Garden


Idler Tailor


参加者


GM.直訴
PL.雨蛙/芙蓉
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直訴:それではIdler Tailor、はじめさせていただきます。よろしくお願いします!
芙蓉:よろしくお願いします!

直訴:ある日のことです、芙蓉さんは拠点近くの森を一人歩いていました。
直訴:服をこの時点で着ているかはPLの判断でよろしくお願いします。
芙蓉:多分全裸で歩いてたら追い出された。だから着てふらふらしてるよ
芙蓉:全裸になれる場所探してる
直訴:それでは服を着ている芙蓉さんの周りには普段と変わったところもない、平穏な風景が広がっていますね。
芙蓉:「…といっても誰かに見てもらわなきゃ意味ねえんだよなー」ぶつぶつ
芙蓉:「ひとりで楽しむにはもったいねえよ〜。あ〜もったいねえ……。」
芙蓉:てくてくぶつぶつ
直訴:それでは衣纏いし芙蓉さんが、世の生き辛さを呪詛にしつつ道を歩いていると、草むらの中に何かが落ちた音がしました。
芙蓉:「お?」見に行くよ
直訴:それでは音がした場所を見に行くと草むらの中に輝くものを見つけます。
芙蓉:「金か?」拾って幻視幻視
直訴:どうやら鍵のようです。
丁寧に磨き上げられているのか周りの風景を映し出していますが、日差しも反射しているために容易に見つけることができますね。
直訴:・・・・さて
直訴:芙蓉さんが鍵を拾うと、突然足もとの感覚を失います。
芙蓉:「ん…?」ふわっ
直訴:さっきまで存在していた草の冷たさ、足の裏に伝わる土の柔らかさ、それらが無くなったと思った刹那
直訴:芙蓉さんの体は、どこへともなく落下していきます。
芙蓉:「おおおおおッ?」ひゅうううううううううううう
直訴:落下していく中、徐々に薄れていき、やがて閉じていく意識。
芙蓉:スヤァ
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直訴:やがてどれだけ経ったのでしょうか
直訴:ぼんやりとした意識の中、芳しい香りと、背中を覆う柔らかな感覚が徐々にはっきりとしてきます。
芙蓉:「  」背中の柔らかさに、一瞬その口が誰かの名前を紡ぐ。
芙蓉:「……ぁ?」
芙蓉:とっさに目を開き周囲を確認する
   :「おや・・・気がついたのかな。」
芙蓉:「だれだ」
直訴(GM):芙蓉さんが眼を開くと、目の前に一人の人の形をしたものが立っています。
芙蓉:口元をゆがめ、その姿を幻視する。
直訴(GM):どういうわけだか、「それ」の声も姿も、何を言っているのかどんな表情をしているのかもはっきり分かっているはずなのに、それがどういう顔なのか、声なのかは、そこに存在しないかのようにはっきりと理解できません。
直訴(GM):幻視をしてもその様子に変わりはありません。ただ「それは美しい」という酷く曖昧な感覚だけが芙蓉さんは認識できます。
芙蓉:「ずいぶんおもしれえ姿をしているようだが…俺になんか用か。」
直訴(GM):「いきなり呼び寄せてしまって・・・ごめんね。ここは仕立て屋で、僕は職人。
用事というのは・・・君に、服を作りたくて、ここに呼んだんだ。」
芙蓉:「服ぅ?悪いが、俺様のこの肉体を隠すものなんかぁまっぴらごめんだぜ」ばッ
直訴(GM):「それ」は近くのミニテーブルからポットとカップを持ってくると、胸元の白いバラを揺らしながら芙蓉さんの前で紅茶を注ぎます。
芙蓉:すぐ脱ぐ
   :「砂糖とミルクは入れる?・・・おやおや。」
芙蓉:紅茶を注がれる横で脱ぐ
直訴(GM):「それ」はクスクスと笑います。
芙蓉:笑われてるぞ
   :「あなたは・・・自分の美しいと信じている。そしてあなたは・・・存在できている。」
   :「・・・だから・・・いや、なんでもない。」 
   :「それ」は少し俯きます。
芙蓉:存在、という言葉に少し反応するもかっこいいポーズをやめないまま、問う。
芙蓉:「どういう意味だ」
芙蓉:「はっきり言わねえやつは嫌いなんだ。」
   :「・・・服は、体を隠すためだけのものじゃない・・・肉体の美しさを、更なる高みへと誘うことも、できる。」
   :「・・・。」
   :「・・・あなたは、僕がどう見えますか?」
芙蓉:「はっきりしねえ気持ち悪いやつ」
   :「ふふ。」 それは嬉しそうに笑いますね。
   :「気持ち悪いだなんて。そんなこといわれたのは、初めてだ。」
芙蓉:「この世で一番は俺様だからな。てめえなんざ届きもしねえ。」
   :「僕は・・・端的に表現すると、生きられなかった存在なんだ。」
芙蓉:少し目を見開き、それの方を見る
   :「少し、端折りすぎたね・・・僕は、詩的な表現をすると『生まれながらの罪人』とでも言えるだろうか。」
   :「『美』の極限に達したが故に、誰にも覚えらやしれない。・・・存在できない。」
芙蓉:「はッ。美しさは罪、ってか?」
   :「・・・かもしれないね。」酷く寂しげな声で、「それ」はいいます。
芙蓉:「なら俺はとっくに存在という領域を超えて神様にもなってらあな。」椅子に足をかけてドヤ顔で遠くを見つめる
   :「ふふ。」芙蓉さんの様子を見て、「それ」は随分と嬉しそうな様子です。
   :「それで、なんだけれど・・・あなたに、試して欲しいものがあるんだ。」
芙蓉:「俺様で試すなんざ度胸あるじゃねえか」でもちょっと興味ありげ
直訴(GM):「それ」は芙蓉さんの様子を見て微笑むと、分厚いカタログを持ち奥のテーブルへ誘います。
芙蓉:足を下ろしてどかっと座る。もちろん全裸さ。
  :「試して欲しい、というのは布地のことなんだ。現物をまずは持ってきたいんだけれど・・・何を作るかによるから、まず形を決めたい。この店は、オーダーメイドなんだ。」
芙蓉:「結局服ね…まあ俺様の肉体を最大限に活かしてくれるってんなら協力してやらんこともない。」
直訴(GM):カタログの中にはハット、コサージュ、ジャケットから、着物やターバンまで。様々な服の「型」が描かれていますね。
   :「全力で取り組む・・・いや、約束するよ。絶対に。」
芙蓉:「まあ頑張ってくれや」クククと笑うとカタログに目を通す
芙蓉:「形ねぇ。まあ着慣れてんのは着物だわな。」
   :「わかった。」芙蓉さんの言葉に返すと、カタログの着物の型に付箋を貼ります。
   :「それから・・・君の好きな色は何かな。」
芙蓉:「んー黒?」
   :「わかった。」ニコリと「それ」は笑います。
   :「それで、布地のことなんだけれど・・・」そういうと店の奥へ行くと、何かを取り出し再び芙蓉さんの前に戻ってきます。
芙蓉:「おう」
   :・・・「それ」の手には、確かに黒い布地がありました。しかしその布地は「それ」自身と同様、いやそれ以上に、ぼんやりとした印象を受けます。
芙蓉:「……それ、布?」
   :「うん。そして、僕の兄弟みたいなもの、かな。」
芙蓉:「いいのかいアンタの兄弟みてえなもんを俺に渡しちまって」にやにやしながら机に片肘をついている
   :「僕は・・・ここでしか存在できない。でも、この子は、この世界の外でも存在できるかもしれない。」
   :「ほんの少しの人でも良い。この布を服にして、外の世界に出して上げられたら・・・そう思って・・・」
   :「僕は、君を呼んだんだ。」
芙蓉:「……。」少し黙った後、頭を掻き、ため息をつく
   :「・・・それから、ここまできて言いにくいことなんだけれど・・・服を外に持ち出すには、代償が必要なんだ。」
芙蓉:「人選ミスじゃねえかねぇ……代償?」
   :「それは、君の記憶の一部・・・もしも、君がどんな記憶をもてばなしたくないのなら、僕は大人しく君を元の世界に帰す。」
   :「間違っては、いないと思う。僕はここで・・・たくさんの人たちを見てきたから。」
芙蓉:「てめぇがくれるっつーなら俺はもらっとくだけだ。記憶…。」
芙蓉:「覚えてないから別になんだっていいんだけどな。じゃあ親の記憶とかどうよ。俺様にゃあ必要ねえ記憶だ。」
   :「・・・いいのかい?」芙蓉さんに対し、それは弾けるような笑顔を向けます。
   :「よかった・・・本当に、よかった・・・・」
芙蓉:慣れない感謝の言葉に、目をそらす
   :「・・・ありがとう。それじゃあ、服を作るから、少し待っていて。」
直訴(GM):そういうと、「それ」は奥の扉に引っ込んでいきます。部屋には芙蓉さんだけになりましたね。
芙蓉:暇だね
芙蓉:椅子をぎいぎい鳴らしながら天井を見上げ、……
芙蓉:先ほどの「それ」を思い返す
芙蓉:ほんの少しだけ、その姿が自分と重なる気がして、眉間にしわを寄せた
直訴(GM):それでは芙蓉さんは部屋で待ち続けますか?
芙蓉:待ってます。椅子でぎいぎいしてる。
直訴(GM):それでは暫くすると、奥の部屋から「それ」が黒い着物を持ってやってきます。その着物の形は、布地のときよりも更にぼんやりとしているように感じられます。
芙蓉:ゆっくりと椅子に寄りかかっていた身体を戻し、それを見る。
芙蓉:「ほんと、てめえみたいな服な。」
  :「・・・そうだね。この子は、ここの外でも存在できると良いけれど・・・・」
  :酷く不安げな表情を、「それ」は浮かべます。
芙蓉:「そりゃあ俺の知ったこっちゃあねえなあ。だが、」
芙蓉:「この俺様に着られるんだ。ちょっとやそっとで失っちまうような粗悪品は困る。」
芙蓉:「あんたはそんなもんを俺に作ったってのか?」にらみつけるように見つめる
  :「・・・そうだね。君の服なんだ。きっと存在できる。少なくとも、この服を誰かが見ることができる。」
  :「それに何より・・・僕が作った服なんだ。」
  :「ありがとう、君には勇気付けられてばかりだ。」
芙蓉:「やめろ。気持ち悪い。」眉間のしわが濃くなる。
  :「ふふ。」にこりと笑います。
  :「・・・それじゃあ・・・そろそろお別れ、かな。代わりに、君の記憶をおいていってもらってしまうけれど・・・」
芙蓉:「いらねえいらねえ記憶なんざ。あっても邪魔になるだけだ。」
  :「・・・そういうもの、かな。それじゃあ・・・・」
  :「じゃあ、『それ』を貰うよ。……ふふ、うれしいなあ……僕も、“生まれていたなら”、……」
  :「大切なものを……有り難う。気を付けておかえり、……さよう、なら」
直訴(GM):「それ」は芙蓉さんに衣装を手渡すと、胸元の白いバラを抜き、そっと息を吹きかけました。
直訴(GM):それと共に花びらが散ったかと思うと、段々と芙蓉さんの意識は遠のいていきます。

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直訴(GM):それからどれだけ経ったのか、それとも一瞬の出来事だったのか。
芙蓉さんは気がつくと、草むらの中を覗き込んでいました。
芙蓉:「ん…?」
直訴(GM):草むらの中には、何もありません。周囲には普段どおりの森が広がっています。
芙蓉:「なんでこんなとこいたんだっけ…?」
直訴(GM):そして変わったところといえば・・・いつの間にか服を脱いでいる、ことでしょうか。
直訴(GM):しかし服を脱いでいるというのに、何かを着ているような、しかし苦しさを感じない感覚もあります。
直訴(GM):それから何かひどく大切なものを、失ったような、……奇妙な喪失感も、ぼんやりと頭の中に響いています。
芙蓉:「んん〜?」くびをかしげて自分の姿を見る
芙蓉:「ま、いいか」
芙蓉:拠点に鼻歌交じりで帰っていきます
直訴(GM):それでは、芙蓉さんはその奇妙な感覚と共に拠点へと消えていきました。
直訴(GM):というわけでIdler Tailorクリアです!お疲れ様でした!!!!
芙蓉:お疲れ様でしたー!!
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