Garden


水晶の瞳


参加者


GM.とりどめコモ
PL.佐久間いずみ/レリエリウス=リブラ=ジェオメトリア
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毛玉GM:【♪ - 水晶の瞳】
毛玉GM:それでは、改めまして、今回レリエリウス様の『水晶の瞳』にてGMを務めさせていただきます。とりどめコモです。どうぞよろしくお願いいたします。
レリエリウス:宜しくお願い致します!
毛玉GM:今、貴方は眠りの中にいます。何処か見覚えのある景色の中、ゆっくりと歩いています。
この眠りの中だけですが、貴方にはこれまでの自身の記憶全てが、うすぼんやりとした形ではありますが残っているようです。
レリエリウス:多分、今は夜だ。……星ひとつ見えず、月はもはや跡形もなく闇に食いつくされた後の、最期に近づいた日の、あの景色。
「……こんなところにまで夢が追いかけてくるたあね……」せっかく薬を飲んだってこれだ、眠るのがイヤになるのも当たり前だ。
毛玉GM:そんな星の輝き失せた夜空を眺め一人ごちる貴方の前に、ふわりと白薔薇の花弁と共に舞い降りる人影があります。
「こんばんは」
レリエリウス:「……よう」
レリエリウス:何か用か、とでも言いたげな視線と、無愛想極まりない声色。
毛玉GM:「……貴方自身の行く末、心の水面、仮面の裏を覗いてみませんか」
おもむろにそう呟く人影がくるりと掌を回すと、輝く22枚のカードがふわりと浮かび上がる。
毛玉GM:目の前の人物の表情、貌は深くかぶられたフードに遮られて窺うことができません。
レリエリウス:「へえ、占いか何か?」さして興味も示した様子もなく、ただただ真っ暗な夜空を見上げて、生返事にも似た言葉を返す。
毛玉GM:「ええ、占いです」
ゆるりとカードを繰る手をゆっくりと貴方に向ける。
「…貴方自身を占うことで、この夜空の先、その道標、或いは追憶。その一端は、垣間見ることができるかもしれませんね」
レリエリウス:「この夜空に先はない。……追憶なら、なるべく優しくて穏やかなものを頼みたいモンだけど、そうもいかないんだろうな」
はあっと一息吐いて、薄暗がりの中、顔の見えない占い師へと近づいていく。
「占いとやらを済ませなきゃこの夢から醒められないとか、そういうんだろう、どうせ。良いよ、やるよ」
毛玉GM:では、近づく貴方に占い師は導くように手を差し出します。
レリエリウス:黙ったまま、占い師に近づいていく。しかし彼は、差し出された手を、取ることはなかった。
毛玉GM:と、占いを始めるその前に。1〜22の数字を1個選んでください。
レリエリウス:PL:ダイスのお導き通り9で。
毛玉GM:了解しました。
毛玉GM:【♪ - こころのさざなみ】
毛玉GM:「……」
取られることは無かった占い師の手は、そのまま空中にカードを導きます。
毛玉GM:やがて、星を象ったカードから一枚選び出した占い師は、ゆっくりと貴方に囁きかけます。
毛玉GM:「これは、貴方の過去」
勇ましい煌めきを放つ[戦車]のカードが、ふわりと貴方にも見える形で目の前に降り立つ。
毛玉GM:位置は正位置。
毛玉GM:「抱いてきた夢や理想…、目標、或いは願望。そのいずれにも当て嵌まらないにせよ、貴方は探究心、好奇心のまま進んでいた」
「止まることの無い戦車のように、…その行く先が正しい道であるかどうかは、定かではありませんが…」
レリエリウス:「正しい道かどうかなんてわからなかったんだよ。それ以外に道がなくて、俺以外に誰もいなかった」
レリエリウス:「探究心?好奇心?どうだろうな。……義務感や、責務、逃げ出したい気持ちでいっぱいだったのに」
レリエリウス:「止まれなかった」
レリエリウス:「止まったらそこで全てが終わってしまうから」
毛玉GM:「探究心、好奇心。それは貴方自身ではなく…周囲のものであったのかも、しれませんね」
毛玉GM:「貴方に戦車が止まることを許さなかった、周囲の」
レリエリウス:「……かもね」
毛玉GM:貴方がそう呟くと同時に、目の前のカードは不意に輝きを亡くし、夜空へと吸い込まれていきました。
毛玉GM:「…次は、貴方の現在へ」
[女教皇]。淡く輝くカードが、貴方の目の前に降り立つ。
位置は正位置。
毛玉GM:「惑い。しかして、その先に進むための手立て、糸口…。それは、既に貴方の中に存在している。そうではありませんか?」
「その糸口を手繰り寄せるか否かは、貴方次第ではありますが…」
レリエリウス:「もう決めた事」
レリエリウス:「……だと思ってた。なのに、こんな、……一瞬の微睡みでも、幸せを感じられる場所に来たら誰だって戸惑うだろ」
レリエリウス:「だからって俺の出した答えを変えるつもりはねーけどな」
毛玉GM:「その先が、まったく分からない白の中であったとしても…、ですか?」
レリエリウス:「何もない夜闇に呑まれるよかマシだろ」
レリエリウス:「……俺一人で済むなら、さ」
毛玉GM:「では、その未来を…覗いてみましょう」
呟いた声と同時に、淡い輝きは露のように消え、カードは夜空に吸い込まれていきました。
毛玉GM:そして、貴方の目の前に現れたのは、[愚者]。その逆位置。
毛玉GM:「…旅人が歩む先を、貴方は既に分かっている。識っている。それなのに何故…、甘んじて偽り笑うのか」
レリエリウス:「笑うっきゃないじゃんよ」
レリエリウス:「泣いて子供みたいに駄々こねて事態が好転するワケじゃなし」
レリエリウス:「悪いと思ってるよ、もう帰れないって知ってたのに、あの子に嘘ついてまた会おうなんて言った」
レリエリウス:「でも生きて欲しかった」
レリエリウス:「あーあ、この箱庭の世界も、悪くないのかもな。……冗談だよ」
毛玉GM:「……貴方の生きて欲しいと望むヒトが、その嘘に遅かれ早かれ気づくのも…、承知の上で?」
レリエリウス:「……生きてりゃ別の道もある、だろ?まああの子頑固だから時間はかかるだろうけど」
毛玉GM:だからこそのこのカードである、と言いたげに逆さの[愚者]はぼんやりとした光と共に貴方の目の前に揺らめいて、そして消えていきました。
レリエリウス:「……俺も占いで食ってた事あるからさ、ホント、その通りだと思うぜ」
レリエリウス:「理性じゃその道しかない。けど、感情はその道を頑なに拒否してる、その暗示ってヤツ」
レリエリウス:「まあ、俺の解釈はどーでもいいか。さ、次へ行きなよ」
毛玉GM:「……」
その言葉に、占い師は小さく笑ったように見えました。…そのまま、貴方の目の前には[皇帝]、その逆位置が降りてきます。
毛玉GM:「これは、貴方の周囲、環境…。貴方を取り巻く人々」
毛玉GM:「平穏のままの足踏み、…或いは、失敗や過去を恐れて踏み出せない一歩を持つ…そんなヒトが、貴方の周囲にはいるのかもしれません」
レリエリウス:「失敗ねえ、誰でも恐れるもんだろうよ」
レリエリウス:(最後は皆散り散りになっちまったけど、クレールとレグルスに至っちゃこっちにいやがるし、多分……俺と同じなんだろうから、踏み出したんだろうし)
毛玉GM:「……或いは、そう。貴方の想う、そのヒトが」
レリエリウス:「えぇ……あの子こそ戦車じゃないの」しれっと失礼な言葉が出て、おおっと、と言った具合に口元を覆った。
毛玉GM:その言葉に、今度こそ占い師は、ふ、と小さく微笑みをこぼします。…そうして、逆さの[皇帝]もゆっくりと夜空へ消えていきました。
レリエリウス:”あの子”を過ごした穏やかな日々が脳裏を廻る。他愛のない会話、二人で仰ぎ見た今はなき星空。
たまにねだった彼女の歌、旅の途中に見舞われた雨に二人で濡れて笑ったあの日、まだ平和だった頃は星呑み達と集まって馬鹿騒ぎもしたっけ。
レリエリウス:(嗚呼、彼女は俺の最期の時も、穏やかな声音で歌って送ってくれたんだったな……)
毛玉GM:【♪ - 光のアリア】
毛玉GM:「……」
そんな貴方の耳に届く、星の消えた夜空に響く誰かの歌声。光を謳うその声に乗せて、[力]、その正位置のカードが貴方の目の前に舞い降りる。
毛玉GM:「これは、貴方の望み」
毛玉GM:「困難を打破する力、周囲を導くための力、打ち勝つための力…、それこそ貴方の望むもの」
レリエリウス:「そりゃいつだって欲しいねー……」
毛玉GM:[力]のカードは、力強い輝きを湛えて、貴方の目の前にある。
レリエリウス:力がなかったせいで、どれだけの人を救えなかっただろうか。自分の弱さをどれだけ憎んだだろうか。
レリエリウス:力がなかったから、嘘なんか吐き続けることになったんだ。
毛玉GM:「…力は万人が望むもの。しかし、より強く望み、望まれたものが力を得るかは、定かではありません」
毛玉GM:「……貴方のように」
レリエリウス:「まあでも、恵まれてた方なんだって思うよ」
レリエリウス:「志半ば、って連中は嫌ってほど見たし」
レリエリウス:「犠牲を払ったのに、払い過ぎたくらいだったのに、夢を叶えられなかった子もいた」
レリエリウス:「その子を最後まで護ったって意味じゃ」
レリエリウス:「俺は満足」
毛玉GM:「……、そう、ですか」
占い師がそう呟くと、[力]のカードは静かに、夜空へ消えてゆきました。
毛玉GM:そうして、6枚目のカードが貴方の目の前に舞い降ります。
[運命の輪]。その逆位置。
毛玉GM:「…どうしても避けられない破滅。そこから逃れるためには、如何すれば良いのか」
「…貴方は既に、そうした後、ですね」
レリエリウス:「避けられない破滅でも、新たなスタートが切れないワケじゃないからね」
毛玉GM:「新たな炎が産まれるならば、自らは灰塵になっても良いと?」
レリエリウス:「星を呑んだなら、星に還るだけ」
レリエリウス:「さっきから俺に同情的じゃないか?」
毛玉GM:「さて、そうでしょうか」
レリエリウス:「まあ、いいけどね、どうだって」
レリエリウス:「望んだ結果は手に入れたんだから」
毛玉GM:その言葉と共に、するりと、逆さの[運命の輪]は夜空へ消えていきました。
毛玉GM:「…、これが、最後のカード。貴方を象徴すると言っても良いカードでしょう」
そうして、[隠者]のカードが貴方の目の前に降り立ちます。
毛玉GM:「貴方は、思索する。真実、己の在り方、幸福、責任、罪、哀、愛…」
レリエリウス:「俺さ、嘘ばっか吐いて、偽ってばっかりで、結局自分のこと解んなくなっちゃってな」
レリエリウス:「いつだって本当の自分ってのを探してる気になってるんだよ、感傷的だろ?まあ、見つからないんだけど」
レリエリウス:「ああ、でも、幸福とか、愛とか、そういうのは、分かったのかな」
レリエリウス:「どうだろう、結局人間なんてのは流動的ないきもので、常に自分の居場所を把握しておくなんて無理なのかもしれないし」
レリエリウス:「ただ」
レリエリウス:「俺の罪だけは、罪と痛みだけはいつだって傍にあって、俺を夢から引き戻してくれる」
そう言うと、彼は己の左手をマントから出し、覆っていた布を外す。そこには硝子で造られた薔薇と茨。
手首に一閃の深い傷跡、それを戒めるように飾りは食い込んで、一滴の血を落とした。
レリエリウス:「忘れるな、ってさ」
毛玉GM:「………」
滴り落ちた血は、夜空に紅く、あかく輝いて滲んでいきました。…そうして、占い師は、選び取った7枚のカードの全てを貴方の前に導き出します。
毛玉GM:「…一枚、選んでください」
レリエリウス:「戦車は、過去だっけ?過去にしがみつく趣味はない」
レリエリウス:「……つもり」途中で目が泳いだ。
レリエリウス:「女教皇は、まぁ選ぶなら美人のほうがいいけどタロットの女教皇はあんま俺好みの顔してない」
レリエリウス:「愚者、愚者ねえ……俺の偽り、嘘、っていうんなら、ごめん、まだ、暴かれたくはない」
レリエリウス:「出来ればずっと気付かないでいてほしい」
レリエリウス:「次は皇帝だっけ?カード的には結構好みだけど、残念ながら俺のキャラじゃない、知ってる」
レリエリウス:「力、力ねえ、これもやっぱ俺っぽくない。もっと小賢しいカンジでしょ俺って」
レリエリウス:「運命の輪、か……避けられない破滅を手に取るのは、勇気が要りすぎる」
レリエリウス:「もう一度は手に取って選んだんだから、今回は勘弁してくれよ」
レリエリウス:「隠者、隠者ねー……俺っぽいか?っていうと、多分この中では愚者と並んでそれっぽい」
レリエリウス:「まあ俺の主観だけどね。で、俺は隠者のようにありたいという願望もあって、隠者かな、選べっつうなら」
毛玉GM:「わかりました」
その声と共に、静かな輝きを放つ[隠者]のカードが、貴方の手元に現れます。
レリエリウス:(この罪咎は、忘れてはいけないのだろうし)
毛玉GM:「……でもさ」
その聞こえないはずの心のつぶやきに、ふいに占い師はフードをはらりと落とし、『自身』に言葉をささやきます。
「後悔は、してない。そうだろ?」
レリエリウス:「――まあね」この野郎、とでも言いたげな表情で、小さく返した。
毛玉GM:貴方がそう返す。すると、星の無い夜空は、花が散るように音もなく崩れていきます。
毛玉GM:目覚める時間のようです。
レリエリウス:この光景も、ああまるで、あの時のようだな、と、遠くなっていく記憶の中で静かに思う。
毛玉GM:小さな歌が、貴方を見送る。
―――そうして、貴方は、夢から醒めた。取り戻した記憶と、一枚のカードを手にして。
毛玉GM:おめでとうございます、おつかれさまでした!シナリオクリアです。
レリエリウス:ありがとうございました!めっちゃ独り語りできて楽しかったです!
毛玉GM:ではでは、クリア報酬の詳細をば。
毛玉GM:▽クリア報酬
スキルポイント50pt
選択したタロットカード1枚(隠者)

自身の「罪咎」に関する記憶。
毛玉GM: [The Hermit]※

カード取得時に魔法属性をヒトツ選択し、カードの固定属性とする。

1シナリオに3回、宣言で使用可能。
選択した属性の魔法の詠唱を失くし、反対属性の魔法攻撃を無効化する。
毛玉GM:では、GMも[ステータス成長3pt]をいただいてよろしいでしょうか。
レリエリウス:もちろんどうぞどうぞ。
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