Garden


水晶の瞳


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.ソヨゴ/蔵未 孝一
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GM:【♪ - 辿る旅路をはじめましょう】
GM:貴方は、何処かで見た覚えのある町並みの中、雑踏を掻き分けて歩いています。
断片的な記憶の中で、朧げに憶えている風景をつぎはぎにした景色に、やはり何処か見覚えのある人々が行き交う。
しかして貴方自身には行く宛はありません……何故こんな場所に迷い込んだのか。
蔵未:(……なんだ、……俺、何してんだ?)自問しつつのそのそ歩きます。
GM:自問していると、何やら胸の内から沸きあがるものがあります。
靄のかかった、記憶。この世界の中では、貴方の記憶すべてが揃っています。
無論、箱庭で取り戻した記憶の方が鮮明であり、欠落している部分は色褪せていますがね。
思い出そうと努めない限りは、それらは靄の中にあるままでしょう……。
蔵未:「……? あれ、なんで……」思い出そうとして、一瞬、躊躇。
今んとこロクな記憶が無い。けど、……「……もしかしたら、幸せな、……記憶も、あるかも」やっぱり思い出してみようとします。
GM:思い出そうとすると、頭が痛みます。
ひどく混乱しているような、二日酔いのときのような気分の悪さで、貴方は思わずふらついてしまう。
しかし、貴方が知る人々は何食わぬ顔をして、貴方があたかもそこにいないかのように、過ぎ去っていくばかりです。
誰も貴方を気にかけたりはしてくれない、ここは、そんな世界。
そんな、冷えて褪せた景色の中、ふとひとりの人物が目に留まります。
それは胸に一輪の白薔薇を挿した人物。
胡散臭い、少し古臭いフードを被った……彼とも彼女ともつかぬその人物は貴方を手招きます。
この世界の中、唯一貴方を認識している人物のようですが……さて?
蔵未:「……俺のこと、分かるの?」寂しさからふらふら寄っていきます。
GM:「わたしは、貴方を、見ることができます」
その人物を認めると、ふっとモノクロームの雑踏から音が消える。
静止した世界で、女とも男とも判別し難い声が、ひどくこの空間に響きます……。
蔵未:「え、あ、……見るって、どういう……」
GM:「あなたの姿を、あなたの存在を……あなたの、こころを……」
「とらわれたひと、かけたひと、まよったひとよ。……こころをのぞいてみませんか」
蔵未:「俺の? 心を、覗く、……なんか、」
「あんまり綺麗なもの、見えないような気が、するんだけど……そう、だな」
「他にすることも無いから。……見てみるよ」
GM:「ここは貴方の心のなかに築かれた迷宮です。……覗き込まなくては、出口はみえません」
「……囚われたまま……ひとり、は……いやでしょう……?」
蔵未:「……いやだ、いやにきまってるだろ、“独り”なんて、……」
「早く、ここから出してよ」
GM:フードの人物は無言で一つ頷き、そして手が宙空にかざされると、タロットカードがすうっと音もなく浮かび上がります。
「……うらないましょう。うらないです……そう……そう捉えてくださって結構です。」
「気楽に、自分に正直に……迷わぬよう」目の前のフードの人物は、貴方にカードに触れるように促します。
GM:*1〜22までの番号をひとつ選んでください。
蔵未:「じゃあ……8番、で」
GM:「これはヘキサグラム。簡易であっても、あなたの帰り路を示すには十分でしょう」
選ばれた一番を、するりとローブから出た腕が、テーブルに伏せる。
それを中心に、6枚のカード、計7枚のカードが置かれます。
GM:一枚目のカード、【悪魔】 - 逆位置
「貴方の過去を意味するカードです。……貴方は何事かに執着することをやめてしまったのではありませんか?」
蔵未:「……執着、……ああ、一度、……マリアが死んだ時に」
「もう誰かを愛するのはやめにしようと思った。愛して、愛されても、もうきっとその人を不幸にすることしか出来ないから」
GM:「貴方につきまとっていた、心のバランスを崩すような出来事……それを自ら排した時にも、同じように」
「過剰な迄の防衛心のあらわれ。それらは現在にも疵として残り続けていますね」
蔵未:「取り憑いて、呪いみたいに、暗いところへ引きずり込んでしまうから、……独りでいようって、……でも、そうだな、……自分のため、だったのかな」
「幸せになるのが怖かったのかもしれない。また失って絶望するのが怖かった、独りじゃないと、思ったのに、もう一度、……独りになるのが」
GM:二枚目のカード、【節制】 - 逆位置
「貴方の現在を意味するカードです。……しかしあなたは、それだけでは心の均衡を保てていないのではないのでしょうか」
「現状に不満がある訳ではありませんが、常に不安がつきまとい、安心感を求めながらさまざまな場所を渡り歩く暗示」
蔵未:「……あは。カードにまでビッチって言われた」
「うん。寂しいから俺のこと、求めてくれる人を探して、欲しがってくれる人と寝て、ギリギリなんとか生きてるよ。そうでもしなきゃ耐えられなくて」
GM:三枚目のカード、【星】 - 逆位置
「貴方の近い未来を表すカードです。……貴方はもう、自分自身で理解しているかもしれませんが……」
「貴方の願いは、現状このままでは決して叶うことではありません。それは貴方をおおいに苦しめており、時折本来の目的を見失わせます」
蔵未:「……現状? “どう足掻いても”の間違いじゃねえの」
「……死んだ人は帰ってこない、……もう、何があっても、会えない、……そんなこと分かってるよ」
GM:四枚目のカード、【女教皇】 - 正位置
「貴方を救うかもしれない対策、事柄のカードです」
「思慮深い行動が、貴方の望みには必要と思われます。……また、知識や、一人で過去を振り返る時間も」
「このカードが暗示するのはプラトニックな愛情、潔癖、倫理的な行動です。……それらを、おろそかにはしていませんか?」
蔵未:「うん、どうしよう、図星っていうか。言い返す言葉が何も無い」
「まあ強いて言えば、俺人生の半分はそうやって生きてきたんだけど、……結果救われなかったからさ。やる気が起きないんだよ、ね」
GM:五枚目のカード、【死神】 - 正位置
「貴方が今置かれている状況は、良い意味でも悪い意味でも更地といえます」
「何かが白紙に引き戻され、持っていたものを失いましたが、それを取り繕うよりかは、全て捨ててゼロからはじめることに意義のある状態です」
蔵未:「……ああ、まさに、今の“俺”だな。もう少し早く言ってほしかった」
「もう手遅れだよ。思い出しちゃったから」
「何もかも捨ててやり直せてたら、……ちょっとはマシだったのかなあ」
GM:六枚目のカード、【女帝】 - 逆位置
「貴方自身を表すカードです」
「……」
「………………………」
フードの下から、困惑しているような、自嘲めいた笑いが覗いたような。
蔵未:「……なんだよ」
「……お前、」占い師を幻視してみます
GM:幻視をした瞬間、ゆらりと視界が歪む。
……何を、視ようとしていたのでしたっけ?
蔵未:「……あれ、……なんで、……クソッ、」軽く顳を揉んで舌打ち。
GM:「ふしだらさ、不誠実さ、自覚がありながらもなおすことのできない弱さと脆さ、そして怠慢」
「貴方はどうしようもない愛からの呪縛から逃れることが出来ず、依存を愛とのたまっては自分を救う手立てとしている」
蔵未:「……何でてめーにそこまで言われなきゃなんねえんだよ。どうせお前、“俺”だろ」
GM:「どうでしょうか」
蔵未:「分かっててどうにか出来んならとっくにどうにかしてるよ、お前だって知ってるくせに」
「…………いい、……忘れろ。『うらない』だしな」
GM:「はい。これは……占いですから」
GM:七枚目のカード、【吊られた男】 - 逆位置
「貴方自身の終着点、このまま変わらなければ行き着くであろう先を表すカードです……この迷宮の、出口です」
「……この困難が、この苦しみが、不毛なものだと貴方はやがて気づくのでしょうね。それから……その苦しみから、どのような形であれ貴方は逃れる事が出来ます」
「しかしそれは、決して良い逃れ方ではありません。あくまで、逃げでしかなく、根本的な解決はのぞめないでしょう」
「貴方自身の被害は小さく済みますが、他者への影響は大きく出ます。それは……ある種、もう二度と繰り返すべきでないこととして、記憶されます」
蔵未:「……章吾か」
「でも、他に、……どうすればいいの?……分かんないよ、……だって一緒になんて、死ねる訳ないのに」
「アイツには生きててほしいから。連れてける訳、無いから、……どうしたらいい? もうこれ以上息が出来ないのに……どうしたらいいんだ」
GM:「……カードを一枚、持っていくといいでしょう。貴方への導きになりますから」
蔵未:「導き、ね……欲しいヤツ持ってきゃいいの?」
GM:ふわり、ふわり、七枚のカードが貴方の目の前で揺れている。そのようです。
蔵未:(一度あったことは、)
(何があっても、)
(取り消せない)
(やり直せない)
(行く場所はいつも同じ)
(壊れた物は、元に、戻らない)
『吊られた男』のカードを手に取ります。
蔵未:「……これが、出口なんだよな? 出来るだけ早く、こうしたいんでね」
GM:「そのカードを選ぶのですね」フードを被った人物が、ひどく穏やかな声で問う。
答えは、解っているだろうが。そのままその人物はフードをするりと音を立てて落とす。
セピア色の世界の中でひどく鮮やかに色づくのは、貴方が見慣れた色。
貴方自身の色、それは、ブラックチェリー。
GM:「独りは、やっぱりヤだけどな」
蔵未:「……はーあ、胸クソ悪ぃ。やっぱ“お前”かよ」
GM:“彼”はまったく同感だ、とでも言いたげに、大げさに肩をすくめてみせた。
そうして貴方は目を醒ます。厭なものを見てしまった気がした。
……胸の上にあるのは、吊られた男の描かれたタロットカード。
……胸の内にあるのは<自棄>についての記憶。
まぶたの裏に焼き付いた、自分自身の微笑、あれはほんとうに、自分だったのか……。
やがて靄に包まれる記憶の中でも薄らがぬ、強烈で鮮やかなあの色を忘れられる事を、貴方は願うかもしれませんね……。

---シナリオクリアおめでとうございます。……占いに参加して頂いただけですが。
*稀少報酬
 【The Hanged Man】…1シナリオに1回、宣言で使用可能。
  宣言時の自身HPを10以上、上回る攻撃を受け死亡状態に陥った時にのみ宣言が可能。
  即時にHPを1として復活し、以降HPの回復を不可とする。
  その代償として任意の能力値に固定値+5を加える。 この効果はシナリオ中継続する。
蔵未:わあいありがとうございます!! すごく蔵未っぽい…………
GM:キャラ用に毎回作ってる訳じゃないんだけど意味に即する=キャラっぽくなる \(^o^)/
蔵未:占いコワイ(震え声
GM:毎回外れないかヒヤッヒヤしながらやってます 楽しかったー!
蔵未:めっちゃ楽しかったです!!! ありがとうございますううううう
蔵未:めっちゃ楽しかったです!!! ありがとうございますううううう
蔵未:大事なことなのでry
GM:大事ry
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