「……ねえ、何してるの?」 映し出されたものがあまりにも現実離れしていて、思わず瞬きをし、二度見してみたけど、やっぱり変わらなかった。 真っ赤なカーテンの部屋には数々の俺の写真が、壁の色が見えないくらいに貼られている。試合中や、体育祭、文化祭のときのもの。それから隠し撮りのような写真。最早、彼女はストーカーと呼ばれてもおかしくはない。 普通ならば本人を目の前にして、この光景を晒すだろうか? 自分の写真ばかりの部屋は気味が悪いだけ。喜ぶやつがいるわけない。まあ、これがなまえの写真だったなら話は別なのだけど。 ……とにかく俺の彼女は変だ。 俺のことをいつまでも様付けで呼んでくるし、敬語だし、恋人らしいことをすれば「恐れ多いです!」とか言って逃げるし、未だキスさえもさせてくれない。できるならば、今すぐにそれ以上のこともしたいのだけど。 付き合って一ヶ月。さすがの俺も拒絶され続けるのは傷つく。 「本日は赤司様のお誕生日ですので、赤司教の代表として精一杯準備しました!」 「赤司教?」 「赤司様を崇拝するための宗教です!!」 「何それ、許可した覚えないけど。」 「え、以前にお話したかと思いますが、」 「は?」 「お、お付き合いいただけると言われたので…」 「…………」 一ヶ月前の会話を思い出してみる。俺は純粋になまえのことを気に入っていた。だから、「付き合って欲しい。」との問いに「いいよ。」と答えた。 この流れから連想されるのは、一般常識で言うと、恋人になったことになるのだが。 どうやら違うらしい。そうなると嫌な予感しかしない。 あれは告白ではなかったのか? もしかして、最初から間違っていた…? 「俺となまえは恋人じゃないのか?」 「ま、まさか!そんな!!!私が赤司様の恋人なんて重役お受けできません!!!」 「…………。」 「あ、赤司様?」 心配そうに無言を貫く僕の顔を覗き込むなまえの姿はいつ見ても愛らしいもので、だから、まだ僕のものになっていないならば、今からしてしまえばいい話だよね? 自惚れていただなんてことは僕のプライドが許さない。 「……ふーん。だから、ガード固かったんだね。 「あ、え??!」 どさりとソファーの上になまえを押し倒して、僕は彼女の上に跨った。男にこうされるのが初めてなのか、オロオロと狼狽して、君は林檎のように顔を真っ赤にしている。初々しい反応を見たくて、さらに追い詰めてしまいたくなる。 「でもさ、僕のことは好きなんでしょ?」 「え、や、」 「本当のこと言ったら許してあげる。」 「す、す、す、好きです…!」 「だから離してください。」とふるふる震える子犬みたいな君の唇を塞いで、ただ触れるだけなんて面白くないから、舌で彼女の歯列をなぞって、それから絡ませてあげれば、息の仕方がわからない彼女は息苦しそうに僕を見つめた。 「…う、嘘つき、で、す、」 「離すなんて誰も言ってないよ。」 「な、ん、で。」 「君のこと愛してるからね。」 「そんな、だ、だめです!」 「僕のいう事は?」 「ぜ、ぜったーい!!!」 「それじゃ、続きしようか、」 「っ!?」 しまったと言わんばかりのなまえの表情もすぐに崩してあげるよ。 一つの言葉で簡単に彼女が言いなりになるのも悪くはない。 ぷちんぷちんと彼女のブラウスのボタンを外して、露わになった下着を見つめて、ぺろりと舌を舐めずった。 「恥ずかしいです…」 「うん、最高のプレゼントだね。」 なまえとキスもセックスもしたかった。 欲しかったものがようやく手にはいるのだから、ニヤついてしまって仕方ない。 自分のシャツも脱ぎ捨てて、一度軽いキスを贈ってから、耳元で囁いてやった。 「たくさん鳴かしてあげるから覚悟してなよ。」 「っ!!!?」 今日は“僕たち”の誕生日なんだから、君を好きにしていいでしょ? もう我慢なんてしないよ。 彼女は僕等の崇拝者 (宗教じみた行為も、信仰もいらないから、僕だけを見てくれる君が欲しいな。) -------- 即席でした!そしてこれすらも間に合わなかったw 2013年赤司君のお誕生日おめでとうございました! 去年の黒子っちばーすでー短編と若干被ってる気がするけどきにしない。 ちなみに俺司から僕司に途中から切り替わってます! |