Garden


秘密の箱


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.千穂/レサト
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GM:貴方は拠点の自室を、掃除していました。綺麗好きで几帳面な貴方のことですから、見慣れないものがあればすぐに気がつく事でしょう。
書物が並べられた机の引き出しの中に、手のひらほどの大きさはあろうかという銀色の鍵を発見します。
こんなもの、手に入れた覚えはありませんし、誰かが悪戯をしたにしては、
……特に、この拠点に居住している人々にしては大人しすぎる悪戯に思えます。
今までも見覚えのないものを持ち帰ってきた経験はあれど、こればっかりはさっぱり覚えがありません。
使い道も、使い処も、さてはて検討がつかぬといった具合で、貴方は不思議だと首を傾げる事でしょう。
レサト:「んむ?なんだろうか。・・・下手に触ると何か起きそうな気もするな・・・」
んーとちょっと悩んだ後、そのまま引き出しの中に置いておきます
「いや、しかし誰かの忘れ物をどこかで預かったのかもしれない。わかりやすい所に置いておこう」
と、思い直して棚の上の見える位置に置きます。
GM:眺めれど答えが出る筈もなく、貴方はその鍵に触れる事を一旦やめました。
しかし、思い直した貴方の手によって棚の上の見える場所へと鍵は置き直されました。
いつか、どこか、だれかに預かったかもしれない、正体の分からぬ鍵。正体を知らずとも、……やはり、夜はくる。
……そう寝苦しくはない夜、
本をひと通り読み終えて栞を挟んで閉じる。
穏やかに押し寄せる微睡みの波に身を任せれば、貴方の意識はゆっくりと夢の世界へと沈んでいきます。
レサト:すやすやと眠りにつきます
GM:薄れた意識が浮かび上がる。
けれど不思議と夢だと分かる暗闇の中で、ぼうっとひとつの扉が浮かび上がります。
辺りには、それ以外に目ぼしいものは見当たりませんが……貴方の掌の中には、あの銀の鍵。
レサト:「おや・・・ふふ、オレの持ち物だったということかな?」 少しほほ笑んでその鍵を見ます。
GM:鍵はどうやら、この扉を開くためのもののようですね。
レサト:「さて、用意されたとあらば、進むべきはオレ自身なのだろう?」 と、鍵を扉に差し込みます。
GM:重たげな音と同時に鍵が廻る。
そのままに扉を開けば、貴方の意識は暗転します。
闇の中に落ちていくような感覚だけが貴方を包み、やがて――
GM:【Inside Heart】
GM:目を開く。
目の前に広がるのは少し黄ばんだスクリーン。
貴方の身体を支えているのはふかふかの赤い椅子、そして肘掛け。
膝にはポップコーン、ひざ掛けに用意されたボトルケージホルダにはコーラと、至れり尽くせりです。
周囲を見渡して見れば、同じような造りの椅子が半円状に並んでいますが、座っているのは貴方一人です。
からからと回る映写機の音、何処か懐かしいようで遠い匂いから推測するに、ここは映画館のようですね。
レサト:「・・・何が始まるのかな」 少し楽しげにスクリーンに映像が映し出されるのを待ちます。
GM:さて、貴方が大体の状況を飲み込んだ頃合い。
ビーッという開幕を知らせる音と同時に、ばつん、ばつん、と辺りの照明が落ちていきます。
スクリーンの幕が完全に上がり、やがて……映像が映し出されます。
GM:映し出されたのは、サーカスの舞台で活躍するライオン。
ライオンは人気者でした。観客からの歓声を一身に浴び、彼は輝いていました。
しかし、ある日ライオンはえさを与えられず、お腹がすいて、ひどく気が立っていました。
その日のショーで、ライオンは人を噛んでしまい、檻に入れられてしまいます。
檻の中でぐったりしていると、支配人がやってきます。
いわく、3日後には自分は銃で殺されてしまうのだと、ライオンは知りました。
ライオンは夢を見ます。草原を自由に駆けている自分の夢です。
……そんな物語が、スクリーンには映し出されました。
……貴方はこの物語を見てどのような感想を抱いたでしょうか……?
レサト:「哀れな話だな」 少し期待外れだ、という顔をしていますね
レサト自身は一切感情移入をしなかったようです。ただただ、哀れな動物が、哀れに死んでいく様を見せられた、という感覚の様子。
自分の期待していたような、なにか新しい発見ができる映像ではなかったため、わざわざそんなものを見せられたことに対して、退屈に思ったようです。
GM:期待外れだ、そう……貴方が思ったその時。
そのライオンの姿はゆるりゆるりと形を変え……「貴方自身」へと変貌を遂げてしまいます。
さて画面が暗くなるとこれで上演は終わり、終いだと言わんばかりに薄明かりすらちかちかと明滅して消えてゆきます。
闇に包まれていくなか、今まで居なかったはずの観客――とはいえ白んだ人型の何かですが――が席を後にして去ってゆきます。
貴方が席を立とうとするのと同時に、館内は完全に闇に包まれ、貴方の意識は再び断絶します。
……目を開く。
あの薄暗かった映画館とは違い、真っ白な四角い部屋の灯りは目に痛い。
やはり、此処でも人影は貴方ひとりだ。
……して、目の前にはライオンのぬいぐるみが4つ。
それぞれ、「よろこび」「いかり」「かなしみ」「たのしみ」と札が首に下がっています。
レサト:「ん・・・」 まぶしいな、と目を細めて。 「さて、何をすればいいのかな・・・」 ライオンのぬいぐるみを見ながら思案します。
GM:貴方がそう思案していると、部屋の中に穏やかな声が響きます。
「その子たちを、君が正しいと思うところに置いてあげて。
 君が思うまま、君の気持ちにだけ正直に答えてね。
 ……そうして、きみがどうしても 自分の手に残したい気持ちだけ、持っておいで」
「ちゃんと置いてあげられたら、道を教えてあげる」
それだけ言うと声は途切れてしまいますが、目の前に、サーカスの舞台、鉄の檻、青い草原のセットがあらわれます。
それぞれのぬいぐるみをそれぞれのセットに置くことができるようですが……。
レサト:「ふうむ・・・なんだか心の内を探られるようで、少し・・・不愉快だね」 そういうとははっと笑います。 
レサト:「まあ、そうしないと帰れないというなら、従うさ」
GM:さて、声の主は答えません。どうしましょうか……?
レサト:ではまず喜びの人形を手に取り、ぽんぽんと手の上で転がします。
レサト:「この気持ちがオレにとってどんなものであるか、ねぇ・・・」 薄笑みを浮かべながら思案顔。
レサト:ではそれをサーカスの舞台に置きます。 
GM:「君はその子が、舞台に立つことを望む?
 大勢の前で指をさされたり、笑い物になってもいい?」
レサト:「ああ。そうだね・・・喜ばしい時なんて、そんなものも目に入らないだろうし。あのライオンもこの舞台に立てていたことが喜ばしかったんだろう? 哀れな動物にはお似合いだよ」
GM:「そうかい?ならば、その人形はそこに置いてお行き」
レサト:「ああ。じゃあ、さて、次だね」
GM:鉄の檻、青い草原のセット。残るは「いかり」「かなしみ」「たのしみ」のライオンたち。
レサト:目を伏せて笑みをつくりながら人形を眺めます。妙に楽しそうな顔。
「オレ自身について、というと、あまりピンとくるものはないんだがね」
「いかり、について以外だけどね」
「あのライオンの事を思うなら・・・」と、悲しみのライオンを草原へ置きます。
GM:「君はその子が、自由になるのを望む?
 君の手を離れていってしまっても、いい?」
レサト:「ん?ああ。それはちょっと違うな。じゃあこっちだ」 檻に悲しみをうつします
GM:「……そう。 君はその子が、檻に入ることを望む?
 そこから一生出てこれなくて、一人きりになってもいい?」
レサト:「ああ。ライオンがどうだったかはわからないけれどね・・・、オレの悲しみはそこにあってほしいな、檻の中に。」
「自分の手を離れてどこかへいくなんていうのは、少し困る」
GM:残るは青い草原と、「いかり」そして「たのしみ」。
レサト:少し悩んだ後、いかりのライオンを手に取ります。
 「正直なところ、どの場所にもこれを置きたいんだがね、オレはこの感情ぐらいしか、自分のものだと思って感じたものがあまりないんだ」うーんと悩みますね。
「よろこびもたのしみもかなしみも知っているはずなのにね」
「いざ自分の手に渡されると、どう扱っていいか迷うね」
GM:「それでもそのライオンたちは、きみのものだよ」
レサト:「ふむ・・・」
レサト:「置き換えてもいいかな」 というと、彼はいかりをサーカスの舞台、たのしみを檻の中へ、よろこびを草原に、そして悲しみを手元に残しました。
GM:「いかりは舞台に立ち、人々に指をさされる。
 たのしみはずうっと一人になってしまう。
 よろこびがきみの手元に戻ることはきっとない。
 ……それでも、いいかい?」
レサト:「んん・・・やはりそこにいるべきはこの子だね」 かなしみを檻に入れて、たのしみを手元に残します。
GM:「かなしみを一人に、檻にいれておくのだね」
レサト:「ああ、それで間違いない。ずいぶん迷ってしまって、すまないね・・・あとは、こうだ」 サーカスの舞台に楽しみを置き、いかりを手元へ。 
 「一度置いてみたがね、手放すことのできないものはこれだ、と再確認したよ」 苦笑しています。
GM:「そう……きみの手元に残るのはいかりなのだね」
レサト:「ああ。これはオレの矜持だよ」
GM:「君はサーカスの舞台に<たのしみ>を、 鉄の檻に<かなしみ>を、青い草原に<よろこび>を置いたね。
  ……この答えに迷いはないかい?
  あるいは、迷いを持ったまま進むのもいいだろう。 準備ができたら、そこをくぐっておいで」
GM:声が響くと、ぼうっと扉が現れます。
 置いた人形について雑感があるのならば、述べるのもまた良いでしょう。
レサト:「ありがとう。じゃあ、行こうかな」 
GM:扉をくぐれば薄暗がり、転じて真っ暗闇の中へ。
先んじて路をゆくのは一つ目をぎょろりと貴方に向けた蝙蝠。
それを追いかけてゆけば、暗闇の中にぼんやりと、サーカスの舞台に立つあなたが見えてきます。
GM:「きみがあそこに置いたのは、ほかの人にもっと "見てほしい" "知ってほしい"と思っている気持ちだよ。 君は<たのしみ>をそこに置いたね」
GM:「舞台に立っている君は、 <たのしみ>でいっぱいで、笑顔を振りまいているね。
 たのしさで心が弾んで、つい笑顔になってしまう。
 君はこの気持ちをみんなに知ってほしくて、うきうきしてるみたいだ。
 観客の人たちも、 君のその楽しそうな姿を見て、心が躍ったことだろうね」
レサト:「へえ、まあ、そうだね。人にふるまうべきはそういった感情だろうさ、誰かを縛ったりするものじゃないから」
GM:「……教えてほしいな、 君はどんな時に<たのしみ>を感じるかな?」
レサト:「人であれ、何か知識であれ、出来事であれ・・・新しいものに触れられた時かな」
GM:「成る程、君は知識を求めるひとであるようだね」
続いて、檻の中にはいっているあなたの姿が見えてきます。
「きみがあそこに置いたのは、
 "隠しておきたい"、あるいは"感じることに罪悪感のある気持ち"だよ。
 君は<かなしみ>をそこに置いたね」
GM:「檻に入れられた君は<かなしみ>に震えている。
 閉じ込められている理由はわかっているし、理解もしている。
 けれど、この悲しみは消えることはない。
 君の涙はもうとっくに枯れてしまったね。
 周りの人も君に同情はしているが、
 なすすべがないのだろう、みな近寄ろうとしなかった。
 君の<かなしみ>はそうやって隠されているみたいだね」 
レサト:何故だかその言葉を聞いて、一筋涙をこぼします。
「へえ・・・罪悪感ね。感じたことはないが・・・そもそもオレにとってそれがどんなものであるか、まだよくわからないんだ」
「ただ、誰かに知られたいことではないかな」
GM:「……そう。
 いつかその涙をすくう時がくるかもしれないね……
 さあ、先をゆこうか」
続いて見えてくるのは、青い草原を駆けるあなたの姿。
「きみがあそこに置いたのは、"君にとって叶わない願い"だ。
 君は<置いた人形>をそこに置いたね」
「青い草原の君は、走り、飛びまわり、 <よろこび>を体いっぱいに表している。
 君は、そんな自分の姿に、あこがれ、胸を焦がしているんだ。
 同時に、この気持ちを、心のどこかで 叶わない願いだと感じているようだね。
 このよろこびを感じることができたら。
 それを知ることができたら。
  君はその<よろこび>を、いつか手にできることを夢に見ているんだよ」
レサト:「・・・そうかい?よろこびを感じることは割と多い気がするけれどね。
 まあ、それも不純な動機といえばそうだろうから、真の喜びというものを、オレは知らないのかもしれない」
GM:「……そう。真のよろこびとは、難しいものだろうね。
 今は手の届かないものかもしれないけれど、君がいつのひかそれに出会える事を祈っているよ」
レサト:「ああ、ありがとう」
GM:「さあ、最後だよ」
「君が最後に手にした、 その<いかり>は、君の"取り戻したいもの"だ」
「……おれは、心を食らう悪魔。君の心のことを知りたかったんだ。 教えてくれてありがとう。
 ……お礼に、おれから手渡すものがある」
「その箱に人形を入れて、君が持っているはずの鍵で、
 その箱の鍵をしめてくれ。銀色の鍵だよ」
 あなたの目の前には小さな箱があらわれます。
 鍵をかける穴がついていますね。
 あなたの手には、ここに来るときの扉で使った鍵が握られています。
レサト:「ふふ。腹ごしらえというわけか、協力できてなによりだ」
 言った後、人形を箱に入れて鍵を掛けます。
GM:「それは、"秘密の箱"。 どうして君が<いかり>をのこしたかは、答えなくていい。
   ──君にだけ、その秘密は明け渡される」
箱に鍵をかけると、かちゃりという音と確かな手応え。
それを貴方が感じ取るとほぼ同時に空間に亀裂が走りゆき、そこからやがてぼろぼろと崩れていきます。
足許が浮き上がり、ふたたび微睡みの闇の中へ落ちていく感覚。
――そして再び目を覚ませば、そこはいつもの、拠点のベットの上。
ひどく、不可思議な夢を見た気がします。
しかして、いつものように「そこであったであろう出来事」はすべて忘れてしまっています。
代わりに、<いかり>の記憶があなたの心のうちから浮かび上がり、鮮やかないろを以ってその存在を誇示しています。
レサト:欲しかったものは、これだよ。と、にこりと、笑っています。

GM:お疲れ様でした!スキルポイント50pt+自身の<怒り>についての記憶 を取得します。
レサト:ありがとうございましたーー!
GM:GMはステータスポイント3をかっさらっていきます。
レサト:どうぞどうぞ
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