Garden


秘密の箱


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.千穂/レサト
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レサトさん総評

まず、映像を見て彼が抱いた感想が興味深いものでした。
彼自身は一切感情移入をしなかったようで、
ただただ、哀れな動物が、哀れに死んでいく様を見せられた、と受け取りました。
自分の期待していたような、なにか新しい発見ができる映像ではなかったため、
わざわざそんなものを見せられたことに対して、退屈に思ったようです。

また、心の内を探られるようなこの事象にも、不快感を示しました。
「ふうむ…なんだか心の内を探られるようで、少し…不愉快だね」

彼は<いかり>の感情以外をもてあまし、置き場所を二転三転させました。
最初に<舞台>に置かれたのは<よろこび>の感情。
哀れな動物にはお似合いだよ、と彼は述べています。
次に<草原>に<かなしみ>を置くものの、否定し撤回。
<かなしみ>は<檻>の中へと置かれました。
自分の手を離れるのは困る、と彼は述べています。

その後やはり入れ替えても良いか、と彼は尋ね、再び人形の位置を変更します。

<いかり>を<舞台>へ、<たのしみ>を<檻>へ、<よろこび>を<草原>へ。
そうして一度は悲しみを自身の手の中に残しましたが……

「一度置いてみたがね、手放すことのできないものはこれだ、と再確認したよ」
そう告げると彼は<かなしみ>を<檻>へ、<たのしみ>を<舞台>へと設置。
手元には<いかり>を残しました。

<いかり>こそ彼のアイデンティティの核であるのかもしれません。
彼は<いかり>以外のどの感情も自分のものだと確信出来るとは述べず、
本当は<いかり>を全てに置いてしまいたいとも述べたからです。

不安定な自己確立の為の手段かもしれませんね。
しかし、本当のところは知る由もありません。
それは彼にだけ手渡された、秘密であるからです。

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それではまず冒頭の鍵の扱いから評していきましょう。
 >下手に触ると何か起きそうだ
慎重な……もっといえば臆病な気質が伺えるように思えます。
しかし、彼は結局「誰かの忘れ物かもしれない」と目につく場所に置き直しています。
これは彼の「真面目さ」を表している、ともとれます。

銀の鍵が「自分のものかもしれない」という推測に至った時、彼は微笑んでいます。
不可思議な現象よりも、それを探求出来る資格が自身にある事を喜んだのかもしれません。
そうして彼は積極的に鍵を差込み、迷う事なく扉をくぐっています。

映しだされた映像について評しましょう。
最初こそ楽しげに上演を待っていたものの、内容にはがっかりしてしまったようです。
感情移入を行わなかった、というよりは行えなかった、に近いと私は評します。
そしてまた、知的好奇心を以って時間を割いたにも関わらず、
それが満たされなかった事に対して不満を持っている様子を見せています。
感情を排し、知的好奇心を満たす事を優先している人物だと言えます。

白い部屋に入ってからの行動に関して評しましょう。
>「ふうむ…なんだか心の内を探られるようで、少し…不愉快だね」
後述しますが、自身自体も自らの感情の扱いに困っているように思えます。
そのような不安定な内情を抱える彼にとって、
むやみに他人から心の内を探られる事は、恐ろしい事なのかもしれません。

<よろこび>の感情、最終的には<たのしみ>の感情を<舞台>に設置しています。
これは彼の「振る舞うべき像」を表しているとも捉えられます。
>「あのライオンもこの舞台に立てていたことが喜ばしかったんだろう?哀れな動物にはお似合いだよ」
>「人にふるまうべきはそういった感情だろうさ、誰かを縛ったりするものじゃないから」
人間を哀れな動物と評しているようにも思える発言のように受け取りました。
また、「振る舞うべき」といった言い回しをしている点から、彼の本質はここにはないように思えます。
日常生活を通常通りに送るための、彼の自衛としての仮面なのではないでしょうか。

<たのしみ>の感情、最後に<かなしみ>を<檻>に設置しています。
最初は<かなしみ>は草原に置かれていましたが、
「君の手を離れていってしまっても、いい?」という質問に、彼はこう答えています。
>「ん?ああ。それはちょっと違うな」
>「オレの悲しみはそこにあってほしいな、檻の中に。」
>「自分の手を離れてどこかへいくなんていうのは、少し困る」
悲しみという感情についてはある程度の思い入れや執着があるようで、
手元に近い場所に置く、もしくは閉じ込めてしまおうとしています。
怒りの次に、彼にとっては大事な感情だと言えるでしょう。

<かなしみ>を、撤回し次いで<よろこび>を<草原>に設置しています。
<たのしみ>と<よろこび>の区別が彼の中では希薄であるのかもしれません。
特に執着がない、と言えば違うと言えますが、彼にとって自分には余る感情なのかもしれません。
何度も変更している点から推測するに、この感情を巧く処理出来ていないのではないでしょうか。
>「真の喜びというものを、オレは知らないのかもしれない」
本人もこう述べている事から、自身の感情に対し向き合う事が不得手なのかもしれませんね。


以下勝手な総評となります。

臆病さと慎重さを持ち合わせた知的好奇心に突き動かされる学者気質の少年です。
他人に仮面の内側、つまりは心の内を知られる事を嫌がり、模範的行動を心がけている様子。
彼が扱う感情の中で最も形あるものは怒りであり、次いで悲しみにも執着を示しています。
どの人形もおざなりには扱っていないことから、明確にそれらを感じられないながらも、
自身の中にあるものが整理出来ない事に苛立ちを感じる気質を持っているのでは、とGMは感じました。
明確に自身が認識できる<いかり>を最終的に選んだ事から、
ふわふわとした確実性のないものを厭う性質があるとも言えます。
自身すらも、彼の研究の対象なのかもしれませんね。
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