Garden


水晶の瞳


参加者


GM.ひぃらり
PL.佐久間いずみ/クレール・デュノアイエ
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GM:【♪ - たどる旅路をはじめましょう】
GM:貴方は、何処かで見た覚えのある町並みの中、雑踏を掻き分けて歩いています。断片的な記憶の中で、朧げに憶えている風景をつぎはぎにした景色に、やはり何処か見覚えのある人々が行き交う。貴方自身には行く宛はありません……何故こんな場所に迷い込んだのか……
クレール:「何処へ……何処へ行こうとしているんだ、俺は。……目的もなしに出歩くなんて……それに、ここは何処だ」
GM:貴方が知る人々ばかりが、何食わぬ顔をして、貴方があたかもそこにいないかのように、過ぎ去っていく。聞き覚えのある言語ながら、他愛のない会話が耳を掠めて、人混みの中立ち尽くす貴方の目に入ったのは……胸に一輪の白薔薇を挿した人物でした。フードを被った、彼とも彼女ともつかぬその人物は貴方を手招きます。
クレール:「……誰だったかな、声をかけられるほどに、覚えてはいないが……見覚えのある人ばかりだ……景色も、思えば……」困惑した表情で辺りを見回すと、異様な景色の中にぽっと浮かぶ目印のような白薔薇に目が留まります。
GM:その人物を認めると、ふっとモノクロームの雑踏から音が消える。静止した世界で、女とも男とも判別し難い声が、ひどくこの空間に響きます……。
GM:「こころをのぞいてみませんか」
GM:「ここは貴方の心のなかに築かれた迷宮です。……覗き込めばおのずと道は見えましょう」
クレール:「道……?すまんが、何を言っているのか……、いや、まあ、迷っているようだから、道は確かに教えて欲しいんだが……」
GM:「ここは、見慣れた景色、見たはずの人々をつなぎあわせた、あなただけの迷宮です」「当て所なく彷徨うことをしない貴方がここに来たのも、意味があってのことかもしれません」
クレール:「……そうか、ふむ……」何事かを考えこむ仕草をして、男女の判別もつかぬ人物の傍へと寄っていきます。「こころの、覗き方、というのは?」静止し色褪せた世界は、なんだか気味が悪い。胡散臭かろうと、会話で気を紛らわせよう。
GM:「……うらないましょう。うらないです……そう……そう捉えてくださって結構です。気楽に、自分に正直に……迷わぬよう」目の前のフードの人物は、貴方にカードに触れるように促します。*1〜22までの番号を選んでください。
クレール:7枚目のカードに、ためらいがちに触れます。
GM:「これはヘキサグラム。簡易であっても、貴方の帰り路を示すには十分でしょう」選ばれた7番を、するりとローブから出た腕が、テーブルに伏せる。それを中心に、6枚のカード、計7枚のカードが置かれます。
クレール:「タロット占い、か……」神妙。
GM:一枚目のカード、【魔術師】 - 逆位置
GM:「貴方の過去を意味するカードです。……貴方は現況を変える事を恐れ、自身の成長を止めてしまった事が、あったかもしれませんが……しかし」
クレール:「……姉の背中を、ずっと追いかけていたかったのだろうな。彼女は一族にとってつなぎで……」「俺が、……俺が、正統な後継者だなどと、知りたくはなかったよ……髪の色の意味など、もはやこれは、……神へ還るだなどと……」
クレール:「あのままで居たかった、まだ光を喪う前の兄、厳しい姉、何も知らない自分でいたかった」
GM:二枚目のカード、【運命の輪】 - 逆位置
GM:「貴方の現在を意味するカードです。……貴方の思わぬ方向に、事態は進んでしまったのでしょうか。誰か大切な人の避けられない未来を知り、悲観的になってしまってはいませんか。……それは、貴方にとっては予想もし得ない、思わぬ状況の変化だったのかもしれませんね」
クレール:「……会えないんだ。この先。この先俺がこの世界から戻ったらもう二度と、あの人には会えないんだ」「それなのにどうして、どうして死んだはずの彼女がいるんだ?会いたいと、願った事への、罰だろうか。想うことは、罪だろうか」
クレール:「本当に、予想はしてなかったよ……再会なんて。どうせならレリエリウスやセロ、リラなんていう腐れ縁たちと会いたいと願えばよかった」「……レグルス、あいつは本当になんでここにいるんだか……。それすらも、この迷宮とやらの外の俺は、忘れてしまっているようだが」
GM:三枚目のカード、【世界】 - 逆位置
GM:「これは近い未来を意味するカードです。……貴方が今まで歩んできた道、人生。……行き詰まってしまったのは、もう二度と再会することなど無かったはずの彼女が貴方の目の前に再び現れたせいなのでしょうか。このままの現状を維持したいと、貴方は望んでしまう。そんな自身に、……貴方は失望を抱いてしまうのでしょうか」
クレール:「このままなら、このままでいられたら……彼女は、俺の目の前で死ぬ事はないんじゃないかと、……浅はかだろう?」「彼女はそんなことを望まない。もし真実を伝えたら、俺の頬を叩いて、自分の正義を通すために死ぬと、笑って……俺の前から消えてしまう」「そんなあの人のようになりたかったのに、……この体たらくだ、酷い有様だよ」
GM:四枚目のカード、【正義】 - 正位置
GM:「これは近い未来を望む方向へ変える対策を表すカードです。……貴方は、自身の悩みを整理し、納得し、胸に下ろす、大事な時間を得たのかもしれませんね。そう、彼女が再び貴方と巡り合えたのも、あるいはあなた自身の更なる成長への必然的な定めだったのかもしれません」
クレール:「……死を、受け容れる事が出来ていなかったんだろうな。……彼女は長く戦場にいて、姉弟として過ごす時間は少なかったから」「受け容れて、そして……帰らなくては。……俺は、俺は再生の鍵を託されたんだ、そうだ……何故今まで忘れていたんだ?」「記憶を集め終えたら、もう一度最初から……創らなければ」
GM:五枚目のカード、【吊られた男】 - 正位置
GM:「これは貴方が今置かれている状況を表すカードです。自分よりも相手のことを。私事よりも未だ見ぬ誰かのことを。常に心に優しさを秘め、他者を慈しむ貴方を。……自身の使命に誇りを持つ貴方は、他者だけではなく自身をも知らぬ内に幸せにしていたのでしょう。それは或いは、あなたが目指す道に必要なことだったのかもしれませんね」
クレール:「俺は一度失敗したんだ。……人はそれを成功と呼んだが、犠牲の上に成り立ったものだった」「無論、犠牲なしに得られる成功などないと……分かってはいるんだが、な。……未だ見ぬ者のために」「亡き主が示した道を征かねばならない。俺はこれまでも、これからも……それが、きっと、幸福なのだろう」
GM:六枚目のカード、【悪魔】 - 逆位置
GM:「……貴方自身を、表すカードです」
GM:「他者を慈しみ、想いやることが出来る貴方は、時には自身の気持ちばかりが膨れ上がり、重荷になっているのではないかと、悩むこともあったのでしょう。自分が正しいことをしているのか、間違っているのではないか、先行きが見えずに不安や焦りばかりが先を行き。立ち止まり、自身への問いに耳を傾けたこともあったでしょう。……しかし、歩みを遅めたその先には、貴方の望んだものが、……直ぐ其処にあったのかもしれません」
クレール:「自分のことは、よくわからないな。……まあ、少なくとも、種族的に悪魔ではないという意味で逆位置は正解だ」「……俺が救おうとしたものは、本当の意味で、救えたんだろうか‥‥」
GM:七枚目のカード、【節制】 - 正位置
GM:「貴方自身の終着点、このまま変わらなければ行き着くであろう先を表すカードです……この迷宮の、出口です」
GM:「どこかで、既に理解しているのではないでしょうか。貴方がこれからどう進むべきかを。……受け入れる事も重要な欠片の一つなのかもしれません。その先に待ち受けるものを信じて、あなたはこれからも一歩ずつ、歩みを続けるのでしょう」
クレール:「結末は、選んでいる。‥‥そのために、空の娘と、あの男に、話を聞きに行かなくてはいけないな」「‥‥彼らが望む結末ではなかったとしても、俺の望む結末でもなかったとしても、‥‥それが使命である限り」「俺はあの場所を、‥‥」
GM:「……カードを一枚、持っていくといいでしょう。貴方への導きになりますから」
GM:ふわり、ふわり、七枚のカードが貴方の目の前で揺れている。
クレール:「‥‥世界を」
GM:「そのカードを選ぶのですね」
クレール:「一番、思い出さなければならないことだから」
GM:フードを被った人物が、ふと微笑む気配を貴方は感じ取った。そのままその人物はフードをするりと音を立てて落とす。セピア色の世界の中でひどく鮮やかに色づくのは、貴方が見慣れた色。貴方自身の色、それは白。
GM:「背負う覚悟を決めたんだろう――もう迷うな」
クレール:はっと息を呑む。そうか、このカードを選んだときに、自分の心は決まっていたのか。
GM:・・・そうして貴方は目を醒ます。
GM:そうして貴方は目を醒ます。世界の描かれたタロットカードと、<自身の最終的な使命>についての記憶を胸に。まぶたの裏に焼き付いた、自分自身のどこか安心したような微笑みも、次第に薄れていってしまうのだろう‥‥。
GM:---シナリオクリアおめでとうございます。 【THE WORLD】‥1シナリオ3回。 自身、他者に関わらずダイスロール後に宣言する事が可能。 1dXで出た目の結果を反転させる。例:1d100 / 99 → 1
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