例えば、人を、色に例えるとすると、 なまえっちはとても明るくて、自分のことをもっているから、赤色だと思うんスよ。 それで、俺は、もちろん黄色っス!! 心地よい風が吹いている、屋上に俺となまえっちの二人きり。 俺の隣で空を眺めている彼女は、赤色って赤司くんじゃんないの?と 突っ込んできたけど、俺は気にしない! だって、俺のイメージするなまえっちの色は、誰がなんと言おうと赤なんスから。 赤じゃないと話進まないから、そういうことにしてほしい! 「…で、それがどうしたの?」 彼女は寝転がっている俺の顔を覗き込んできた。大好きな俺のカノジョの顔が目の前にある。好きなのはもちろん顔だけじゃないけど。なまえっちのさらさらの黒髪も、意志をしっかり持っている、その瞳も、物事の考え方とか、あと、少し意地っ張りなところも、全部含めて好きっスよ。 「…いや、この夕焼けを見ていたら、ふと思いついたんス。」 俺の黄色と君の赤を、パレット上に混ぜると、今、俺たちの目に映っている色ができる。そう気が付いたら、なんか夕焼けに運命を感じた。今日から毎日夕焼け見る度になまえっちのこと考えちゃうだろうな。 「…だから、あのオレンジ色は俺となまえっちの、二人の愛の形だと思わないッスか!?」 「なにそれ!」 涼太は考えることがおもしろいねって、なまえっちがくすくすと笑うから、俺も勝手に頬が緩む。 あとね、もう一つだけ、なまえっちの好きなところあったっス。それは笑顔がとびきり可愛いところ。 普段は割とさばさばしていて、リーダシップ発揮しちゃうタイプなのに、彼女が笑っているときだけは、幼くて、かわいいなぁって、思う。守ってあげたいって、そう思うんだ。 「ねぇなまえっち」 「なに涼太?」 「…俺のそばでずっとずっと笑っていてよ。」 「私も人間だからなぁ、」 約束はできないよ。だって、私でも泣くことあると思うから。と、やけに現実ぽいこと言っちゃう。そんななまえっちも大好き。 だって、それは言い換えれば、嘘をつかないってことだもんね。 「あ、でも、俺がいれば、なまえっちは泣く心配なんてないっスよ!」 「なんで?」 「…俺がなまえっちの涙なんて消してあげるっ!」 君の赤色が、青色の涙を流して、紫色になりました。 …ねぇ知ってる? 紫色に黄色を混ぜると、赤色に戻ることを? もしも、君に、涙を流すくらい辛いことがあったとしても、俺が何度だって、その涙を拭って、笑顔にしてあげるから。 幸せにしてあげるから。 大好きな俺の笑顔のままでいられるように。 全力で守ってあげるから。 「…今、ものすごくキスしたいっス」 「しょうがないなぁ」 彼女の顔が近づいてきて、俺たちは唇を重ねた。 触れるだけのキスじゃ物足りなくて、寧ろ、このまま、ここで身体を重ねても俺は構わないのだけど、彼女が怒るから我慢しておこうっと。 肌寒くなってきたっスね。 でも、ぴったりと二人でくっついてさ、 日が暮れるまで もう少しだけ、このオレンジの空を眺めていよう。 二人の愛の色 (それは、綺麗な橙色でした。) ---------------------- だいすきな曲からイメージして書きました。 この曲聞いたとき、きーちゃんだああって身震いした。 |