Garden


羽化師の庭


参加者


GM.ソヨゴ
PL.ひよにし屋/市閑 要哉
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要哉:1d5+5 セーブ:攻撃上昇
DiceBot : (1D5+5) → 4[4]+5 → 9
要哉:1d10 耐久減少
DiceBot : (1D10) → 3
要哉:1d3+2 ロード回数
DiceBot : (1D3+2) → 2[2]+2 → 4
要哉:1d4+1 プレイヤー回数
DiceBot : (1D4+1) → 3[3]+1 → 4
要哉:スキル「星見の塔」、対象は解放で
GM:了解しました!
GM:それでは、『羽化師の庭』TPを始めさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!
要哉:宜しくお願いします!
GM:……
GM:……
GM:……
GM:あなたは、夢を見ている。
GM:はっきり夢だと分かっている。見知らぬ草原のただ中に、あなたは立ち尽くしている。
足元の翡翠は柔らかく靡き、視線の先に小さな邸がある。草原をとりまくように森がある。遠くまで続いている。
GM:ふと、あなたの耳許に、涼やかな春の風とは違う、けれどもよく似た柔らかい感触がして、目で追うとそれは一羽の蝶だ。
青い、蝶。 黒く縁取られた翅の。
蝶はひらひらと邸へ飛んでいく。あなたは誘われるように、その後を追っていく。
そうして、邸の、扉まで来た。
要哉:「……?」なんだここ。そう思いながら扉を開けてみる。
GM:あなたが開こうと手を掛けると、扉はいとも簡単に動いた。
何処からか、ピアノの旋律が聞こえてくる。
GM:これといって変わったところのない邸の内装が目に入ります。
真っすぐ通った廊下の向こうは白々と明るく、廊下を挟むようにして幾つかの部屋が並んでいます。
要哉:「聞き耳」でどこから聞こえるか掴めないかな
GM:聞き耳すると、ピアノの音色は廊下の向こう、……白々と明るい空間から響いて来ていることが分かります。
要哉:廊下を進んでみよう。まるで音に惹きつけられるように。
GM:あなたは惹き付けられるように、吸い寄せられるように、音のする方へ歩を進めていく。
GM:その先は酷く眩しく、近付いても一向に輪郭がはっきりとしない。どうやらそこも、部屋ではあるようだが、……
近付いていく。朝日を思い出す。夜を裂いて陽が目を射るような、……
GM:とうとうあなたは部屋の入り口に立つ。そこは、白いタイルと窓硝子に囲まれた、温室だった。
グランドピアノのそばに、一人の青年がいる。
要哉:……眩し過ぎるのは嫌いだ、あたたかいのも。淋しくなるから。
話しかけずに青年を幻視する。
GM:青年に幻視すると、……彼はピアノの前の椅子に腰掛け、軽やかな手つきで鍵盤を弾いていた。
つややかな黒髪に、真っ白な肌、青い瞳、……どうやら西欧人のようだ。彼の肌と見紛う白いシャツに、深い藍色のデニムを合わせている。
GM:あなたの視線に気付いたのか、彼がふと、こちらを見やる。鍵盤が止まった。
羽化師の青年:「……おや、……すみません。お客様が、いらしてたんですね」
要哉:「……俺、客だったの。何ここ」
GM:青年は問いには答えず、微笑みだけを返す。
席を立って、背後の丸テーブルへとあなたを促した。自らもまたそこへ腰かけ、テーブルに置いてあった白磁のティーカップを手に取る。
GM:その中身は、透明だった。やがてどこからか青い蝶が舞い、彼が口付けるティーカップの縁へ、二羽、三羽と留まる。
羽化師の青年:「ここは、……僕の、邸です。僕の庭」と青年は告げた。
要哉:「変なの」蝶の様子を眺めてから、自分も促された場所へ座る。
「……なんだかなあ」そう言って見た青年は、どこかで見たような、ないような。
GM:記憶を確かめるように、訝しげに見つめるあなたの視線に、青年はまたあるかなきかの微かな笑みを浮かべてみせた。
そして、唐突にこう告げる。
羽化師の青年:「……あなたは、……《終わる》のと《終わらせる》のだったら、どちらが、よいですか」
要哉:「終わらせる」はっきりとそう口にする
羽化師の青年:「……それは、」こくり、と一口飲んで。「ほんとうに?」
要哉:「本当だよ。俺はいつだって終わらせたい」
羽化師の青年:「僕の仕事は、“羽化師”です。繭から、蝶が飛び立つ、……あの羽化」
羽化師の青年:「人の痛みは、繭になるんです。身体の中に、心の奥に、……糸を吐き、渦巻いて」
要哉:はあ、と言おうとして止まる。
羽化師の青年:「痛みはやがてその人の中で、育ち、蝶になり、翅を伸ばす。宿主を食い荒らして飛び立つ」
羽化師の青年:「そうなる前に、……穏やかに羽化させて、解き放つのが、僕の仕事だ」
要哉:「……」「……それは、お節介だね」そう言って瞼を下ろす姿は綺麗で、どこか悲しげ。
羽化師の青年:「そうかもしれない」ふふ、と笑う。
羽化師の青年:「でも、僕のしていることは、何処かの誰かがしていることに、とてもよく似ているかもしれませんよ」
羽化師の青年:そう言って意味ありげに、青年はあなたを見つめた。
要哉:顔を上げ、青年にふっと笑う。「それで?どう羽化させるの?」
羽化師の青年:「……まずは、痛みに気付いてもらうこと。僕が無理に羽化をさせては、元も子もないですから、……安全に羽化させるには、宿主の自覚が必要です」
羽化師の青年:「宿主が奥底の、自身の痛みに気付いたら、……僕が、蝶を呼ぶ、……それだけです」
要哉:「痛み、ね」手持無沙汰そうに、骨ばった細指がテーブルの上を動く。まるで誤魔化す為に、何かを求めるかのよう。
羽化師の青年:「……僕の蝶がね、云うんですよ。あなたは本当は、《終わりたい》んじゃないかって」
羽化師の青年:「《終わらせたい》と、それが救いだと、願って動いているつもりで」
羽化師の青年:「それはあなたが《終わりたい》ことの、裏返しじゃあ、ないかって」
要哉:「……俺が言ったことは間違ってないでしょ」片手で頬杖をつき、余所を見る。見ないでとでも言うように。
「終わらせたいのは、俺自身もなんだから」
要哉:「終わりたい、だから終わらせたい」
羽化師の青年:「なるほど、」青年は目を伏せ、笑みを絶やさない。
羽化師の青年:「それでは随分、回り道ですね。肝心の自分を終わらせずに、他者を終わらせ続けるのですか」
要哉:「……幸せって嫌なんだ。手に余る、赤く染まるイメージが離れられない。
だから、時間があればあるほど自分から終わらせたくなる。
俺が俺を終わらせないのは、……心臓が止まっても、動かされるって知ってるから」
羽化師の青年:「……もしあなたが、本当に《終わらせたい》なら、それも結構。そのためのお手伝いも、僕にはできます。……けれど、」
GM:言って、青年は席を立つ。小さなテーブル越しに、そっと、あなたに顔を近付け、頬に手を伸ばす。
羽化師の青年:「もし、あなたにとって、《終わる》ことこそが真の願いなら、……あなたが望む通りの《終わり》を、あなたに、贈りましょう」
羽化師の青年:する、と彼の指があなたの、輪郭を撫でようと動く。
羽化師の青年:「どう、しますか?」
要哉:「……望み通りか」手を退けることも忘れて、瞳を揺らす。まるで置いていかれた少年のように。
「……」
「……呼吸を、止めてほしい。逃れられなくなるくらいに。どっかに溺れたみたいに、苦しくなってもいい。
それが無理なら、心臓を刺してほしい。止めてくれ」
羽化師の青年:青年はふわりと、夢のように柔く笑って、あなたの顔に自身の顔を寄せる。
羽化師の青年:「……遠い昔、別の生で、……僕は幼い頃、迷子になった弟をよく、探しに行っていたんだ」
羽化師の青年:「……君も、迷子か。よく似てる、……それじゃあ、」
羽化師の青年:「迎えに、いってあげよう」
GM:……次の瞬間。彼は、あなたに、そっと口付けた。
要哉:流石に驚いたのか、身を硬直させる。
GM:彼の唇から、あなたの唇へ、何かが蠢く、……それは、蝶だ。黒い縁取りに、青い鱗粉を輝かせる、蝶。
蝶の翅が咥内で割れる。鱗粉がざらりと、舌を撫ぜる、あなたの脳裏に、とある情景が浮かび、それはあなたの全ての感覚を支配した。
GM:(要哉、要哉、ーー)
あなたは暗い水の底へ、ゆっくりと、沈んでいく。
唇から漏れ出た泡が、水面へと昇り銀にきらめく。月が明るい。満月の晩だ。
息が出来ない。不思議と苦しくない。頭がぼうっとして、すこし、きもちがいい。
「要哉、」
ふと、懐かしい声があなたの鼓膜をあやすように揺らした。振り向く力もないままに、誰の声だったかと、思い出していると、
背後から、細く白い腕が伸びて来て、あなたの身体の向きを変える。目を凝らすと、それは、……
「お母、さん……?」
彼女は何も言わずに、泣き出しそうな笑みを浮かべて、本当に泣いていたのかもしれない、けれど涙は溶けて見えないから、……あなたをぎゅっと抱き締める。温かい、からだのぬくもり、
……あなたは自分が凍えていたと知る。氷が溶けていくように、心地よく凍えが解けていく。
「ごめんなさいね、さびしかったでしょう」
昔のように、頭を撫でて。
「迎えに来たわ」
二人、くらい、夜の底へと。泳いで、落ちて、眠りについた。
GM:……
GM:……
GM:……
GM:幻覚は、ゆっくり、覚めていく。
GM:あなたが瞬くと青年は、その手に小瓶を持っている。
底の方は黒く、上澄みにつれて菫色に変化する、透きとおった液体の揺れるその小瓶をあなたの手に握らせ、彼はそっと言葉を紡ぐ。
羽化師の青年:「これは、夢です。あなたが見たものは、まだ、あなたの望みでしかない」
羽化師の青年:「けれど、……あなたがいつか、終わりに相応しい瞬間を、得た時は。この小瓶の中身を飲んでください」
羽化師の青年:「きっと同じ死に方ができる。……僕が、そのように、しましょう」
要哉:「……」小瓶を強く握ると、その感触が伝わった。暗い笑みを浮かべる、けれど、落ちるのは涙。
「自分が浮かべた幻想って、一番質悪いよね」理想でしかないと分かっていても、中々離れなくてさ。
羽化師の青年:青年はあなたの涙をそっと拭う。さながら“兄”のように。
羽化師の青年:「欲しいものがあることは、悪いことじゃない、……何も無いより、ずっといい」
要哉:自分の兄が生きていたら、こんな感じだったのだろうか。
「……」「……?」兄以外の、誰かだろうか、知っているような、なんだっけ……
要哉:思い出せないままその青を見つめる。
羽化師の青年:「あなたが願うものを、届けるために、僕がいる。果たされない望みじゃないよ」
羽化師の青年:「あなたは僕を通じて、あなたを自身を、救うんだ。さあ、……もう、夢も覚める頃だから」
羽化師の青年:青年はあなたに、立つように促す。
要哉:言われるまま立ち上がった時、ズボンのポケットに指を滑らせ小瓶を入れた。
「おはよう、ね」
羽化師の青年:「……そう。“おはよう”、……気を付けて、帰って」
GM:青年がそう告げた刹那、あなたの意識はふっと遠のく。
GM:倒れていくあなたの背をまた、無数の蝶が抱きかかえ、柔らかく床に降ろしていく。
その心地よい浮遊感に、まどろむように、あなたは瞼を閉じた。
GM:……
GM:……
GM:……
GM:朝日が眩しい。
GM:目覚めたあなたの手には、見慣れぬ小瓶がある。黒と紫の透きとおった液体が瓶の内側で揺れていた。
要哉:その液体を眺める。まるで毒だ、自分を誘惑する優しい毒。
これを飲めば、きっと戻れなくなるのだろう。
嬉しいような、悲しいような――
要哉:「……?」
要哉:"だって、希望なんて" その言葉は、出てくる間もなく消え去った。
要哉:光が、今日も憂鬱な一日を告げている。
GM:誰かに、何処かで、出会ったような、……そんな感慨も、夢が消えていくと同時に自然と霧散していった。
窓を見る。日の明るさは、夢の中で見た白と、同じ色をしている気がした。
GM:おめでとうございます、シナリオクリアです!
GM:【ED】
要哉:お疲れさまでした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
要哉:好き
GM:わあいやった!! PL報酬は『Poison for Y』となります!!
最後に渡されたあの小瓶ですね。
要哉:いえーーーい!
GM:それでは自由解散! 楽しかったよありがとう
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