くろばす | ナノ








※赤司様と主人公は幼馴染です





帝光中学、第一体育館。バスケ部員数は100人以上という、とんでもなく強豪校である。
その中でも5人の天才が…(以下省略)の、活動場所である。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドっ



「なんだ?」



地震か?

鳴り響く地響き。しかし、それは収まるどころか、此方に近づいてきている。もしかして、大地震がくるのか、ざわざわと部員たちが騒ぎだした。

だが、問題ない。落ち着けと、彼がたった一言かけるだけで、その場は制圧される。

…そう、彼の名は赤司征十郎様。帝光中バスケ部主将。





「征ちゃあああああああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああんっうわぁぁぁあああんっ!」


叫び声と共に、突然現れた少女の勢いより、バアァアンと扉が破壊された。部員たちは唖然。何せ、体育館の扉は丈夫で壊せる代物ではないからだ。

ぽーんと、衝動で身体が飛ばされた少女は、そのまま赤司様の目の前に。


「なにしてるのなまえ………」

「あ……」



周りには大破した扉の屑が散らばっている。
冷や汗がだらだらだらだらだらだらだら。

どうしてくれるの、俺の城をこんな風にしてくれて。

赤司様怖いです。とんでもなく怖いです。笑顔の後ろにどす黒いオーラがみえます。

テーピング最中だったのか、タイミングよく(?)、その手には鋏が装備されています。
やばい、殺される!!!



「すすすすいませんでした!や、やめて!オヤコロだけは勘弁して!まだ嫁入り前なんです!」


「は?」


征ちゃんの人を蔑む、冷酷な視線が突き刺さるけど、き、気にしないし!
全然気にしない!!!
ぷるぷると震える私を見て、
はぁとため息をつき、呆れ顔で、とりあえず鋏だけは収めてくれた。
命はなんとか助かったよかった、と、ほっと安堵。



「で、お前は何しにきたの?」



「あっ!」



そーだった!用事があったら、ここにきたんですわたくし!
負けじと、ぎりっと歯を食いしばり、征ちゃんを睨み付けた。
私だって負けるわけにはいかないのだよ。



「征ちゃん!先生から聞いたけど、私、洛山高校行くなんて一言もきいてないよっ!!!どうゆうこと!! なんで京都の高校なの…!!!」




「あぁ、そのことか、」



興味が薄れたのか、私のことは気にせず、部員たちに指示をし始めた。


お前に話す必要はないと、言われているようで
そんな彼の態度に、涙が出そうになって、ぐっと堪える。ここで泣いたらただのめんどくさい女だ。耐えろ私!

でも、彼女じゃないから、私に彼の進路を咎めることなどできないんだろうけど、ずっとずっと側にいて、だから、これからもずっと一緒だと信じていて、離れるなんて想像できなくて。

そして、何よりも大好きだから。片思いだけど、大好きだから!



やっぱり、離れるなんていやだ!


ぎゅううと、思いっきり彼の背中に抱きついた。ほかのキセキのみんなに比べれば小さいのかもしれないけど、
女の私からみれば、とてもとても広くて、逞しい。


「征ちゃん……」



今は進路を決める大事な時期、今日、渡されたプリント、第一志望は私の中できまっている。だけど、貴方がいなくちゃだめなんです。
貴方がいなきゃ叶わないんです。




「私には征ちゃんが必要なんです!だ、だいすきだから!ずっと一緒にいたいよ!離れたくないよ……!」



「……後ろから抱きつかれるの嫌いなんだけど、」



冷たい言葉にズキリと心が痛む、
次の瞬間、視界が変わった。


征ちゃんの胸板が目の前にある。あ、れ、征ちゃんの匂いがする。久しぶりにこんなにも近くに貴方を感じた。
どきどき、どきどき、と心臓がうるさいのに、どうしてだろ安心する。
ああ、抱き締められてるのか、泣かないとさっき決めたのにボロボロと涙が溢れた。

「よくできました」
そう言って、優しい、その手で、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。
なにこれ、幸せすぎる。

だいすき、だいすき、だいすき、だいすき、だいすき、だいすき、ねえ、この気持ちに限界なんてあるのかな?






「…まあ、言われなくても強制で連れていくつもりだったけどね。」


「え、」



「なまえが俺に縋る姿がどうしてもみたくてね。ちょっとやりすぎてしまったかな?」


「っ!!!???」


くすくすと笑い声が頭の上から聞こえる。
その笑いの意味を理解した私は、恥ずかしさと、怒りといろんなものがいっぺんに込み上げてきた。


え、ちょ、私の幸せな時間返しやがれええええ!!!

このドS策士があああああっ!!!!!!


どうやら、赤司様の策略に私は、まんまとハマっていたみたいです。
とにかくこの場から立ち去りたくて、
拘束から逃れようと 暴れると、征ちゃんは更に抱き締める力を強めてきた。


「征ちゃん!!く、くるしい! 窒息するよ!」




「ばか、暴れても無駄だよ。逃さないよ、一生。」


「〜〜〜〜〜〜!?」



反則だっ!耳元で囁かれた、その台詞に、頭から、ぼっと火が出るかと思った。でも、それでも、嬉しいと思ってしまう私はこの人に相当、ご執心みたい。

きっと私は一生永遠にそばに居たとしても、この人には勝てることなどないんだろうな。
でも、いいや。悔しいけど。

こうやって、抱きしめられているだけで、あなたが私の一番近くにいてくれるだけで、私は幸せなのだから。



だから、ずっと、そばにいてください。











(征ちゃんみてみて!私の進路希望!)
(おまえ、ちゃんと洛山って書い………っ!)




第一志望、征ちゃんのお嫁さん!
第二志望、洛山高校!


(せ、せ、征ちゃんが赤くなった!)
(なってない、俺の顔を見るなっ!)




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最初、タイトルを第一希望にしてたんですけど、あ、違うわてへぺろって感じでした。
進路とか懐かしすぎる、何年前だ…遠い目


これは完全に最後の照れ征ちゃんが書きたかっただけです笑
とゆうか、部員の目の前でなにやってんですかこいつら。




また幼馴染かきたい!