くろばす | ナノ






※腹黒な真っ黒子さまです。若干腐要素あります。



突然ですが、私は超能力をもっています。
な、なんと!人の心を覗けちゃうんですYO!
だからなんだよとか、突っ込みはやめてください!
ほいほい能力使って、人の心読んじゃう悪女ではないから安心してね!




そんな私はなぜか、帝光中学のバスケ部マネージャーをやることになりました。(赤髪の主将さんに脅されて入部しました…)


天才集団、キセキの世代といわれるスタメン達はとても変人ばかり。

そして、そのなかで、私は、主将以上に悪魔と呼べる、お方に遭遇してしまったのです。
そのお方は天使のような、とてもかわいらしいお方なんです。見た目だけは…。



「黒子っちー!!!会いたかったっスよー!」
(黒子っちのほっぺやわらかーい!)

「黄瀬くん、離れてくださいよ。暑いです。」
(このホモ野郎が離れろ、そのへんで、わんわんって吠えてろ。)



「おら、黄瀬邪魔だ、どけ。」
(テツはおれのもんだ!)


「ちょ、なにするんスか!青峰っち!」
(青峰っちにまた割り込みされたッス!)


「…テツ!今日も練習付き合ってくれよな!」
(俺の新技早く披露してぇ)


「いいですよ!」
(僕がシュートへたくそなの知っていて、毎回毎回みせつけかゴルァ)




「テツヤ、ちょっとこちらを手伝ってくれないか?」
(テツヤは俺のものだ。)


「わかりました、赤司くん」
(中二病、ハサミ大好きくんは引っ込んでろ)




みなさまわかりましたか?

( )の中の台詞が彼らの胸中なのです。


いろんな人の心を読んできたけど、キセキたちのはみていて面白いけど、

ここまでギャップがありすぎる、スーパー腹黒は初めてだ…。




「みょうじさん、どうしたんですか?ぼーとして。熱でもあるんですか?」


「く、黒子くん!」



噂をしてたらなんとやらだ!焦った、でも聞こえてないから大丈夫!


そう、この方が、スーパー腹・黒子テツヤくんだ。



彼は自分のひんやりと冷たい手の平を、ぴたっと、私の額に当ててきた。
どきり、と心臓が動く。





「……熱はなさそうですね、」



「だ、大丈夫だよ!!ちょっと暑くて、あはははは!」


「そうですか?」




心配そうに、私の顔を覗きこむ天使。なにこの人、騙されないんだから!と思っていても、ふにゃあと顔が緩んでしまう。
近くにいけばいくほど、白くて綺麗な肌に見惚れそうになる。
どくんどくん、
あ、いま、心臓やばい。早くなってる。

あまり無理しないで下さいね、と私の頭をぽんぽんと撫でて、彼は練習に戻っていった。

残された私は、ふわふわしたものに包まれている。

こうゆうとき、本心を覗きたくなるけど、でも、知らない方がいいに決まってるから、
このまま、このくすぐったい気持ちと一緒に、彼の優しさを受け取っておこう。













………腕時計の針はもうすぐ19時を指そうとしている。


練習はとっくの前に終わったが、マネージャーの仕事をしていたら、もうこんな時間。外は、暗くて、帰るのだるいなぁ。でも、いつまでもここにいるわけにもいかない。
ダンボールがいくつも山積みになっている倉庫は、対戦校の貴重な資料が勢ぞろいだ。 必要なものは手に入れたから、あとは荒らしたものを元に戻すだけ。さっさと、倉庫の片付け終わらして帰ろう!!

がんばるぞ!!と、心の中で叫んだ。




ガチャッガチャッ



あ、れ?


背後から、日常でよく聞く音がした、気がする。気がするじゃなくて絶対したよ!
ガチャって聞こえたよね、


入り口からは死角になるであろう場所で屈んで、作業をしている私。
今の音は、、、 もしかして、、、考えただけで、変な汗が出た。


扉の方へ近づいてくと、開けっ放しにしておいたはずが閉まっている。
これは、もう嫌な予感が的中したかも。




「や、やっぱり開かないっ!」



倉庫の扉は内側から鍵を掛けられてしまった。

最悪だ……
そうだ、と思い、ポケットを漁るが、ケータイは部室に置いてきたから、あるわけない。なんて古典的なことやってんだ、私!
日の入る窓などなくて、薄暗い倉庫の中。
これは、もはや絶望しかない。



「……こんなところに明日まで一人………?」


口に出してしまうと一気に現実味を帯びてくる、
これからのことを想像しただけで、
やばい、泣きそう。怖いし、なんだか寒いし、どうしよう。ほんと、どうしよう。
ここが、私の墓場になるのかな…?



すると、そっと肩になにか感触が。
え?
後ろに誰かいる…え、





「みょうじさん、あなたは一人じゃないですよ。」




「ぎゃあああああああああああでたああああああっ!やめてぇええわたしを連れて逝かないでえぇえ!」



腕で頭を押さえて、ぎゅっと目を綴じて、しゃがみこんで
、必死に抵抗した。
おばけおばけおばけおばけおばけおばけ、怖いっっっ




「落ち着いてください。僕です、黒子です。」



「へ?」



よくみると暗闇に見慣れた顔が浮かぶ。
あれ、黒子くんだ。
本物の黒子くんですよね?と恐る恐る訪ねると、 当たり前です、と無表情のまま呟いた。
よかった、よかった、よかった!!!腹黒さんだけど一人よりはましだ!!!


「そろそろ離してくれませんか?」といきなり言われて、何が?と思ったら、黒子くんにがっしり抱きついている自分がいて、恥ずかしさで、またパニックになりそうなところを、黒子くんは、よしよしと撫でて、落ち着かせてくれた。
ああ、やっぱりあなたは天使なんですね。
腹黒いなんて嘘ですよ。きっと幻想を見ているんじゃないかな。私の能力もそろそろ落ちぶれてきたのかもしれない。





「……それで、どうしますかね。」




倉庫にあったマットを黒子くんが敷いてくれて、その上に二人並んで座っている。なんとか脱出しようと、何度となく作戦会議をするが、どうにもならない現実が突きつけられる。

しばらくして、話すことがなくなり、沈黙が二人を襲った。
彼は元々、無口だし、私もなに話せばいいかわかんないし。


普段の様子からは彼がなにを考えてるのかよくわからない。
いまだって、その表情から読み取れるものは一つもない。めんどくさいことに巻き込まれてしまったと思っているのかもしれない。そう、思うと少し胸が痛んで仕方なくなった。

なに考えてるのかちょこっと覗いてしまおうかと、好奇心が疼く。いや、だめだ、だめだ、と私はバカみたいに一人で葛藤しはじめた。






「…僕の心、今日は覗かないんですか?」



え?


「まぁ、今はやめた方がいいですよ。こんな状況で、男が考えることなんて、一つですから………」




ぐらり、視界がゆれた、

黒子くんの顔が目の前にあって、その先には、天井…。
何が起こったのか、理解できなくて、理解したくなくて。

両手首を押さえつけられていて、動かそうにもの動かせない。
黒子くんに跨られているこの状況、彼は男の子なのだと再確認させられた。
え、スイッチ押しちゃったのか私。真っ黒子様に切り替わるスイッチ。さっきまでの天使はどこへいってしまったの!?
笑顔がいつもの粋な笑顔と明らかに違う。黒いものを含んでいる、絶対。



「みょうじさんは本当に無防備ですね? そんなに知りたいなら、覗いていいですよ。僕が望んでいること。」



ほら早く、とさらに顔を近づけてきた。
もう少しで、唇が触れるんじゃないかって距離。黒子くんの息がかかる。
心拍数が上がりすぎて、能力発動とかしてる余裕なんてない!

怖いって気持ちも少しはあったけど、

でも、泣くつもりなんてなかった、なかったのに、生理的な涙っていうのかな、これ。



「うっ……っ……」


止まることを知らないみたいに、ボロボロとこぼれていく涙は、頬を伝って、マットに染み込んでいく。

ああほんとになんで泣いてるんだろう私。
きっと、からかわれているのだと、頭ではわかっているのに。なんでだろう。悲しくなるの。ああ、かっこわるい。


ちゅっと、瞑っていたまぶたに、やわらかい感触を感じた。


「君は泣き虫ですね。ささっと泣き止んでくださいよ、僕の調子が狂いますから。」



ぱちりと目を開けると、黒子くんが、心なしか、顔が少し赤いように見えた。
薄暗いから気のせいかもしれないけど。でももしそうだったら、嬉しく思ってしまうなあ。


「なに笑ってるんですか?」

「べ、べつに!」



黒子くんは私の拘束をやめると、私の隣にごろんと横になった。やっと解放された…。とりあえず、ほっと一安心。




「全く…なんでそんな特殊能力持っているのに、僕の気持ちには気づいてくれないんですかね。……気づかないなら気づかせるまでですが。」




ぼそっと彼が何かつぶやいていたけど、私は聞き取れなくて、なに?って聞いたら、なんでもありませんって突っ返された。



「なまえさんのその能力は本物なんですか?」


「本物ですから!…物的証拠はないから、疑われてもしょうがないけど!」


「それじゃいまから僕の心の中読んでください。当たってたら信じます。」


「わかったよー!」


黒子君と向き合って、彼の目を見て、難しいことはいらない。
みたいと思ったら、簡単に見えてしまうのだ。
なんてすごい能力なんだろうって改めて思うよ。


「どうです?みれましたか?」


「〜〜っ!!!?」


「…さあ答えはなんですか?
答えないと今度は唇にしてあげますよ?キス。」





言っときますけど嘘じゃないですから、そう言って、面白そうににやにやしている黒子くん。
やられた。
私は沸騰したみたいに、赤くなってしまった。


やっぱり黒子くんはただの腹黒です。天使なんてどこにもいない!
だけど、そんな黒子くんを私は…。

そう感じた、一日でした。





あなたが好きです。
あなたも早く僕のこと好きだと気づいたらどうですか?






(そーいえば、なんで私の能力しっていたの?)
(赤司君が言ってました。彼にわからないことなどこの世に存在しませんからね。)
(へ、へぇー)




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サイト開設したばかりの時に書いて、ずっとお蔵入りにしてましたww
なんだかわからないものですねw
今更ですがせっかくなので、アップしました(^O^)ww

真っ黒子様は、赤司様の次にだいすきですww