Garden


無題


参加者


GM.篠崎
PL.ひよにし屋/市閑要哉
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GM:では、これからインスタントシナリオTP「無題」をはじめますよん
GM:よろしくね
市閑:よろしくお願いしまっす
GM:さて、いつも通りの日常の中。そう、何の変哲もないある日の事。
探索者は自室の、いやまたどこか別の部屋の、何にせよ、「扉」をいずれ開くこととなるだろう。
GM:けれど、その先にあるはずの見慣れた景色は無く。
視界に入ったのは、その先にたたずんでいたのは、大きなカンバスに筆を走らせる少女だった。
GM:【Joy&Pain】
GM:扉の勝手に閉まる音、気づけば君は一歩足を踏み入れ、その少女に惹きこまれるように部屋に立ち入ってしまっていた。
GM:開いた窓から吹き抜ける風はカーテンを揺らし、見える枝には小さなつぼみがついている。春がもう近いのかもしれない。
カンバスに向かう少女:少女は君に気づかない。
市閑:ちょっと考え込んでから、何を描いているのだろうと覗きに行きます。
カンバスに向かう少女:そのカンバスに描かれていたのは、思わずため息をついてしまうほどに完成された「絵画」。
花に包まれるように死んでいる、表情の未だ書かれていない人物の絵。
市閑:少しその絵に興味を持って「何でこんな絵描いてんの」と話しかけます
カンバスに向かう少女:「!、」声に驚いて振り向きます。この時初めて少女と目が合いました。
「……好きだから、かな」すぐにカンバスに視線を落とし、どこか切なそうに答えます。
市閑:「それだけ?」自分もまたカンバスに目を向け
カンバスに向かう少女:「もっと、何かあったのかもしれないけど…思い出せないな、」先ほど縫ったばかりの赤い花の部分を指でなぞります、勿論乾いていないためにカンバスに滲んでいく
市閑:「ふうん」周囲を注視します
GM:地面には新聞紙が引かれており、チューブやパレットが転がっていたり、色が所々に飛び散っている。
壁にはいくつかエプロンがかけられていたり、乾かしているであろう絵がいくつか立てかけてあったりと、言うなればまさに画家の部屋だ。
部屋には扉があるが、ノブが壊れかけている。開けたら最後取れてしまいそうだ。
市閑:新聞に注視を
GM:絵の具が床につかないように地面に敷かれているけれど、その中に一つ気になるものを見つけたよ。
「リコリスの君へ」記事の内容は絵の具に塗れてよくは読めないけれど、少女の画家が展覧会を開き、世に絶賛されていると言う内容は読み取れる。
市閑:「リコリスの君へ」「お前有名なの?」
カンバスに向かう少女:「懐かしい、昔の話」少女はピクリと、筆を一瞬止めます
市閑:「昔?」
カンバスに向かう少女:「…ああ、今じゃきっと、もう誰も覚えてないんじゃないかな」
市閑:「そんなに小さい時の話だったの」
カンバスに向かう少女:「潮が引くのは、思っているよりも早いことだよ」壁に掛けられている数点の絵画を少し見やると、一拍置いてから今度は少女が問いかけます
「君は絵は好き?」
市閑:「絵はどっちでもいいけど、この絵は好きかもしれない」
カンバスの赤い花を注視します。
カンバスに向かう少女:「…そっか、嬉しいな」そのカンバスに描かれていたのはリコリス。けれどもう指に滲み、これでは絵としては値が付けられない作品となってしまっている。
市閑:「……何で駄目にしちゃったのさ」滲んだ部分を眺め。
カンバスに向かう少女:「……あたしが描きたいのは、」そう小さくこぼした。
ふと、部屋にある他の絵画を見ても美しい作品は全て未完成ということが分かる。そして、影に隠れるように、枠のひしゃげたカンバスがいくつかあるね。
市閑:他の絵画を注視します。
GM:手前に置いてあるのはやはり、どこか美しさ、儚さを表現したいわゆる人の情に訴えかけるようなも作品である。
GM:しかし、その数点の裏に隠される様に置いてあったのは、目を背けたくなる程の人間の暗部を表したような風刺画だった。
ハンマーで殴られたようで、枠はひしゃげ、所々に穴があいている。
市閑:「……お綺麗なものと、普通に嫌になりそうなもの、どっちが好きなのさ」風刺画を眺めながら訊ねます。
カンバスに向かう少女:「どっちも好きだよ。…けれど、あたしにとってより良いものと残したかったのはそっちだ、」風刺画に手を伸ばします。
市閑:「何さ、認められなかったから壊したの?」少し、笑うように。
カンバスに向かう少女:「ううん、あたしじゃないよ 人に」
市閑:「酷い事するねえ」何かを馬鹿にするように、また笑い、「他人なんてほっといて好きなもの描けばいいのに」
カンバスに向かう少女:「…うん、けれど、何度も描いて、また壊されるのももう疲れてしまったんだ、」少女は脇に立てかけてあったスケッチブックを取り出し、要哉君を見ながら筆を走らせます
「暗い目、表現するのが難しそうだ」はは、と笑いかけます
市閑:「……、おれを描くの?」首を傾げ
カンバスに向かう少女:「……どうだろう、完成できるか、自信はないけど、……ねえ、君にとって「自由」ってなんだと思う?教えてほしいな」
市閑:「……」少し虚ろに表情を無くす。まるで、奥底から声を出したかのように、低く、暗く。「完全に死ぬことかな」
カンバスに向かう少女:「死が、自由?…哀しいことを言うんだね。……ずっとそう、思って歩いてきたの?」
市閑:「さあ?忘れちゃったし」そう呟きながら、思い出せている過去を脳裏に過らせて。
カンバスに向かう少女:「そう。その変わったマフラーにも、意味があるのかな」少し緊張もほぐれたように笑います
「何だか歪な君が好きだな、…そうだ、良かったら君の覚えている過去の事と、これからの未来の話を聞かせてよ」
市閑:言葉を詰まらせます。
市閑:「……初対面に教えるほど、あれな性格はしてないんだけど」
カンバスに向かう少女:「いいのさ、名前も知らない相手で居ようよ。潮が引くように、誰かに話したこともきっとすぐ忘れてしまうよ」
市閑:「……」困ったように口ごもる。まるで、口を開いた瞬間崩れ落ちてしまいそうに、何かが痛む顔をして。
カンバスに向かう少女:「…口にしてしまった途端、安っぽくなってしまいそう?」
「少し意地悪をしてしまったかな、ごめんね。とにかく、君の事が知りたかったんだよ、」
市閑:「そういう訳じゃないけど」目を瞑って溜息を吐き、少女が描いていた絵を眺めていく。
「……中途半端なやつ、何か一個くれるならいいよ」
カンバスに向かう少女:「…貰って、くれるの?」少女は瞬きをする、驚いたように顔をあげるね
市閑:「いいよ?」首を傾げて。
カンバスに向かう少女:「好きなの、いいよ」と嬉しそうに笑います
市閑:「今描いてたやつはまだ描くの?」
カンバスに向かう少女:「ううん。また別のを新しく描こうかなと思ってるよ、何だか次は上手く描けそうな気がするんだ」
市閑:「じゃあその描きかけ貰う」「さっき哀しいとか言ってたけど、おれ、死は好きだよ」
椅子他にないかな、と周りを探します。
GM:椅子は端の方にありますよ。
市閑:持ってきて側に座ります。
カンバスに向かう少女:「…死が好き、か。あたしは死ぬことは怖いや」描きかけのカンバスを降ろし、要哉君に渡します。
また新しいカンバスを持って来て、パレットに絵の具を乗せていく。
市閑:地面に立てて、両手を貰ったカンバスに置く。
「その怖さも死んだら感じなくなると思うんだよね」「……どの記憶がはじめだっけな」
カンバスに向かう少女:「…うん、」少女は君の言葉を待ちます
市閑:「最初は、……平和だったんだよね。赤ん坊の妹がいて、笑ってくれる親が、……いて」
一度口を閉じ、何度か瞬きを繰り返してから、何かを抜き落としたかのように、再び表情を消す。
「……いつからか知らないけど、喧嘩するようになったんだよね。うるさいし、妹は泣くし、おれはゲームばっかりやってるし」
カンバスに向かう少女:「ゆっくりでいいよ、……」少女は頷きながら聞いています
市閑:「……」聞こえなかったかのように、続ける。
「あれ、結局離婚したのかもね。
おれの側には母さんだけがいてくれるようになった。母さんは、……、優しかった、気がする」
市閑:「……。殺されたけどね」
カンバスに向かう少女:「………、」は、と息を飲みます。
市閑:「暗くなった部屋で、一人刺されて、また一人。更にもう一人死んで、」
市閑:無機に、淡々と、喋り始める。
「最後に父親になってくれた人が刺され続けて」
「……ああ、助けを呼びに行ったんだっけ。従兄妹一人置いて行って」
「あれ、どうなったのかな。次の記憶葬式が終わった直後なんだよね」
カンバスに向かう少女:「…みんな、居なくなってしまったの?」
市閑:「従兄妹が生きてるかもしれないし、生きてないかもしれないけど、知らないや」
「妹ならまだいる筈だよ。成長したあいつと喋ってたし、おれが殺し損ねたもん」
カンバスに向かう少女:「…それが君が死を望む理由?……」カンバスには黒い黒い絵の具をのばしていきます、中心に横たわるように、人の輪郭を遺したまま。
市閑:「親が待ってるし、生きてることからも解放される。そういうことだよ」
口元をつり上げ、まるで愛しいものを見るような目で、ここではないどこかに思いを馳せる。
カンバスに向かう少女:「……そう、じゃあ君はそう遠くない未来に遠くへ行ってしまうのかな」
市閑:「多分?」首を傾げ。
「元の世界に帰らなきゃ死ねないみたいだけどね」ふう、と溜息を吐き。
カンバスに向かう少女:「置いて行くのと、置いて行かれるの、どっちが悲しいことなんだろうね」
市閑:「全部連れてけばいいじゃん」
カンバスに向かう少女:「ふふ、ずるいことを言うね」 「でもあたしは君が死んでしまうって聞いたら、何だか哀しく思ったよ」
市閑:「名前も知らない他人なのに?」
カンバスに向かう少女:「だからこそ、だよ」
市閑:「分かんないなあ」
カンバスに向かう少女:「人ってそんなものだよ」少女はまた大きく筆を動かします
「僅かしか、思い出せないのだっけ。…その思い出していく感覚って、どういうものなのかな、忘れて居たかったこともある?」
市閑:「ああ……葬式の記憶なんて思い出したくもなかったよね」
市閑:「おかげで飯が食いづらくなったよ」
カンバスに向かう少女:「でもきっと、良いことも思い出せるんだろう?…死んでしまったら全て無くなるか、また忘れることになるのかな」
「…ねえ、君にとって大事なものが何かを教えてほしい、」視線はカンバスに向けたまま問います
市閑:「死か、……妹かもな」
市閑:なまずのマフラーを少し触り。
カンバスに向かう少女:「死か、妹、か。殺し損ねたと言っていたけれど、心中するつもり?」
市閑:「そのつもりだよ」
カンバスに向かう少女:「そう。耳を塞ぎたくなるような話なのに、……きっと二人が持つ話は、あたしなんかじゃ理解が出来ないのだろうね、」
「その妹を信頼しているのかな?それとも、憐れみ?…"全部持って行けばいい"その答えの行動であるように見えるから」
市閑:「え」不思議そうに瞬きを一つ。少し考えてから、
「妹だからかな。たった一人の、大事な、妹」
カンバスに向かう少女:「たった一人の、……か、君は本当に目も瞑りたくなるほどに優しい人だね」少女はカンバスに紫色の花を咲かせていく。
「少ししか話していないのに、不思議だよ、報われてほしいと思ってる」
市閑:「……」微笑みを浮かべる。
カンバスに向かう少女:「……そうだな、あたしから聞きたいことは最後にもう一つ。…信じていること、ってある?」
市閑:「やっぱり死か、……帰れるってことかなあ。元の世界に」
カンバスに向かう少女:「そう、死に帰るという言葉が似合うね、……うん、もう、できそうだ、」少女は目を潤ませながら、筆を動かす手を止めない。
市閑:「同情なんてやめてよ」溜息を吐く。
カンバスに向かう少女:「…違うよ、羨ましいんだ、生きている君がさ」
カンバスに向かう少女:彼女らしい風刺的な絵に、どこか儚さと、脳裏に焼き付く美しさを覚える。
市閑:絵を眺めながら。
「一応聞くけど、その『生きている』はどういう意味で?」
カンバスに向かう少女:「…呼吸をしている、ということだよ」言葉を選んだように呟きます
市閑:「狡いなあ」はは、と笑った様はまるで少年のよう。
カンバスに向かう少女:「ふふ、ああ、もう日も傾いてきたな…、君も帰る家があるのだろう、その扉、開けたらもうこちらには戻ってこれないけれど……、何て言わなくてもいいか」
「名も知らない、他人のままで、ね」
市閑:「おれ、自分の考えが間違ってるとは思わないよ」どこか満足気に立ち上がる。
「お前がそういう意味で『生きてない』のだとしたら、余計に」
カンバスに向かう少女:「……間違っていることなんて、無いんじゃないかな、解釈は違えど、……物事に正解がないように、……」
「ありがとう、話せて楽しかった、また一つ知ることができたよ」
「些細なことでもいいから、良いことがあるように、あたしは君が報われる様に信じているよ、‥…忘れるまで、」
市閑:「……別れは言わないよ」
扉へ向かいます。
カンバスに向かう少女:静かに頷いたのが見えました。
市閑:ドアを開けます。振り返りません。
GM:【停止】
GM:扉を開けば、いつも通りの自分の部屋があった。
あけっぱなしの窓、揺れるカーテン、……ふと視線を逸らせば、白い布に包まれたカンバスがそこにはあった。
市閑:カンバスを見に行きます。
GM:開けば、そこに描かれていたのはとても完成された1枚の絵画。
細密な写実描写で表現される死した青年の姿は、生と死の狭間にあってそれ故の美しさに満ちている。
GM:そして、布から1枚の紙が落ちました。
市閑:紙を拾い上げ、見ます。
GM:「永遠にあなたのもの」と、書かれていました。
名も知らぬ誰かと話していた気がする、けれど、思い出せない。それでも君の中には確かに何か、満たされるものがあるかもしれない。
市閑:何故かは分からないけど、笑みが零れました。
GM:これにて、「無題」終了です。
GM:お疲れさまでしたっ!!
GM:【無題】
市閑:お疲れさまでした!
市閑:面白かった!
GM:良かった〜〜
GM:ちょっとしたスキルなんかは報告を待ってね、哀憫か愛情関連の予感〜
市閑:いえ〜〜〜い
GM:要哉君の事が知れてよかった・・・
GM:へへへ
市閑:儚く狂ってしまった一人の少年だった(要哉)
GM:全部奪っていけばいいじゃんで大切な人殺していく要哉くんあり・・・
市閑:それ(それ)
GM:やべーー!!
GM:突発だったけど全然うまくまとめられてよかったぜヒュウ↑
市閑:やったね
GM:やったぜ
GM:よーしこんなもんかな、ありがとうね付き合ってくれて!
市閑:いえいえ!楽しかった
GM:はーいありがとう!
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