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2017/07/06

最高の相棒で、いつだって自分を引き上げてくれるのは、日向だ。
圧倒的な存在感と身体能力、そして自分と違わぬほどの向上心でもって、周囲を沸かす力を持っている。
「俺が欲しかったのはこれだ」と感じることも、容易いほどに。
けれど、それだけが全てではない。
そのことを知ったのは、伊達工との練習試合だった。
(試しに、ボール一個半)
月島の頭上に、以前よりも高くトスを上げる。
一度目は渋い表情でスパイクミスをした。
けれど、しっかり助走をつけて跳躍した二度目。
月島の最高到達点は、これまでの比ではなかった。
鉄壁のブロックの真上を通過し、ボールはコートに落ちていった。
そのときの、快感。
誰かの力で、自分が上手くなるのではない。
自分が、自分以外の誰かを引き上げる高揚感に、俺は衝撃を受けた。
それは自分が上手くなることと同一の――、いや、いっそそれ以上の快感を、俺は味わうことになった。
そして、これこそが、セッターしか味わうことのできない喜びなのだ。
同時に気づいたのは、月島が非凡だということだ。
常日頃から自分は庶民だとアピールしているが、実際はそうではない。
たしかに以前ならば、ちょっと背が高くて手抜きの上手い、普通の選手に過ぎなかった。
けれど、夏合宿を経て、月島は変わった。

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伊達工戦、微妙にうろ覚えですまない
電子書籍勢なのにPCすら使えない悲しさよ…



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