Garden


秘密の箱


参加者


GM.佐久間いずみ
PL.とりどめコモ/デューツィア・フィニス・アルニラム
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GM:三井千穂様作成[ 秘密の箱 ]の進行をつとめさせて頂きます佐久間いずみです。
ようこそデューツィアさま。それでは早速はじめていきましょう、よろしくおねがいいたします。
デューツィア:よろしくお願いしまーす!
GM:貴女は記憶を失くした放浪者。行き着いた先は大樹の星と呼ばれる不思議な場所。
此処には40人以上の人々が生活を営んでおり、貴女もまたそこに居を構えることになったひとりである。
早速自分の寝床としようと定めた建築物の中に入り込んで、はたはたと掃除を始めた……といったところだ。
デューツィア:「む、こんなところにも埃が…」「ここは後で拭き掃除だな」
などとブツブツ呟きつつ掃除に夢中だ。
GM:さてはてようやく埃が綺麗になってきたところでふと据え置かれた机に目が留まる。
なんとなしに、机に近づいて引き出しを開けてみると、貴女は見慣れない鍵をみつけた。
銀に輝く、大振りの鍵、15cmほどはあるだろうか、手に取ればずっしりとした重量感が感じられる。
デューツィア:(この部屋のどこかの鍵か?)
鍵がかかっていそうな物を探してキョロキョロとあたりを見回す。
GM:部屋のあちこちを捜してみるものの、おやおや何処の鍵穴もこいつには小さいようで。
どこの鍵なのかさっぱり検討のつかないそいつは、なんだか不思議な存在感を持っていて、どうにも捨てる気にはなれない。
デューツィア:(ふむ、この大きさならば持ち歩いても荷物にはならん。鍵穴を見つけたら空くかどうか試してみるとしよう)
と思案しつつ、鍵を懐に仕舞い込む。
GM:懐に鍵をしまいこんで、一室の掃除をやり遂げたその日の夜。
あなたは眠りにつく。心地よい眠り。温かい闇の中へあなたは還る。しばらくの、無。
やがて、夢が始まる。あなたは、気が付くと見知らぬ扉の前に、立っている。
デューツィア:夢だと自覚できるのかしら?
GM:ええ、これはきっと夢。
見覚えのない扉、大きな鍵穴、そして貴女のてのひらの中には昼間みたあの銀の鍵。
心地の良い微睡みを漂っているような、何処かあたまがぼうっとするような、そんな場所は、現実にあるだろうか。
デューツィア:(夢だな)
独特の微睡めいた空気にゆらゆら揺れつつ、ひとまず扉とは開けるものだ、と目の前の扉を開ける。
GM:がちゃりと小気味のよい音がしたかと思えば、その扉はあっさり開く。
その先の、先の見えない空間へ、あなたは足を踏み入れるだろうか。
デューツィア:夢とは言えど何が起こるかわからないので、注視を行いたいですGM!
GM:やはり先は見えません。まぁっくら。
それでもなんだか、自分に害が及ぶようなことにはならないだろう、とぼんやり考えたりするかもしれない。
デューツィア:「……」
では、ゆっくりゆっくり、石橋をたたいて渡るような速さでくらやみの中に足を踏み入れる。
デューツィア:何が出てくるのか、少しわくわくしているかもしれない。
GM:おや、視界がないと思ったら足場までない!
あなたはそのまま真っ逆さま、気分はうさぎの穴に落っこちていく――嗚呼、そんなお伽話、読んだ覚えがあるような。
──ごめんね、君のこと、ちょっとだけ教えてほしいんだ──
落ちていくあなたの耳に、ささやきかけるあまいこえ。
デューツィア:「…おぉ」
夢の中だからか、油断しきっていたのか、普段ならば上げないようなちょっと間抜けな声を上げて自由落下していく。
さなかに聞こえたあまいこえには、何も応えない。
GM:ふっ、と、落ちた先、意識がはっきりと戻る。
落ちていたのは一瞬かもしれないし、もっと長いかもしれないけれど、よくは分からない。
ともかく辺りを見渡すと、あなたは赤いふかふかのすわり心地の良い椅子に座って、大きな白い画面を眺めている。
手にはとうもろこしを炙って弾けさせたお菓子としゅわしゅわした不思議な飲みくちの甘いのみもの。
GM:キャラメルがお好き?チョコレイトがお好き?プレーンだってかまわない。どうぞ望むまま!
デューツィア:ではプレーンで!!
デューツィア:体感にして二分ほどあたりを見回し、フムと顎に手を当てた後、ゆったりとおそらくはじめて食べるであろうお菓子をのんびり食べ始める。
しゅわしゅわとした飲み物には、一口飲んで少々驚いて口を離すけども、そのあともちびちび飲んでいる。
GM:プレーンのポップコーンを抱えて、のんびりしていると、びーっという音が鳴り響く。
そうしたらぽつりぽつりと灯りが消えていって、足元にだけ薄ぼんやりとした灯りがともる。
どうぞお静かに!
今度はなんだろうか、白かった壁に映像がうつしだされている。何か、物語を上演するらしい。
デューツィア:(此処は劇場のようなものか?ではあの白い壁が舞台、といったところか)
GM:からからと映し出されて紡がれはじめる物語。
最初にあなたが目を留めたのはサーカスの舞台で活躍するライオン。
[ ライオンは人気者でした 観客からの歓声を一身に浴び、彼は輝いていました。]
デューツィア:「……」
GM:からから、からから、物語は廻る。
[ しかし、ある日ライオンはえさを与えられず、お腹がすいて、ひどく気が立っていました。]
からから、からから、……
[ その日のショーで、ライオンは人を噛んでしまい、檻に入れられてしまいます。]
どどんとふ:「デューツィア」がログインしました。
デューツィア:「……」
黙々とお菓子を頬張りながら、一体誰が餌を与えなかったのか…と考えている。
デューツィア:(食事を取らねば、どんな生物でも気は立つだろうに)
GM:あなたの疑問にスクリーンは応えないまま、ただ物語を続けるだけ。
[ 檻の中でぐったりしていると、支配人がやってきます いわく、3日後には自分は銃で殺されてしまうのだと、ライオンは知りました。]
デューツィア:「…商売道具としてなら、妥当な処理ではある…か」
お菓子を頬張る手を止めて、飲み物を流し込み、続きを見守る。
GM:[ ライオンは夢を見ます 草原を自由に駆けている自分の夢です――…… ]
GM:からから、かたん、そんな物語が、流れ続けるスクリーン。
あなたはこの物語を見て、なにか感じたでしょうか、感じたとしたなら、それはどんな感情でしょう?
デューツィア:いきものではなく、あくまでショーのための道具として扱われたライオンに「懐かしさ」を覚える。
ただし、それは決して温かなものなどでは無く、どこか血生臭く、虚無すら感じる「懐かしさ」だった。
GM:……終わりを迎える物語の中のライオンの姿が、やがてあなたの姿に変貌していく。
それを認識すると同時にスクリーンの映像は途切れ、あなたの周囲もまっくらな闇に包まれてしまった。
気づけばあなたが立っているのは四角い、白い内装の部屋。
デューツィア:「……」
GM:あなたの目の前には、ライオンのぬいぐるみが4匹。
それぞれ、「よろこび」「いかり」「かなしみ」「たのしみ」と書かれた札が首に下がっていて、あなたをつぶらな瞳で見つめている。
GM:あなたがそれを確認したところで、部屋の中に声が響く。
「その子たちを、君が正しいと思うところに置いてあげて。君が思うまま、君の気持ちにだけ正直に答えてね。」
この声は、最初に落ちた、あのまっくら闇の穴の中で聞いたあまい囁き声の主に違いない。
デューツィア:「……」
声の言うままに、ぬいぐるみたちを両手に抱きかかえる。さて、どこに置けばいいのだろう?
GM:「きみがどうしても自分の手に残したい気持ちだけ、持っておいで」
GM:「ちゃんと置いてあげられたら、道を教えてあげる」
GM:さて、それだけ言うと声はぷっつりと途切れてしまう。
代わりとばかりに、サーカスの舞台、鉄の檻、青い草原のセットが目の前に現れた。
どうやら、ぬいぐるみをそれぞれのセットに置くことができるようだ。
デューツィア:(場所は、三つ。ぬいぐるみは、四つ。なるほど…)
少々思案する。
デューツィア:では、「よろこび」をサーカスの舞台に。「いかり」を鉄の檻に。「たのしみ」を青い草原に、それぞれそっと置いていく。
デューツィア:残った「かなしみ」のライオンを両手で抱き込み、あたりを見回す。
GM:「君はその子が――よろこびのライオンが、舞台に立つことを望む?大勢の前で指をさされたり、笑い物になってもいい?」
ぽつり、ぽつり、声が降ってくる。
「君はその子が、――いかりのライオンが檻に入ることを望む?そこから一生出てこれなくて、一人きりになってもいい?」
あまくて、やさしいその声は、確かめるようにゆっくりと言葉を投げかけてくる。
「君はその子が、――たのしみのライオンが自由になるのを望む?君の手を離れていってしまっても、いい?」
確認するように、ゆっくりと。
デューツィア:「全て連れて行くことはできないのだろう?」
こちらも確認するように問いかける。
GM:「連れていけるのはただの一匹だけだとも」
デューツィア:「ならば、これで良い」
それぞれの場所に置いたライオンたちの頭をゆっくり撫でる。
GM:「ぜんぶ納得したうえで彼らをそこに置いたんだね」
即断即決のお嬢さんだ、とでも感心したような声音。彼は興味を持ったのか、さて。
「何故彼らをその場所に置いたんだい?」
デューツィア:あ、あまいこえって男性なんだ。
GM:はい男性ですね。
デューツィア:ほほー。
デューツィア:「よろこびも、いかりも、たのしみも、どんな形であれ生きていく力になる感情だ」
デューツィア:「舞台で浴びせられる喝采へのよろこびを糧に励み、
 いかりを力にすればどんな形であれいつか檻を破ることができるかもしれない、
 人の手を離れ草原を駆けるよろこびに生きて往く」
デューツィア:まちがえましたたのしみ
GM:「……そう。応えてくれて、ありがとう」
GM:「君の答えには、迷いがなさそうだ。準備ができたなら、そこをくぐっておいで」
そう声の主が言葉を落とすと、いつの間にか奥へと続く扉がその姿を表していた。
デューツィア:「かなしみは、死への階段だ。ならば私が連れて往こう」
礼を述べたあまいこえに、どこともしれず一礼し、ぬいぐるみをしっかり抱えて扉を開ける。
GM:扉をくぐるのなら、本夢何度目かになる暗闇の中に身を投じる事になる。
一つ目をぎょろりとさせたコウモリが、道の先を案内するように飛んでいるのが、前回と前々回との相違点か。
コウモリを追いかけていくと、暗闇の中にぼんやりと、サーカスの舞台に立つ あなた を見る事になる。
デューツィア:「…ほう」
つぶらなぬいぐるみがしっかり腕の中にあるのを確認して、辺りを見回す。
GM:「きみがあそこに置いたのは、ほかの人にもっと "見てほしい" "知ってほしい"と思っている気持ちだよ。」
ぼんやりとした灯りの下で喜びに満ちた様子の自分を眺めるのは、なんだか妙な気分かもしれない。
「君は<よろこび>をそこに置いたね」
GM:「舞台に立っている君は、<よろこび>に満ちていて、涙さえ落としているね。
 うれしさでむねがいっぱい、飛び上るほどしあわせな気持ち。
 君はその喜びをみんなに知ってほしくて、舞台に立っているようだね。
 観客の人たちも、君のその姿を見て、喜びを感じ、それを祝福していたかもしれないね……」
デューツィア:「……」
GM:ゆっくりと歩を進めると、次に視界に入ってくるのは檻の中にぽつんと佇むあなたの姿。
「きみがあそこに置いたのは……
 "隠しておきたい"、あるいは"感じることに罪悪感のある気持ち"だよ。
 君は<いかり>をそこに置いたね」
GM:「檻にいれられた君は<いかり>に震えている。
 閉じ込められている理由を知っていても、
 それを理解していても、この憎しみが消えることはない。
 しかし、君は安堵している。
 ああ、この<いかり>を、誰も知ることはないだろう。
 周りの人たちは君の姿に怯え、みな近寄ろうとはしなかった。
 君の<いかり>はそうやって隠されているみたいだね」
デューツィア:浮かび上がる光景の中、確かにいかりに震えている自分の顔を眺め、無意識に手を握って力を込めては緩める、を繰り返す。
GM:そうやって、また、ぼうっとした灯りが見えてくる。今度は、青い草原を駆けるあなたの姿。
「きみがあそこに置いたのは、"君にとって叶わない願い"だ。君は<たのしみ>をそこに置いたね」
GM:「青い草原の君は、
 歌って、足を弾ませ、<たのしみ>を体いっぱいに表している。
 君は、そんな自分の姿に、
 あこがれ、胸を焦がしているんだ。
 同時に、この気持ちを、
 心のどこかで叶わない願いだと感じているようだね。
 この楽しさを自分の心で感じることができたら。
 笑顔でそれを受け入れられたら。
 
 君はその<たのしみ>を、
 いつか手にできることを夢に見ているんだよ」
デューツィア:「…お前は何者だ?」
ここまでの彼の言葉を聞き、青い草原の中の自分をゆっくり見つめながらつぶやく。
GM:「……何者だとおもう?」
デューツィア:「さて、これは夢であるのだから私すら知らぬ「私自身」か…。もしくは私のこの夢に何らかの手段を用いて干渉する「第三者」だ」
GM:「……自分自身に教えるつもりで、応えてくれるかな」
GM:「教えて欲しいんだ、君はどんなときに……<たのしみ>を感じる?」
デューツィア:「なかなかに、悩む質問だ。私にありのままの記憶があれば、すぐに応えられただろうが…」
現在の自分にはその「記憶」が無い。だので、今持っている経験だけから応える。
「これといった<たのしみ>は今のところ感じていない」
GM:「……そう。出会ったことのないその<たのしみ>に、君がいつか出逢えることを祈っているよ」
デューツィア:「何処の誰とも知らぬが、その祈りには祈りを持って返そう」
GM:「君の<よろこび>が届くべき人に届き、そして君が<よろこび>を感じ」
GM:「君が感じる<いかり>の姿の輪郭をいつかつかんであげてね」
GM:「もし君が既に<よろこび>や<いかり>を朧にでも抱いたことがあるのなら、教えて欲しいな」
デューツィア:ふむ、と今までで覚えている出来事を思い返す。
デューツィア:「作った料理を美味そうに食べる者を見ると、<よろこび>を感じる。<いかり>は、今のところ抱いていない」
GM:「きみは素直で正直なひとみたいだ。……応えてくれてありがとう、さあ、最後だよ」
GM:「君が最後に手にした、その<たのしみ>は、君の"取り戻したいもの"だ」
GM:「……おれは、心を食らう悪魔。君の心のことを知りたかったんだ。」
GM:「……お礼に、おれから手渡すものがある」
デューツィア:「私の心が、果たしてお前にとって美味であったのかどうかはわからんが、頂けるのなら頂こう」
GM:「その箱に人形を入れて、君が持っているはずの鍵で、その箱の鍵をしめてくれ。銀色の鍵だよ」
あなたの目の前に、ぽつんと小さな箱があらわれて、声の主の言うとおりに鍵穴がくちをあけている。
そうして、あなたの手には、ここに来るときに扉で使った銀色の鍵がたしかに握られているのだ。
GM:「それは、"秘密の箱"。
 どうして君が<たのしみ>をのこしたかは、答えなくていい。

  ──君にだけ、その秘密は明け渡される」
GM:#たのしみ× かなしみ◎
デューツィア:では、手にした<かなしみ>をもう一度、硝子の瞳でまじまじと見つめて、ゆっくり箱に入れて鍵をかける。
GM:「ごちそうさま。きみがめざめたら、<かなしみ>を取り戻すことが出来るはずだよ」
GM:「……さあ、さよならだ」
箱に鍵をかけると、カチャリ、という音とともに、空間に割れ目が走ってぼろぼろと崩れていく。
そうしてやっぱり、闇の中へ、落ちていく感覚。
デューツィア:まとめていないために落下に伴ってなびく自分の髪に視界を遮られると同時に、ゆっくり目を閉じる。
GM:そして再び目を覚ませば、そこは昨日掃除したばかりの、拠点のベットの上。
なんだか不思議な夢を見た気がするけれど、……けれど、そこでの出来事はすべて抜け落ちてしまっている。
しかし代わりに、<かなしみ>の記憶だけがあなたの胸の内に浮かび上がって、鮮明に心の水面を揺らしているのだった。
デューツィア:ぷかりと浮かんだ意識と、水面を揺らす記憶に静かに俯いて、そのまましばらく過ごした。
GM:---
お疲れ様でした! [ 秘密の箱 ] シナリオクリアで御座います。
シナリオクリア報酬は[スキルポイント50pt]+[自身のかなしみに関する記憶]となっております。
デューツィア:おつかれさまでしたあああああああああああ
デューツィア:汎用スキルポイントですかな?
GM:セッションごとに装着出来るスキルが増えるよやったね!です。
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