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青峰大輝のおかげで仕事も予定より早く終わった。黄瀬涼太は私が青峰大輝と一緒に部屋に来たことに驚いたような顔をしたけどそれは一瞬で、書類を受け取ると遠まわしにもう必要ないから部屋から出て行けと言われた。

「ありがとうございました。助かりました」

「別に、かまわねぇよ。お礼はしっかりもらうし」

「へ?」

むぎゅ
青峰大輝は言ってすぐに両手で私の胸をもんできた。驚いて声が出ない。いや、まさかこんなことされるなんて思ってもなかったから。
初日には黄瀬涼太に押し倒されたし(屈辱)ここにはこんな奴ばっかなのか!?


「あ、あの・・・」

「ちっさ」

「・・・は?」

「期待はしてなかったけど予想通りというかなんというか」

人の胸勝手にもんでおいて、この言いぐさ。殺す。絶対殺す。何が何でも殺す。
私がそんなこと思っている間に青峰大輝は「つまんねー」とか言いながらこの場を去った。ふざけんな。

「いつか絶対殺す」

「誰を殺すって?」

「っ!?」

突然声をかけられた。しかも一番聞かれたくないことを聞かれた。驚いて振り返るとそこには緑色の髪をして、変なものを持った人と黒い髪をした少し軽薄そうなイメージを受ける男。
緑色の髪、つまりはこいつがキセキの世代、緑間真太郎か。横の男は誰だ?でも緑間真太郎は変わり者と聞く。そんな男の横にいるんだ、側近かなにかに違いない。

「あれ、驚いた?別におどかすつもりなかったんだけどなー」

「突然後ろから話しかけられれば誰だって驚くだろう。あんなことを言った後なら、なおさら」

「・・・聞いてたんですか」

「あぁ。だが言ったりはしない。どうせ青峰がなにかしたんだろう」

・・・この人、わりと常識をわかってる人かもしれない。

「まぁあんなことされちゃーね。いやいや、ホントのことでも黙ってるのが礼儀ってもんっしょ」

「高尾」

「へーい」

そうか、こいつ高尾っていうのか。コイツも失礼な奴だな。
キセキの世代と一緒にいるんだから、いずれ戦うことになるかもしれない。それまでにコイツの力も調べなくては。

「しかし、いくら何かされたからと言って”殺す”というのはいただけないのだよ。あいつはあれでも軍一番の戦闘能力だ。無駄なことはやめるのだよ」

「それは、ご忠告ありがとうございます」

ムカつく。でもそれよりも高尾からの視線が鋭くていやだ。私は居づらくなって一礼をしてこの場を後にした。



(高尾)(うーん、まだわかんねぇけど、あんまりよろしくはないかなー)



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