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2017/08/24

突然のキスだった。
自分を組み敷きながら、旬は涙をながしている。
この男は、クールでちょっとばかり毒舌家なお坊ちゃんだけれど、常識人だ。
少なくとも数瞬前までの自分は、そう思っていた。
「す、みませ、ん」
苦しげに声をこぼしながら、しかし自分を拘束する手は緩めようとしない。
それどころか、この状況に喜ぶ気もちを抑えられないと、震えてすらいる。
「こんな、つもりじゃ…なくて、だから……」
一方で、瞳は絶望感であふれかえっていた。
ひとえに“常識人”だったからだろうか。
仲間の、それも男の自分にこの状況を強いる非常識さに、旬自身も混乱しているのかもしれない。
人の心と体がバラバラになる。
それは誰の言葉か知らないけれど、今の旬がまさにそれだ。
そんな顔をさせたいわけではないのにと、胸が軋む。
「ジュンっち」
動かすことのできない腕はそのままに、旬の瞳を紳士に見つめる。
8分ぶりの自分の言葉に、旬は少しだけ正気に戻ったらしい。
自分を見ているようで虚ろだった瞳が、ようやく自分を見た。
かちあう視線に、自分の口角が上がる。
次につづく言葉は、さらなる絶望を与えるに違いないけれど、旬は許してくれるだろうか。
「オレ、ジュンっちのこと、好きっすよ」

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最初から最後までちゃんと書きたかった(過去形)

お坊っちゃんと聞いて旬のお宅訪問したいー!と騒いだ四季わん連れて帰宅する旬

四季の無防備っぷり+自分の部屋という環境に理性崩壊、押し倒してちゅー

冷静になってわけがわからなくなってきて涙目な旬と呆然とする四季

泣いてる旬見て四季はなんとなく嫌だなーと思う
恋愛感情なくても好きだし尊敬してる(のはほかのメンバーも一緒だけど)、そんな顔見ていたくない、これからもみんなで楽しくハイジョしたい

って気もちを正直に話した上で、旬の気もちを真剣に受け入れちゃう四季と、混乱しながらもそんな四季も好きだなあってなる旬
を書きたかった

でも四季わんこんなこと言わなそうだなあ……と書き出してから思い直した



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テーマ「人外ファンタジー」
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