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「これからあんたの部屋はここっスよ」
「・・・一人部屋・・・、なんですか?」
「流石に女の子を野郎の中にぶち込んだりはしないっス」
「・・・ありがとうございます」
あの後私は黄瀬涼太に連れられ、部屋へ案内された。
どんな野郎のなかにぶち込まれるかと思っていたがそこは配慮してくれたらしい。
「まぁ本当の理由は別にあるんスけどね」
「?・・・っ、やめっ・・・!」
意味深な台詞のあと腕を引かれ、そのままベッドの上に投げられた。(掴まれてた腕がちょっと痛い)
そして私に覆い被さるようにして黄瀬涼太がベッドにあがる。
「見た目は悪くないなって、思ってたんスよね・・・」
舌なめずりをする黄瀬涼太。たしかにこいつは顔はいい。妖しい雰囲気はたしかに数々の女性を落としてきたことを窺わせる。
それでも私には不愉快でしかなかった。
「やめてください」
「へぇ、俺相手にそんなこと言ったのはあんたが初めてっス。やめる気はないスけどね」
「やめてくださいって言ってます。殺しますよ」
「あんたじゃ俺を殺せないっスよ。たとえ武器を仕込んでいたとしても」
バレてる・・・!偵察部隊と言ってもキセキの世代と呼ばれるだけある。
「・・・さて、観念したっスか?」
「それでも嫌なものは嫌です」
私の拒否の言葉は虚しく、黄瀬涼太は気にせず私に近づいてきた。
そのまま首元に唇を寄せてくる。流石にヤバいと思った私は腕を突っぱねて黄瀬涼太を遠ざける。
「なんなんすか〜もぉ、いい加減諦めてくださいっスよ」
「何度だって言います。嫌です」
「強情っスね。そういう娘、嫌いじゃないっスよ」
私の抵抗などものともせず、黄瀬涼太は私の手をベッドに縫い付け私の首に吸い付いた。
「っ、ちょっと!」
「・・・今日はこれだけで勘弁してあげるっスよ。次は最後まで貰いますから、覚悟しといてください」
「(・・・誰がするか馬鹿野郎。いつか殺してやる)」
最後に私につけた痕を指でなぞってから黄瀬涼太は私の上からどいた。それに続き私もベッドから起き上がる。
私はつけられた痕をゴシゴシとこすり(それで痕が消えるわけじゃないけど)黄瀬涼太を睨んだ。
「上司を睨むってどういう神経してんスか。俺じゃなかったら殺されても文句言えねぇっスよ。・・・まぁいいや。おやすみ、名前」
「おやすみなさい」
黄瀬涼太、まずはお前から殺してやる。
部屋を出ていく奴を見ながらそう心に決めた。
(よう、黄瀬。お前が途中でやめるなんてめずらしいな)(青峰っち・・・。まぁ、あんなに震えられたらねぇ)
(それでもヤるのがお前だろ)(ひどっ、俺どんなイメージなんスか!?)(誰でも喰い漁るイメージ)(うぅっ、酷いっス)
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