Garden


水晶の瞳


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.とりどめコモ/デューツィア・フィニス・アルニラム
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GM:【♪ - 水晶の瞳】
GM:貴方は、何処かで見た覚えのある雑踏を掻き分けて歩いています。
目的地はあなた自身にも分かりません……何故自分がここにいるのかも、分からないのです。
持っているのは、貴方が忘れたはずの薄ぼんやりとした記憶。鮮明ではないにしろ、今は貴方の中にある……。
デューツィア:「……」
人ごみを掻き分け、歩く。目の前に続く景色がいつ変わるのはわからないが、進まなければいけない。そう思った。
GM:聞き覚えのある言語ながら、他愛のない会話が耳を掠めて、人混みの中を歩く貴方の目に入ったのは……
胸に一輪の白薔薇を挿した人物でした。フードを被った、彼とも彼女ともつかぬその人物は貴方を手招きます。
デューツィア:(白薔薇……)
白い花弁と掌に誘われるように、手招く人物に着いていく。
GM:その人物を貴方が認識すると、ふっとモノクロームの雑踏から音が消える。
静止した世界で、女とも男とも判別し難い声が、ひどくこの空間に響きます……。
GM:「……こころを覗いてみませんか」
「ここは貴方の心のなかに築かれた迷宮です。……覗き込めばおのずと道は見えましょう」
デューツィア:「覗けば、出口が見えるのか?」
GM:「貴方の心に造られた迷宮ならば、問いの答えは貴方の中にしかありません」
デューツィア:「鍵を持つのも、見つけるのも私だけ。そういうことか」
GM:貴方の答えに、フードの人物は深く頷いた。
GM:その人物は、言葉を発することなく宙に手をかざしてひとつ、空を切る動作をします。
するとタロットカードがすうっと音もなく宙空に浮かび上がり……白薔薇を挿した人物がタロットを指し示す。
「あなたの無意識へ、触れるたびに出ましょう」
デューツィア:「わかった」
私のこころを、覗いてみるとしよう。
GM:「占い遊び、それくらいに思ってくださっても構いません。……気楽に、自分に正直に……迷わぬよう」
目の前のフードの人物は、貴方にカードに触れるように促します。
GM:*1〜22までの番号を選んでください。
デューツィア:22枚のカードがあるんですか?
GM:※PLに対するお願いですね。カード選択は。占いに使うので……(リアルタロット)
デューツィア:なるほど!では17番を選びます。
デューツィア:人差し指で、そっとカードをつつく。
GM:触れられたカードを、かの人物はそっと伏せた。
「……これはヘキサグラム。簡易であっても、貴方の帰り路を示すには十分でしょう」
GM:一枚目のカード、【皇帝】 - 逆位置
「貴方の過去を表すカードです。貴方は自分自身の価値を見出だせなかったのではありませんか?それが原因で、反感をかったこともあるのではないでしょうか」
GM:「時には無謀、時には浅はかな考え、不信感や無力感に苛まれるような出来事の暗示……」
GM:「貴方は、独りだった」
デューツィア:「……私は…、そうだな。ああ、そうだ。その身に色を兼ね揃えておきながら…、
力を手に入れることができなかった。
周囲が、母が望んだ力を得ることはできなかった……」
GM:皇帝の描かれたカードは、刃にでも引き裂かれたように形を失い、どろりと赤黒い液体を占いの主の掌に零して、そのまま融けて消えた。
デューツィア:あれ打ち込んだはずが
GM:二枚目のカード、【死神】 - 逆位置
「貴方の現在を表すカードです。……終わりの見えない旅路、捨てるにも捨てられないからこそ、もはやその手の内にあるものでしか生きられない」
デューツィア:融けて消えたカードを、どこか遠くを見る瞳で見ていた。
GM:「今のまま、何もせずにいれば、貴方は何も手に入れることは出来ない。……もしかすれば、掌に残った僅かなものすらこぼれ落ちてしまうでしょう」
GM:「過去を引きずらないことです……一度終止符を打ち、新たな道を選び歩むのもまた一手と言えましょう。……その未来に何があるかは、保証出来ませんが」
どどんとふ:「デューツィア」がログインしました。
デューツィア:「掌からこぼれたものは、もどらない。それは重々承知していた…、そのはずなんだがな」
GM:死神の描かれたカードが、昏い焔に包まれては揺らめいて消えた。
デューツィア:揺らめく焔に、そっと瞳を閉じる。……こぼれたものがもどらないように、消えた焔も、また灯ることは無いのだと。
GM:三枚目のカード、【悪魔】 - 逆位置
「貴方にとって、近い未来を表すカードです、……貴方は想いを捨てきれないから、此処にいるのではありませんか?」
GM:「執着心を捨てられず、貴方は意固地になったまま。それがたとえ絶望を見せたとしても、貴方は悪循環に囚われたまま……」
デューツィア:「捨てたくない…、そう言った方が正しいだろう」
ほんの少し、足元に目を伏せる。一生に一度抱いた想いだ。死んでも捨てたくはない。
GM:「何をしても巧くいかない状況の暗示。……それと同時に、それらを捨て去ることが出来れば、成功を収めることが出来るということの暗示でもあります」
GM:「その”成功”が、貴方の望むものかは、わかりませんが……」
デューツィア:「…すべてを忘れ、新しく生きるのが正解だと?」
GM:「忘却は幸福です、しかし――きっと貴方はそれを望まないのでしょうね」
GM:悪魔の描かれたカードが、赤い焔に包まれて勢い良く燃え盛り、焼け落ちた。
デューツィア:「その通りだ。―――忘却はひとに許された幸福、それは否定しないがな」
GM:四枚目のカード、【恋人】 - 正位置
「それに……貴方にはこれから起こるであろうことに対する対策のカードが用意されています」
GM:「選択、決断を意味しています。どんな結末を選ぼうとも、貴方にはそれを共に受け容れてくれる人物がいるのではありませんか?」
GM:「正しい道を選びとることが出来たならば、その決断は未来に繋がります」
デューツィア:「……」
ふいに、あおい瞳が見えた、気がした。
「笑ってくれ」と笑う微笑みが、見えた気がした。
「……正しいかどうかは、最後までわからないが…」
「共に往きたい、そういうひとは、確かに居る」
GM:「それが貴方の選んだ道なら、少なくとも、貴方にとっては、正しいのでしょう」
GM:五枚目のカード、【審判】 - 逆位置
「これは、貴方の周囲を表すカード。……目覚ましい発展こそないにしろ、崩壊という失望もない、平坦な平穏……」
デューツィア:「………」
GM:「気持ちの整理がつかないまま、何も決められない。それでも差し迫った問題はないがゆえに、選択を先延ばしにできる幸福」
デューツィア:そこまで聞いて、思わず、ふ、といつの間にか口がゆがんでいた。
デューツィア:「ああ…、幸せだ。とても幸せだよ。全て忘れて、ずっと共に居られるんだ。幸福以外の何物でもない…」
デューツィア:「だがそれは子どもの駄々だ。厭なものをみたくない、触れたくないと足掻くただの…子どもだ」
GM:フードの人物が、少しうつむいたように見えた。
GM:審判の図柄が描かれたカードが、不安定に揺らめいて、空中に解けるように霧散した。
デューツィア:「私の駄々で…、あのひとのくれた決意をなかったことにはできない。したくない」
自嘲にもとれる笑みはいつの間にか消え、ただひたすらに透明な瞳で、不安定に揺れるカードを見据えていた。
GM:六枚目のカード、【戦車】 - 正位置
「……これこそ、貴方自身を表すカードです」
GM:「貴方は諦めることをしない、精神的に強い人物だ、とカードは暗示しています」
GM:「行動力に優れ、独立精神や克己心旺盛で、最後まで決意を貫き通すことによって勝利や信頼を勝ち得る、派手でなくともひたむきな人柄」
デューツィア:「褒められているのか?」
小首をかしげる。
GM:「……どうでしょう。カードは事実を語るだけですよ」
デューツィア:「なるほど。おもしろいものだな」
GM:「ひとたび諦め、混迷の中に至れば、貴方の成功は消え失せる。危ういカードでもあります」
デューツィア:「危うい…か」
GM:「どうか真っ直ぐに」
デューツィア:「ああ、それしか知らん」
GM:戦車の描かれたカードから、戦車が抜けだして雑踏へと消えていく。カードに視線を戻すと、カードは消え失せていた。
GM:七枚目のカード、【塔】 - 正位置
「最終的な、この迷宮からの出口を表すカードです」
デューツィア:「………」
GM:「雑踏に耳を傾けてください。貴方が望むものを思い浮かべてください。貴方に待ち受けるのは、……崩壊です」
GM:「幸福な日常、困難な事象、絶望、……あらゆるものを平等に崩壊へ導く暗示」
デューツィア:「―――たとえば、世界の滅び」
GM:「――ヒトツの世界の終焉、そして世界の再編」
GM:「貴方はやがてそれに辿り着く。どうか貴方の信念を最後まで貫き通して下さいますよう。……研ぎ澄ました精神で、このセピアの世界に色を捜してください」
「……貴方は、真実を、最後の希望を、掴み取れるはずですから」
デューツィア:「…ああ、やってみせるさ」
GM:塔が描かれたカードは、紫電の瞬きに包まれて、占いの主の手から消え失せます。
GM:「……カードを一枚、持っていくといいでしょう。貴方への導きになりますから」
ふわり、フードの人物が指をひとつ宙へ向けると、今まで出たタロットカードがぼんやりとした光を纏って浮かび上がる。
デューツィア:「―――では、これを」
一番最後に現れた、塔のカードを指し示す。
GM:「そう、それを選ぶのですね」
フードの人物が興味深そうに頷くと、その人物はふわりとフードを脱ぐ。
モノクロームの世界の中で、硝子玉のように輝きを放つ瞳は‥‥貴方が鏡の中で毎朝出逢う煌めき。
「私は私の選んだ道を行く。この信念を曲げる気はない。……これからも、ずっと、……何があろうとも」
デューツィア:「………」
目の前に現れた顔に、少々面食らう。しかしその言葉に、―――深く頷いて見せた。
「…ああ」
GM:そうして貴方は目を醒ます。
崩壊する塔の描かれたタロットカードと、<終焉>についての記憶を胸に。
まぶたの裏に焼き付いた、自分自身の覚悟を決めたような微笑みを、きっと貴方は、憶えていることだろう。
GM:---
シナリオクリアおめでとうございます。‥‥占いに参加して頂いただけですが。
デューツィア:おつかれさまでしたーーーーーーーーーたのしかったです!!!!!!!
GM:占っただけぇ!楽しかったですいえい
GM:クリア報酬

<終焉>についての記憶

[The Tower] ※希少報酬

セッション中3回まで使用可能。
自身のダイスロールが失敗した時に宣言が可能。
次R、指定した対象のダイスロールを“想定される最悪の出目”にする。

例:回避/1d100<=50 → 100
  攻撃/2d20 → 2
GM:訂正 : セッション中3回× シナリオ中1回
デューツィア:いただきます!!!!!!ありがとうございますーーーー!!!!!!
GM:【♪ - STOP】
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