Garden


秘密の箱


参加者


GM.篠崎
PL.結捺/神坂怜
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神坂怜さん総評

「かなしみ」をしまって、目を逸らそう。
思い出したくない情報を捨て置くことは、上手じゃないか。
深い闇を見続けることは誰だって怖いさ。

あの時助けてやれなかった、怒りは誰に対するものだっただろうか。

いいや、やめだ。
あの子の話をしよう。
たとえ指さし笑われていても、君が「楽しい」と思えるなら、それは悲劇ではなく、喜劇だ。

視点の話をしよう。
本当は、私がそう信じていたいだけだ。

―――
まず、彼女の部屋の掃除の描写から。
>手帳やそれからまた別で書いたメモの整理をし始めますかね。
>メモが多い以外はわりとすっきりしていそう。

彼女は情報を書き記す癖があるようだ。
一度書き起こすことによって、脳から離れ、必要である情報をまた拾う事が出来る。
脳の使い方がうまい。切り替えの早さ、順応、情報整理力の表れ。

ただ、溢れるメモの多さは【捨てきれない未練】、【清算できない過去】もある事を表している様に見える。
引き摺るタイプだろう。
そして、思い出しては目を逸らす。


彼女は非常に丁寧だ。
そして、必ず順番を数える。
1、2、3、4
暗闇の中進むにも、何かが落ちてないか見る。
扉があれば聞き耳を立て、鍵が開いてるのかを確かめる。
これは探偵としての癖もあるのかもしれないが、開けた扉の向こうにまた、闇が広がっていても、何も言わず、息をするように君は【警戒】をするのだ。
これは【保身】の表れだろう。
自分も守れぬ人に、誰かを守ることはできないのだから。


次に、映画館ではまず安全経路の確認をしたね。
いつだって逃げ道を、何かあった時の対処法を置いておく。
君は常に展開の動く先を見ている。
チェスで一手先を読むように。
だが心の奥底にあるものは、【臆病】だろうか。
出口の無い迷路、思考を閉ざすこと、答えの無い問いに君は弱いのじゃないかな。


そして、映し出された映像を興味深そうに見る。
>ある意味ではそのライオンの心理を、その映画の登場人物の心理をその瞳で見ているかもしれない。
よく理解しようとする、踏み入り知ることの恐ろしさには警戒をしない。
パンドラの箱も好奇心で開けてしまいそうだ。一時の感情に流されてしまうこともある。
時折、酷く幼く見える。
彼女は形ないものへの恐怖心は、あまりないのかもしれない。
いや、恐怖よりも知識欲が上回ってしまうのか。
それは無謀であるか、勇気ととるか。


君は良く思考をする、そして素直である。
やむを得ない嘘はつけるが、正直でありたいのだろう。
価値観もすべて、いつも他人を基準にするね。
客観的で、優しい。その人にとっての一番を探す。
当然のようにそう動ける姿は、とても眩しく見える。
誰もが持ちえるものではない。


―――
君は舞台に<たのしみ>を置いた。
それは、"見てほしい" "知ってほしい"と思っている気持ちだ。

▼君はその子が、舞台に立つことを望む?
 大勢の前で指をさされたり、笑い物になってもいい?
 「…。その子が、そこを楽しめているのであれば…。それでいいと思い、感じれているのであれば…それで、いいのかも、しれませんね…。」

「それでも、その子が楽しいと思えるなら」
「悲劇ではなく、喜劇だ」
「少なくとも私はそう信じていたいから」

▽楽しみを感じるのは、読書をしているとき、人と話しているとき。そして、新たな知識を吸収すること。

答えるときも微笑んで、彼女は分かりやすい。
問いかけに答える時に、確かに笑うのだから。
沈黙も多く、分かりにくいと思われがちだが、素直で芯を持っている。
彼女は知識を得るのも好きだが、そんな自分を知ってもらいたいとも思っているのかもしれないね。


君は檻に<いかり>を置いた。
それは、"隠しておきたい"、あるいは"感じることに罪悪感のある気持ち"だ。

▼君はその子が、檻に入ることを望む? そこから一生出てこれなくて、一人きりになってもいい?
 「……出来ることならば、檻から、出してあげたいのですがね…。その子の居場所は、そこであるように…少なくとも私には、見えてしまいました、かね。」

「出来ることならば、ハッピーエンドをあげたい」
「だが彼女は映画を思い出しながら答えた」
「自分が何もしてあげられない事を、無力であること知っている」

▽怒りを感じるのは、自分の無力を実感したとき、守れるものを守れなかった時、すぐそこにあった手を掴めなかった時。

全て、本当に体験したからこそ出る言葉なのだろう。
記憶はなくとも、その時の感情を体は覚えている。
そしてまた切なそうに目を逸らす。
今もまた頭の隅に眠ったまま、救われなかった相手の方が辛いのだと、自分が涙を流すことに罪悪感を、怒りを覚えているのかもしれない。


君は青い草原に<たのしみ>を置いた。
それは、"君にとって叶わない願い"だ。

▼君はその子が、自由になるのを望む? 君の手を離れていってしまっても、いい?
 「この子が…自由でありたいと、そうあったのなら、止める権利は私にはありません…。置いたのは私かもしれませんが…置くべきは、この子だと思いました、かね…。」

「権利は自分にはない」
「手を離したのは私かもしれないが、離れていくのはこの子だ」
「来るものは拒まず、去るものは追わず」

▽喜びを感じるのは、誰かの力になれた時、守る事が出来た、知らせる事が出来た、教える事ができた、話し相手になってあげれた。他愛のないことでもいい。私の力で、誰かに何かを届ける事が出来た時、繋ぐ事が出来た時。
彼女はここで、今までにないほどに饒舌になる。
目を背けたくなるほどに良い子なのだ。
そしていつも、人のために泣くのは良い子、騙されてしまうのもまた、良い子だ。
だがきっと彼女は、騙されたことを嘆きはしないだろう。
それを受け入れ、それでも一時はあなたの力になれたのだと笑う。そんな君だ。


そして、最後に残した<かなしみ>は、君の"取り戻したいもの"だ。

本当はあるのに、表にはださない。
目を背け、他の人の悲しみを汲み取ることは上手なのにね。
随分と長く目をそらしてきた、また自分の視点で素直にみるのは少し怖いのかも。

君は最後に、「いかり」と「かなしみ」のぬいぐるみを瞳を細めてやわく撫でながら一度だけ「…あなた達の…本当に居るべき場所は、どこだったのでしょうね…。」と。

いつも迷いながら進む、怒ればいいのか泣けばよいのか利口であるが、答えはいつも頭を悩ませて探しているのだ。
常に、最善を。
苦悩する姿は、とても人間らしい。
この子は賢くて、鈍くもある。

>記憶が残っているからだろうか、色々な事が頭を駆け巡り、なぜか酷く悲しいような…ふと泣いてしまいそうな。
>そんな気持ちなのに、相変わらず自分は涙を流せない事に気づいて、また別の悲しみを感じながら。
>一つ息を吐いて、ゆっくりと起き上がる。
>窓に薄く映る自分を見て、一度瞳を閉じる、また瞳を開いたとき、うっすらと映る自分の瞳からはもう悲しみの色は読み取れなくなってしまっただろう。

彼女は悲しみを、上手に胸の奥底にしまった。
事実から目を背けること、必要のない情報をシャットアウトすることには、長けている。
また相手の視点を読み取ることは、もしかしたら自分自身から目を背けるためなのではないかと思う。

―――
神坂怜は、相手のためなら自身の犠牲も厭わない。
書き記し、全てを拾っていこうとする。
いつも物事を冷静に対処しようとする、落ち着いて考え、最善手を打つことに重点を置く。
過去があるから今の自分があり、今の自分もまた過去になり、そして歴史は繰り返されると。
長い目で物事を見れる。
賢い人だ。

自分を殺していることには気づかないまま。

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