3
「だから!!「いや、なんでっ」・・・弟に迎え入れるかって?」
そう聞くとNはそっと頷いた。
「・・・別に特に意味はないの。ただあんたがそこまで悪い奴に見えなかっただけ。それに言ったでしょ?手伝ってほしいって」
「・・・でも僕は・・・」
「確かにお尋ね者だけど、弟になればこっちでなんとかできるから!」
Nは私に押され、少し考えたあとレシラムを見た。そしてアイコンタクトだろうか、少し間を置きもう一度私に向き直り頭を下げた。
「よろしくお願いします。ナマエ姉さん」
その言葉を聞いて私は自然と口角が上がるのを感じる。
「・・・よろしくね、N。これからの活躍期待してるから」
「・・・怖いなぁ」
そのあとは二人して苦笑。レシラムは若干呆れ顔だ。(ホントに呆れてたかなんてわからないけどね)
これからのことを考えると楽しいような忙しいような複雑だけど、私は久しぶりにできた家族に胸を躍らせていた。
そう、とても大切な、大切な彼のことをすっかり忘れて。きっとこれをグリーンに言ったらきっと呆れられる。いや100%。
Nを弟に迎え入れ、家のことをある程度教えてからゆっくりとお茶をしているときにそんな大切で大切でしかたない彼は姿を現した。
「・・・・・・・・・ねぇ、そいつ、誰」
背筋が凍る勢いです。どうして普段は降りてこないくせにこういう時に限って下山してくるんですかレッドさん。
- 31 -
[*前] | [次#]
ページ: