Garden


水晶の瞳


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.夕紀乃/ユウム
--------------------

GM:【♪ - 水晶の瞳】
GM:貴方は、何処かで見た覚えのある雑踏を掻き分けて歩いています。
目的地はあなた自身にも分かりません……何故自分がここにいるのかも、分からないのです。
持っているのは、貴方が忘れたはずの薄ぼんやりとした記憶。鮮明ではないにしろ、今は貴方の中にある……。
ユウム:古き良き日本、なんて言葉が似合うかもしれない、そんな場所をぼんやりと歩く。高下駄を履いた自分は少しだけ目線が高い、そんなよく見る景色。
GM:漂う香の匂い、懐かしい田園を遠くに、人々は着物を身につけてあちらこちらへと行き交っている。
GM:聞き覚えのある言語ながら、他愛のない会話が耳を掠めて、人混みの中を歩く貴方の目に入ったのは……
胸に一輪の白薔薇を挿した人物でした。顔覆いを被った、彼とも彼女ともつかぬその人物は貴方を手招きます。
ユウム:「……?」そちらに向かいます。
GM:ユウムさん、貴方がその人物を認識した瞬間、夢独特の色褪せた景色から音が消え去ります。
世界のすべてが静止したように……その中で浮かび上がるのはその人物と貴方のふたりっきり。
ユウム:「………………え、」困惑、周囲をきょろきょろと見ては落ち着かない様子。
GM:女とも男とも判別し難い声が、困惑する貴方に投げかけられる。
「……こころを覗いてみませんか」
ユウム:「……君、誰?」警戒、殺気に似たものをその人物に向ける。
GM:「ゆめのなかの朧に答えがありましょうや」
ユウム:「夢? ……夢見の妖怪にでも、絡まれた?」警戒心はそのままに。「こころを覗くって、なに?」じっ。
GM:不思議と、今すぐに切り捨てる気分にはならない目の前の人物は、静かな口調で続けます。
「ここは貴方の心のなかに築かれた迷宮です……ゆめから、醒めなくては。……そうでしょう?」
ユウム:「……うん、もちろん。眠ったままは困る」
GM:「なればこころを覗かねば、向き合わなければ、出口は見えて参りません」
ユウム:「んー……?」こて、と首をかしげつつ、刀にのばしかけた手は下ろす。「よくわからない、けど、こころを覗けばいいの?」
GM:「そのお手伝いをばさせて頂きましょう、どうぞ、貴方のこころを示してください」
GM:その人物は、宙に手をかざしてひとつ、空を切る動作をします。
すると何やら絵図が描かれた札がすうっと音もなく宙空に浮かび上がり、貴方の目の前で静止する。
ユウム:「??? これ、なに?」きょとん。
GM:「西のうらないに用いる道具です」
ユウム:「うらない? うらなってこころを見るの?」
ユウム:占い、知ってはいるもののやったことはない模様。
GM:「そう難しく考える事はありません。たとえば……間違った事を言われたとしても、それが自分のこころに波をおこしたのなら」
GM:「それは貴方をみちびくものとなる……いい加減なものです。遊びだとお思いいただければ宜しゅうございましょう」
ユウム:「うん、わかった」こく、とうなずく。
ユウム:興味深そうに札をじぃっと見ている。「僕、どうすればいいの?」
GM:「……たとえば、その刀をもう一度振るうなら?」
目の前の顔の見えぬ人物は、貴方に好きな札を選ぶように促します。
GM:*1〜22の数字でお選び下さい。
ユウム:「んー……?」しばし思案。
ユウム:なんとなく10をぺいっと選びます。
ユウム:目をつむって選んだ模様。
GM:もう一度その刀を振るうなら――それは憎しみから?なにかを、だれかを護るために?それとも果たすべき何かのために?
GM:選ばれた札は貴方が触れると同時に一刀両断される。まるで自分が切り捨てたような感覚に囚われた。
ユウム:「………………」ぱちくり。
ユウム:それからふ、と目を伏せる。「僕は妖怪が嫌い」「だって、妖怪は、」「あいつ、は、」ぎ、と殺気がにじむ。同時にひどい頭痛に襲われる。まるでその先を思い出したら壊れるといわんばかりに。
ユウム:「…………っ、い、た……っ!」頭を抱えて、うずくまる。痛い、痛い、こんなこと、前もあった気がする……あったっけ?
GM:その様子を顔の見えない人物は静かに眺めている。
そのまま、宙空に浮かんだ札が7枚まで減り落ちて、その人物はそのうちの一枚を貴方に見せた。
GM:一枚目のカード、【運命の輪】 - 正位置
「これは貴方の過去を表すもの……運命の奔流、貴方は抗えなかった」
GM:「自分自身の力ではどうにもならないこと、知識の及ばぬところから流れ出るもの……」
ユウム:「過去……うんめ、い、……?」ずきん、ずきんと痛む頭で、カードを見る。考えようとして、また頭痛がする。「いっ、……う、」思い出したくない、思い出しちゃいけない、痛い、痛い、
GM:「成し遂げねばならないことが定められていたのではないのでしょうか?」
GM:「たとえばそれで喪うものがあったとしても」
ユウム:「……とう、さ、……かあさ……ん……」ぽつりとこぼれる。
GM:いつの間にかあの継ぎ接ぎの雑踏は消え失せ、貴方が運命に流されたその瞬間の場所に立っている。ここは岐路。
GM:ぐるり、運命の輪が渦を巻いて、絵図の描かれた札は宙へ消え失せた。
ユウム:「……ごめんなさい、僕が、弱かった、から、」弱弱しい言葉がこぼれた。
GM:二枚目のカード、【皇帝】 - 正位置
「これは貴方の現在を表すもの……貴方は自身の力で立たなくてはいけません」
GM:「自身をたてなおすべき岐路に立っています。周囲には流されてはいけない。きっと……それは、自分が一番よく知っておられるのでしょう」
GM:「導きは父性、貴方のこころと刀に」
ユウム:「……父さん……」刀を教えてくれたのは、僕にこの道を示した始まりは父だった。それはもう思い出していた。
GM:先程まで立っていた場所が崩れ落ちていく。過去は過去、もう戻せない、それが運命だから。
崩れ去った先、闇に浮かび上がる幻影は楽しげに笑う「いまの友人たち」……彼らも自分も何かを失っている。大事なものを。
ユウム:ずきん、ずきんと痛んで、もう思い出しているだろうその思考に深く近づかないように無意識の防衛をしながら、その景色の中へ。
GM:三枚目のカード、【塔】 - 逆位置
「貴方にとって、近い未来を表すカードです……貴方は真実に気付くはずです……いえ、もう気づいておいでなのでしょうか」
GM:「混乱、迷走、動揺、今まで立っていた仮初の安寧の崩壊」
GM:「しかしその破壊なしに前へ進む事は出来ません」
ユウム:「……そうだね、そうだよ、だって思い出したんだから」定まらない思考のままに答える。
GM:浮かび上がるかれらは所詮ゆめまぼろしとでも言うのか、貴方が瞬きをするたびに一人ひとりその姿を消していく。
その先に見えるものは、……。
ユウム:「僕が憎んでいたのは、殺したかったのは、」「……ただ、両親の仇をとりたかったんだ」憎くてたまらない、妖怪の姿。
GM:四枚目のカード、【戦車】 - 正位置
「……これは、問題への立ち向かい方を暗示するものです」
GM:「すべては貴方が握っていると言っても過言ではないようです」
GM:「熱情に流される事なかれ、衝動に突き動かされる事なかれ、目的のみを直向に遂行するべし」
GM:「しかしそれは賭けでしょう。……果たした先の未来を、貴方もお分かりなのではありませんか?」
ユウム:我を忘れかねない自分を知っているがゆえに苦笑をこぼす。「未来なんて分からないよ」考えたくもない。……いや、考えても思い浮かばない。だって一人じゃ僕には何もない。
GM:五枚目のカード、【隠者】 - 逆位置
「これは、貴方の周囲を表すカード。……未熟さ、不安定さ。 真実や現実、 真理を知ることへの拒絶、忌避」
GM:「ほんとうは知りたくなどなかったのですね」
ユウム:「知ったら、終わるって、思ってたのかな」ぽつり。「子供で、いられたんだ。思い出さなければ、僕は子供のままだった」
GM:闇の中へ落ちていくような浮遊感。
GM:六枚目のカード、【死神】 - 逆位置
「……これこそ、貴方自身を表すカードです」
GM:「変化が必要だと、解っていながら停滞を望むこころ。それはやがて貴方を殺してしまう」
GM:「向きあえば貴方は傷つく、それでも貴方の中では緩やかな雪融けのように変化ははじまっているのでしょうか……」
GM:「それを自ら選択するか、押し流されるに終わるか……それは貴方だけが知ること」
GM:夜闇を溶かしたような空間の果てについたのか、大きな水音を立てて地に足がつく。
朧に見えるのは自分の輪郭と、顔の見えぬ人物の輪郭、薄ぼんやりと光を持つ白い薔薇だけ。
ユウム:「……あの人がいたから、思い出せるようになっちゃったのかもしれないね」ぽつり。「向き合えるようになるには……きっと一人じゃダメだったんだ」
「あの人なら、僕をそのまま見てくれたから、」「そのままでいたいと思ったのも、変化できるようになったのも、きっと、」脳裏に浮かぶ桃色の羽。桜と一緒に舞うそれはとても綺麗だった。
ユウム:「…………ここが最後?」目の前の人物に問う。浮かぶ笑みは子供のそれではなくなっていた。
GM:七枚目のカード、【月】 - 逆位置
「最終的な、この迷宮からの出口は、此処に……」
GM:夜空の水面がさわりとざわめけば、天上には何もないのに水面にくっきりと浮かぶ満月。
GM:「過去に葬ったことを、今明らかに……こころと、向きまえましたか?」
ユウム:「向き合えたんじゃ、ないの……おかげで死ぬほど頭が痛いけど」今もまだ頭痛が残っている。
GM:「絵札を一枚、持っていくと良いでしょう……これからの、導きとして」
GM:今まで消えてきたカードが、7枚すべて目の前に浮かび上がる。好きなものを選べというらしい。
ユウム:「好きなのを選んでいいの?」目を瞬かせてじっとカードを見る。幻視できるかなー。
GM:幻視すると……多くのカードは弱々しい光を放っていますが……
「運命の輪」 「皇帝」 「戦車」 はまだ強い光を放っているようにみえます。
ユウム:「…………」少し悩んだ末に戦車のカードを手に取る。「我を忘れることなかれ……なんて。そう思えたまま帰れるとは思わないけど」「言い聞かせるにはちょうどいいかもしれないね」
GM:ふ、と顔覆いを被った人物がその被りものを落とす。
「それを選んだんだね」
GM:「まだ思い出すべきじゃないよ。だってそこに彼はいない。君は一人でそれを受け止められる?」
GM:「人といてこそ君は優しい夢で在れるんだ。一人で無茶をするんじゃないよ。……君はまだ、そこでは"子供"なんだから」
ユウム:「……!」
GM:闇の水面に満月が浮かぶ世界の中で、深い海の輝きを放つ瞳は‥‥貴方が鏡の中で毎朝出逢う揺らめき。
GM:「……記憶が無くても桃色は好きなんだね」目を細めて、目の前の自分は微笑む。
それから息を吸い込んで、「ちゃんと周りに頼りなよ、クソガキ」それだけ言うと彼の姿は満月の光と共に消え――
GM:そうして貴方は目を醒ます。
崩壊する戦車の描かれたタロットカードと、<虚無>についての記憶を胸に。
自身のものとは思えぬほど穏やかなあの声色を、きっと貴方は、憶えていることだろう。
ユウム:「…………」ぱちくり。「……ガキじゃ、ないもん」
ユウム:空虚さを胸に覚えながらつぶやくのでした。
GM:----
シナリオクリアおめでとうございます!

▼クリア報酬
スキルポイント50pt
選択したタロットカード1枚(戦車※稀少報酬)

自身の「虚無」に関する記憶
ユウム:わああいSPだあああああ
GM:▼稀少報酬
[The Chariot]
1シナリオに3回まで宣言で使用可能。
任意の行動(例:回避、攻撃)に追加行動を1回加える事が出来る。
ユウム:おお……強い……(震え
ユウム:ついだに大地雷も回避……。
ユウム:ついでに。
GM:チェッ!
ユウム:>舌うち<
GM:ということでお付き合いありがとうございました。あまり傷を抉ってあげられず申し訳ない。
ユウム:十分地雷直下でした大丈夫デス……。
ユウム:このシナリオ楽しい(確信) また他の子でも来たい。
GM:是非またお越しくださいませ。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -