Garden


I my me


参加者


GM.ソヨゴ
PL.篠崎/柏木千歳
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GM:では、「I my me」セッション始めさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!
柏木千歳:よろしくお願いします!
GM:【Welcome song】
GM:【Give me shadow, put on my crown.】
GM:真白い曇天。
GM:ライトグレーの重なりの向こうで冷え切った日の眩しさに、貴方はやがて目を覚ます。
GM:貴方の肌を撫でる風は、未だ鋭さを持ち合わせてないが、底の方に冬を宿している。
GM:カソックの隙間を吹いて、貴方を少し凍えさせる。
GM:身を起こすと、……忘れもしない、其処は貴方の育った場所。
GM:石造りの皮膚に黒く蔦を絡ませ薄汚れて佇んでいる、貴方の居た孤児院。
視線の先に、それがあった。
柏木千歳:冬の訪れを確かめたかったのか、白い吐息を求めて空気を吸う。
凍える指先を温めようとし、陽を求めて体を起こします。
GM:不思議と脳裏には記憶がある。幼い頃のこと、この場所のこと。
柏木千歳:「………、……あ…」一瞬、心臓が止まったかのような衝撃。忘れもしない、この場所は、彼女と出会った場所だ。あの頃に戻ってこれたのかと考え導かれる様に歩を進めます。
GM:草を踏みしめるたび、柔らかな音と青い匂いがする。
近付けば近付くほど、目の前のそれと記憶の中の像とは寸分違わぬと確信できるでしょう。
GM:……けれど、……此処には他に、誰もいないみたいだ。
柏木千歳:「……、」軋む頭の痛さを紛らわすように、腕飾りに触れます。
子供の頃に遊んでいた、かくれんぼの隠れ場所を見に行ったりと、誰だっていい。誰か居ないかと探し求めます。
GM:では貴方は、寂しさと不安を覚え、人影を探した。
GM:幼い頃のお気に入りの場所にも、きっと足を運んだだろう。
GM:他に誰もいないと知っていた筈の場所。
GM:自分だけの隠れ家。 誰も訪れない僕だけの世界。
GM:……無論人影はなかった。けれど、
GM:剥がれかけた白い壁には黒いスプレーで落書きがしてある。
「Small World」
ちっぽけな世界だ、と.
柏木千歳:「……」そのスプレーの字に指を這わせます。小さな世界だと考えてしまえば、そうなってしまいそうで嫌だった。
唇からあふれ出たのは彼女の名前。返事をしてくれと、ひとり訴えるように。
GM:すると、耳の底に。 女性の声がする。
GM:聞き覚えがある声の筈で、でも聞いた傍から貴方はその声の温度を忘れてしまう。
GM:きっと誰かの声なのに、誰だか分からなくなってしまう。
GM:「答えなさい。貴方は、何が欲しかったのですか」
柏木千歳:は、と目を開いて声の主を探す。
「僕は……僕は…、アメリアが欲しかった。ただ、愛が欲しかったんだ」胸部を握り締め、絞り出すような声で答えます。
GM:答えを返しても、声は貴方に語りかけてくれない。
GM:スプレーの跡を辿った貴方は、壁の隅に小さく、ペンで落書きがしてあるのに気付くでしょう。
GM:『行いと真実を以て』 ただ、それだけ。
柏木千歳:「………、」目を逸らします。今、彼は何が真実かも分からないほどに混乱しているのでしょう。
GM:真言から目を逸らす。貴方は微かに、体が重くなったように感じる。
GM:……貴方はまだ宿舎の中には入っていない。温室も覗いていないだろう。
どこへ、足を向けましょう?
柏木千歳:ふらふらと、なにも考えぬままに温室へと向かう。今必要なのは足を動かすという信号だけだ。
GM:では貴方は温室へ向かった。
GM:貴方が忌み嫌っていた場所。其処は不自然で、無理矢理で、どこか居心地が悪かった。
GM:距離を詰めるうちに貴方は気付く。淡いモノクロームの世界の中で、其処だけがやけに明るいことに。
柏木千歳:では先に、もうあの頃育てた花は枯れているのかと周囲を見渡してみます。
GM:育てた花は見当たらなかった。
枯れてしまったのかもしれない、自分の目がそれを見つけられないだけかもしれない。
何しろ世界は灰色の中だ。
柏木千歳:「……」呆けた頭で花がない事を確認する。どこかほっとしたような、何もないならこの場所も嫌いではないと考えたのかもしれない。
そのまま虫のように、光を求めてそちらへ向かいましょう。
GM:では、温室の中へ貴方は入る。
そこには、何も無い。枯れた草花だけがある。
でも外よりは暖かい、……また、貴方の耳に声が聴こえてくる。
GM:「答えなさい。貴方は愛のために、一体何を捧げましたか」
柏木千歳:何を、捧げたか。
自分の中でその問いがぼたぼたと滴り落ちるように、何重にもなって聞こえる。
「…隣人は愛して、然るべきだ。僕は…善を、…捧げ……」口を噤む。見返りを求めた愛の浅はかさを理解できないほど鈍くもなかった。
これ以上は答えられなかった。
GM:思わず俯く貴方の目に、あの言葉が目に入る。
それは温室の土の上に刻まれていた。
『行ないと真実をもって』
GM:また、体が重くなる。遠く、どこかから、歌が響く。
貴方の好きな彼女の、
GM:"La, la la la, la-la-la"
GM:なにかが、
GM:地中から、生えてくる
GM:枯れ果てていた温室の土が、一斉に盛り上がり芽吹く。
GM:花が狂い咲き始める。
GM:季節も、気候も、貴方の想いも全て無視して、毒々しく淫らな色彩の花が、
GM:蔓を艶かしくもたげ、揺らし、伸ばし、
GM:食虫植物は口を開け、粉を、液体を噴き出した。
GM:凄まじい臭気。
GM:植物の生命と花々の、醜悪な性交の香り。
GM:それらは甘ったるく、しつこく、酸っぱく、貴方の鼻孔を刺すだろう。
柏木千歳:ただただ目の前の光景が、そして彼女の声が、匂いが、むせ返る匂いが、声が、拒んではいけないと思った、
大嫌いな光景なのに、否定はできなかった、彼女の声がしたから、君が歌うなら、君の通りにしていいんだ、
降りかかる粉や、液体に臆することはない、刺されようが構わない、僕の名を呼んでほしいと待った。
GM:【Crystalline】
GM:誘蛾灯に酔わされるように温室へ踏み込んだ貴方は、
荒れ狂う花々に身を任せた。その匂いは、感触は、貴方に吐き気を催させる。
GM:胃液が渦を巻き、喉元までせり上がってくる、
……いや、これは、……匂いのせいだけじゃない、何か……身体が拒絶する様な、
GM:ふっと世界が変わる。
GM:貴方は孤児院の、大きな聖堂の中にいる。
GM:マリアの像が貴方を見下ろしている。吐き気は収まらない、花の臭気も消えない、
口を押さえた貴方の耳に、また、声。
GM:「答えなさい。貴方は欲のために、一体何を踏み躙りましたか」
GM:「答えなさい。貴方は誰が欲しかったのですか」
柏木千歳:せりあがる胃液を、どうにか抑えようと口を手で覆う。
劈く胃液の香りに、また液せりあがる、最悪だ、生理的に流れる涙を止められはしなかった。
銅像に許しを乞うように、膝をつく。
答えなければならないと思った。ヒュ、と息を吸えば、ビチャビチャとあふれ出る吐しゃ物。苦しくて、もう何だっていい。ただ解放されたかった。
「………何を、僕は何も、何も踏みにじってはいない……」信じていたかった。 「僕が欲しかったのは……アメリアだ……助けて……、助けて…」浅い呼吸を繰り返しながら、彼女の名前を呼び続けます。
GM:「人の子よ、自覚なさい」
GM:「貴方は」
GM:「本当は」
GM:“子どもたちよ 私たちは ことばや口先だけで愛することをせず
行ないと真実をもって 愛そうではありませんか”
GM:見上げた貴方の目に、その言葉が映った瞬間、
GM:貴方は先ほどからの、怠さ、体の重さの正体に気付く。
GM:膨らんでいる。無い筈の胎が。
GM:貴方は孕んでいるのだ。
柏木千歳:「……あ…?」首をもたげる、思考が停止する、腹部を撫でる、いったいこれは何だ、一体、何だというんだ。
未だ理解はできないようだ、異様に膨らんだ自分の腹をただ景色として眺める。
GM:貴方の身体を裂いてでも中の何かは生れでようと、
GM:肘が大きく皮膚を伸ばし、ついで手の指が、膝が、頭が、
GM:貴方を突き破ろうと藻掻いている。
GM:痛い、
GM:痛い、  痛い、
GM:痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、
GM:股の間を血が伝っていく。どろりと、粘り着く、厭な匂いのする赤い液体が。
柏木千歳:「………う"、う"あ"ぁあ………あ"っ、はっ、……いだ、いだぃ……いだいぃいい……」痛みを逃がすように地面に爪を立てる、爪が割れる、痛い、痛い、痛い
伝う血を愛おしいとは思わない、やめて、やめてくれ、……痛みに霞む目に、途切れる意識はまた痛みによって呼び戻される。
自分の中に何かが居ることは嫌でも理解できた。
「……い、あ、あぁあ……嫌だ、嫌だいや……産まれないで、産まれ、な……あ"ぁ"あ"あ"、あ"、……あ"」
GM:肌が裂けていく。
ぴり、ぴりと、少しずつ。
赤黒いモノが顔を出し始める。何だか分からない、誰だか分からない、人かも分からない何か、
何度叫んでもそれは去ってはくれずに、激痛が、貴方の意識を奪って、
GM:【Give me shadow, put on my crown.】
GM:「もう、覚める時間みたいです」
GM:幼い少女の声。
短く整えた黒髪に、黒い目。
その少女の姿は貴方の記憶のどこにも無い。
出会ったことのない人。
GM:どこか、懐かしさを抱かせる温もりを黒い瞳に映し、少女は微笑んだ。
GM:「わたしからの問いは、これが最初で最後です。」
「よかったら、教えてください」
GM:「あなたにとって、『ユメ』とはなんですか?
 ユメは逃げるために見るものだと、誰かがそう言っていました」
「……あなたにとって、それは、なんですか?」
柏木千歳:少女の声を遮る。「必要のないものだ。……夢なら、…いらない、夢は嫌だ」だんだんと、消え入る声で答えます。
GM:ユメを受け取った少女は、仄か、笑った。
「……けれど、こうしてあなたは夢を見た」
GM:……
GM:……
GM:……
GM:窓からの陽で目を覚ます。
GM:心臓がバクバクと鳴って、体が酷く怠い。どんな夢を見たのかは、覚えていない。
GM:けれどその疲労感の向こうに、憑き物の落ちた様な身軽さがあるのも確かだった。
GM:ふと枕元に、黒いチョーカーが落ちていることに気付く。
GM:それは彼女を思わせる金色の花が刺繍されたもの。
裏側には、聖書の一節が同じ色で刺繍されていた。
“Whoever believes in him is not condemned, but whoever does not believe is condemned already, because he has not believed in the name of the only Son of God.”
柏木千歳:チョーカーを見ればぼろぼろと涙が零れた。
何が書いてあるのか滲んで読めない。ただ、責められている気がした。
彼女の名前を、震える唇で呟く。
腹部を撫でながら、胎児のように丸まり眠ろうとします。
GM:この朝日は貴方を責めたりしない。
柔らかな日差しの中で、貴方はやがて、再びの眠りについたことだろう。
GM:「I my me」シナリオクリアです、お疲れさまでした!
GM:【ED】
柏木千歳:お疲れさまでした
GM:▽クリア報酬
『探索者だけの専用装着スキル』
「金色の花が刺繍された、黒いリボンのチョーカー」を身につけている際のみ使用可能なスキルとなります。
後日BBSにて報告致しますね!
柏木千歳:やったあああああああ
柏木千歳:最高でした
柏木千歳:(大の字)
GM:GM報酬:ステ成長+5(三回のみ重複可)
これで3回目でございます、もらっていきます!
GM:わあああああほんとうですかよかったああああ
柏木千歳:いや〜ノリノリになっちゃいましたな
GM:ロール見るの超楽しかったです 楽しんで頂けたみたいでよかったへへへ
柏木千歳:ゲンドウポーズしてました
GM:クッwwwwwwww
柏木千歳:スキルも楽しみにしてよう
GM:こっちもがんばらねば……(ゲンドウ
要望あったら言ってくださいねカモン(カモン)
柏木千歳:演出もすごく良くてやりやすかったです 本当にありがとう!
柏木千歳:アッ…食虫植物か子供要素は欲しい
柏木千歳:(親指を立てる
GM:わーいわーい!!! 食虫植物か子供ですね 把握しました(サムズアップ
柏木千歳:お願いしますうう!
GM:BBS立ててきました、ではでは自由解散で!
見学の皆様もお付き合い有り難うございました!!
柏木千歳:ありがとうございましたー!!
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