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(名前・・・)(お兄ちゃん・・・どうして・・・なんで!!?)
(あいつらは化け物だ、絶対に近づくな!いいな!!)
(やだ、お兄ちゃん!!死んじゃやだ!!)
「名前、お前は今日から僕たちのイヌだ」
「はい」
数年前、兄を殺されてから私は強くなった。全てはこいつらに復讐するために。
たとえそれが兄さんのお願いを破ることだとしても、こいつらだけは許せなかった。
数年前から隣の国は力をつけてきた。それはすべてこいつらの戦闘力とよくわからない力のせいだ。
私はそのよくわからない力の根源を探るべく、そしてこいつらに復讐するべくして此処に来た。
「でも赤司っち、なんでこいつ俺の部隊なんスか?勘弁してくださいっスよ」
「いいじゃねぇか、こきつかってやれよ」
「青峰っちは面倒事押し付けられなくてよかったと思ってるだけじゃないっスか」
この嫌そうにしている男が私の配属される部隊隊長、黄瀬涼太。偵察部隊隊長で、時にはその見た目すら武器にすると聞いた。
そしてあんまりいい噂はきかない。
黄瀬涼太と話していたのが青峰大輝。第一戦闘部隊隊長。
負けなしの超戦闘人間。いやもはや人間と言っていいのかわからない。
一番最初に「お前は僕たちのイヌ」発言をしたのが司令塔、赤司征十郎。
此処で一番恐ろしいのは奴だと聞いた。どんな戦いにも勝つことは当たり前という精神の持ち主で、何を考えているかわからない。
「涼太、文句でもあるのか」
「・・・いーえ、なんもないっスよ」
・・・今の三人とあと二人いるという最強と言われる隊長五人。「キセキの世代」と呼ばれる彼ら。しかしそんなキセキの世代誰もが赤司征十郎には逆らえない。ここは情報通りだ。
「じゃあ、えっと・・・名前って言ったスか?俺は女の子だからって容赦しないっスから。せいぜい死なないように頑張ってくださいね」
「・・・わかってます。よろしくお願いします」
「へぇ、ちゃんとあいさつくらいはできるんスね。ふぅん。ま、よろしくっス」
こいつ私を馬鹿にしてるのか・・・。
まぁいい。私はこいつらと馴れ合うつもりはない。絶対にこいつらの隠してるよくわからない力を見つけ出し、潰してやるんだ。
(覚悟しとけよ)(化け物どもめ)
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