだ」

「ジョズさん!おふたりのことおしえてください!」

「急になんだい」

「みんなのことしらないから、なかよくなるために!」

「そうかい。で、何が知りてェんだい?」

「マルコさんものうりょくしゃなんですよね?」

「それがどうしたい」

「じゃあなまえはトリトリのみ、とか…ぶはっ」

「…何笑ってんだい」

「トリトリって…なまえのセンスないとおもって…っ」

「お前には何も教えねェ」

「えぇ!すみませんマルコさんおこらないでください!」

「知らねェ。ジョズに訊け」

「おれも能力者だが…言わないでおこう」

「もうわらわないから!おねがいします!」

「知らねェよい」

「…じゃあ!マルコさんのふたつなをおしえてください」

「…不死鳥マルコ」

「ふしちょう?そういえばふつうのとりとはちがいますよね」

「ジョズにもあるよい」

「え、ジョズさんは?」

「…ダイヤモンドジョズだ」

「…ダイヤモンド?」

「おう」

「…ど、どんなのうりょくなんですか?」

「おれらのことよりも、だ。お前のことを話せよい」

「へ?あたし?」

「お前のいた世界の話とか」

「えーっと…かいぞくは、いないです」

「は?」

「いねェのか?全く?」

「あたしのせかいじゃじゅうとうほういはんっていうきまりがあって、ぶきをもつとつかまっちゃうんです。だからそういうぶっそうなひとはめったにでません」

「ほお…平和な世界があったもんだ」

「でもつまらなさそうだ。おれァ絶対行きたくないねい」

「それ、かいぞくはじゆうだから?」

「お、よく知ってたない」

「おやじにおしえてもらいました!かいぞくはじゆう!いいなあ、かっこいい」

「あ?何言ってやがるなまえ。おめェも海賊なんだぞ」

「…え?」

「親父の娘になるったァそういうこったい」

「…あたしもかいぞく…」

「嫌かい?」

「いいえ!うれしいです!」

「へェ、そうかい」

「面白い嬢ちゃんだ」

「あ、きょうのおやつはプリンですよ!いきましょっ!」

「おれは要らねェ…って、引っ張んなよい!」

「おれはご一緒しよう」

「ジョズさんノリいい!」

「ったく、行くから離せ」

「わーい!」










結論。白ひげ海賊団は馬鹿がいて仲間想いで謎がいっぱいでノリがよくて、楽しい人達ばっかりだ!

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