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「それにしてN、あんたこれからどうするの?」
「ん?さぁ、でもとりあえずいろんなところが旅したい。そして僕にできることを見つけたいんだ」
「・・・そっか」
Nを家に招き入れたはいいけどやっぱり会話に困ってしまった。そうして出したのがさっきの台詞。
彼が悪いことをしていたなんて私はやっぱり信じられない。だから聞いてみた。これからのことを。もしも予定がないのなら・・・なんて。
そしてもう一つ、私は彼の力を借りたかった。これだけポケモンに囲まれて育っていたらさすがになんとなくは彼らの言いたいことが理解できる。
でも完璧じゃない。だから彼がここにいてくれれば・・・と考えたわけだ。
彼には明確な目的がなかった。それならば・・・。
「じゃあさ、私が力を貸してって言ったら?」
「・・・ナマエ?」
「私はポケモンと暮らしてる。だから彼らの言いたいこともなんとなくわかるの。でも完璧じゃない。だからN、あなたに彼らの言葉を代弁してもらいたい」
もちろん、ほかにも手伝ってもらいたいことが山ほどあるから・・・私の助手みたいな仕事なんだけどね。
そう付け加えるとNはどうしていいのかわからない、困ったような表情をした。
「でも・・・僕は・・・」
「わかってる。あなたはお尋ね者。でもね、私に策があるからそこは心配しないで」
「・・・策?」
「そう。ねぇN、貴方、私の弟にならない?」
「えっと・・・、え?」
「だから、私の家族にならないかって言ってるの!?」
「ごめん、話が唐突すぎてよくわからないよ」
「だぁかぁら!!私の弟になりなさい!!」
「・・・あ、え・・・っと」
だから一回で理解しろってば!!!!
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