土方×ミツバ(3z)
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抱き締めようとして、壊れてしまうのではないかと思って自分の武骨な手を引っ込めた。
誰もいない教室で、俺の委員会が終わるのを待っていた彼女は小さな寝息をたてながら俺の机で眠っていた。
華奢な肩が寝息に合わせて上下する。
稲穂色の髪から覗く唇が僅かに空いていたのが目に入り、僅かに心臓がざわざわと騒いだ。
そっと手を伸ばして柔らかい髪を撫でると、気持ち良さそうに微笑む彼女に愛しさが募る。
ふと顔を上げて周りに誰もいないのを確認すると、静かに唇を彼女へと近づけた。
チュッと軽い音をたて彼女の頬から唇を離すと、長い睫毛が揺れて瞼が開く。
「十四郎さん…?」
「っ待たせたな。帰るぞ!」
ぶっきらぼうになってしまったが、何でもないように振る舞うので精一杯だった。
カバンを持つと、ミツバも自分のカバンを持って席を立った。
揃って教室から出ていこうとしたところでシャツの裾を後ろから引っ張られて足を止める。
「?」
振り替えると、上目遣いでやや不満げに見上げてくる瞳。
「どうし…」
「十四郎さんの意気地無し。」
は?
と目を見瞠ると真っ赤な顔をしたミツバが自分を追い越して教室の外へと出ていってしまった。
暫く放心状態だったけれど、ハッとして自分の頭をグシャグシャとかき回した。
「起きてたのか…。」
どうしようもなく熱い頬。
次の瞬間には、自分の足が彼女を追いかけようと走り出していた。
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土ミツの希望→転生(゚∀゚)!
お返事はblogにて